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【76】知識解剖①

イズミの語り部久しぶりだなぁ……。


最近まったく筆が進まねぇ!

書くものが多すぎて!

夏休みに入ったら

もうちょい頑張る。


マッティアの話をそこそこ書いたら

それ全部集約して一つのお話と

して出そうと思っています(^^)


「私は『南の賢者』キサラギ・ショウコ。

わざわざ助けに来てくれて、ありがとう」


――私は差し伸べられた手のひらに、

違和感を感じながらもそれをとった。


「いやぁ、こちらこそって感じなんですけど。

そもそも私たち、なんかしましたっけ……?」


「ノイリーが増援を呼びに行って、すぐに

ブラッドさんが飛んできましたよ。おかげで

『泥人形』の討伐が捗りました。感謝します」


たおやかに頭を下げる彼女の雰囲気は、

セーラー服を着ている女子高生とは

思えないほど繊細で、歪に感じた。


「帰還したぞ、イズミ殿下」


その隣には、あれだけの重症を

負いながらもまた戦場に出て、

生きて帰ったブラッドの姿が。


「うん。おかえりブラッド」


彼の手の甲にかるい接吻をして、

今回の功績をねぎらう。

そして――。


「キサラギ……。いや、ショウコさん」


「はい」


「あなたとは、色々とお話したいことが」


「ええ。私もです。この世界の情勢について、

現在の東西南北の動きについて。――そして、

お互いの、故郷に関して……ね」


ああ、手をとったときの違和感が分かった。

あれ、義手だ。



結局、

ブラッドの報告によると。

西の領地に侵入してきたのはあの

泥人形の大群で、私たちが対敵したのは

彼女達が取り逃がした一派にすぎないという。


おたがいの状況を確認して、

私たちは本来の目的地である

フレドリーまでみんなで行く

ことになった。


メンツは誰一人として戦闘で欠けることなく、

私、ゲイブ、ブラッド、クライス、ゴーディ。


……まあ、後ろの二人は仲間じゃないんだけどねー。


「あの泥人形は、もとはと言えば私たち西の

人間が所有していた対魔法使いの兵器でして。

それがいつの間にか、制御が効かなくなって

しまいまして……。心当たりがあるでしょ?

ねえ、ゴーディ?」


冷たい瞳と、抑揚のない声で問い詰めるショウコさん。

その疑いをかけられ、歩きながら目も合わせず

何も語らないゴーディ。……本当に、

彼らの過去に何があったのだろうか。

それはきっと、当事者とショウコさんの

使役精霊であるノイリーのみぞ知る。


「……あれ、そういえばノイリーはどこにいるんですか?」


「泥人形討伐の後始末を。全員、砂粒になりましたからね」


微笑みながら、恐ろしいことを口走るショウコさん。

きっとこの人、ドSなんだろうな……。


――この時の私たちは、まだ知らなかった。

彼女の権能が、どれほど恐ろしいものであるのか。

なぜ彼女が、知識の権化たる『南の賢者』と言わしめて

いるのか。その事実を知るのは、もうちょっと後のこと。


あれだけの虐殺をしておいて、

この微笑みを繰り出されたから、

少し危機感が鈍っていたのかも。


「それよりイズミさん」


「はい?」


「敬語、もう止めにしない?

私たち、同級生みたいなものじゃない」


「ああ、そういえばそうだったで……。

そうだ、ったね。私、今年で19かな」


「ふふっ。私も。セーラ服なんて、

もう痛く見えちゃうかしらねえ」


「いやあ、そんなことないよ?

ショウコさん凄い若々しいし、

ぜんぜん問題ないと思うよ」


ひさしぶりの女子トークを繰り広げていると、

後ろの方でムサい男たちの会話が聞こえてきた。


「……なあブラッド、さっきから

姉貴たちはなにを話てんだァ?」


「俺たちにはわからない話だろ。

故郷の話に首を突っ込むのは、

無粋だろう」


「……そういうモンか」


「そういうモンだ。――俺だって、故郷の

昔話とかを強制されたらいい思い出がない」


「れいのクソ兄貴?」


「そう。小さいころから、最低な男手な。

それに比べれば、今のキズル村は、

殿下のおかげで相当よくなったよ」


「これから、もっとよくなると思うぜ?」


「ああ。それを確信してるから、

付いていくんだよ、彼女に――」


……何か、すごく感動的な

会話をしているじゃないか。


でもなあ。やっぱりこれだけは、

ショウコさんに言っておきたい。


「――この世界で、その格好ってことを除けばね」


セーラー服なんて、

ふつうこの世界でも

疎まれると思うけど。


「うん、分かってる。それも含めて、

全部話すから――ね、ゴーディ?」


そこでショウコさんはさっと後ろを振り向いて、

唐突にゴーディに話題を振った。


「あなたに、ずっと入るのを禁止していた書庫が

あったわね。今日だけは、そこに入れてあげるわ。

――そこで全てを明かしましょう。あなたたちを

追放した理由を。そして、この世界のすべてを」


そして大きい門扉までつくと、

さっきの言葉をつぶやいた。


『ひらけ、ゴマ』


泥人形を屠った、

殺戮のオノマトペを。


ゴゴゴゴゴゴー……。


重たい音を上げながら、

扉は『西』への入り口を

少しずつ、

すこしずつ、

広げていった。


「ようこそ。知識の都、南方都市フレドリーへ」




あとがき物語【02】、「その頃のあいつ②」


一方そのころ。


『南の賢者』の住処であり、

南の王都フレドリーに向かう

イズミ一行。とは、対象的に。


――キズル村にお留守番し、

村の護衛を偉大な主から

任されたゴブリンがいた。


その名は、


「……って、このくだり前回やったろうが」


そう、作者が地味に気に入っている

マッティアくんである。


「……はあ。なんで俺がこんなこと」


はてさて。彼はいまどこで、何をしているの

だろうか。答えは、彼自身に語ってもらおう。


はーい、マッティアくーん? 出番だよー。



……あいかわらず語り部のフリが雑だな、オイ。


まあいい、作者の奴がなに考えてようが関係ねえ。

どうせこれ、オマケなんだろ? どうせ本編とかに

なんの関係もねえんだろ?(そんな事ありません)


じゃあ適当でも別にいいよな。(後々ちゃんと繋がります)


……えーと、まずは状況説明からか。

……あーめんどくせえなチクショウ。


「ガ〜。が〜」


「あーもう、分かったから黙ってろ!

モンスターに見つかったらどうする」


今の俺は、しげみにこそこそと

隠れながら『東』を目指していた。


なんでって? そりゃお前、あれだよ。


それがこいつの故郷で? 『人間化』の

薬の材料になるアイテムをドロップする

モンスターがいて? そんだけ聞いたら、

黙ってるわけにもいかねえだろ。そんな

面白そうな暇つぶし。


ってなわけで、余分な戦闘をひかえるために、

俺は安全に『東』までの道を辿ってるって

ワケさ。


……なんだよ。べっ、別にモンスターとか

冒険者とかが怖いってワケじゃねえし!?


西との戦いがトラウマになってるとかねえし?

そもそも俺は、強いし?

戦場でも生き残ったし?


「ガー。が〜」


「あーもう分かったよ! あそこから生きて帰れたのは

全部おまえの治癒ブレスのおかげだよ! だから静かに

してくれ、このままじゃ本当に何かとエンカウント……」


「――あれ? あそこにいるのって、ゴブリンじゃね?」


「ホントだ。それになんか黒竜連れてる。狩っちゃお!」


ほらな……。

言っただろ?


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