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【71】泥人形との戦闘①

前回のタイトル間違えました。『西北連合』ですね。

あー……。いいかげん賢者を登場させたい


山道を疾走しながら、

私たちは神経を尖らせていた。


――現在の戦力は限られている。


ジヲォン、レイは『不快』との戦闘で消耗し、

イルガスは彼女たちの守護に尽力している。


『まだ、動ける。ゲイブに任されたのだ、

俺を駒と思って使ってくれイズミ殿下!』


体中血みどろになりながら、それでも

活動することを志願したブラッドには、

一足先に『フレドリー』に向かってもらった。


先行した彼が切り開いた道を、

私が率いる『西北連合』が向かう。


前衛は魔法剣士のクライスくん、

にくっき『不快』のゴーディ。

生き残りの『守護者』だち。


後衛に私、そしてそれを守護するゲイブ。


ちなみに。

この陣形を支持したのは、私ではない。


『――本来なら、俺が賢者さまを助ける通りはない。

だぁが、今回はボスが賢者さまの知識を欲している。

ボスが求める道は、俺たち『守護者』が作る……』


ゴーディはそう言って、自ら前衛を希望した。


イルガスとレイから聞いた話が本当なら、

彼は――ゴーディと『守護者』は、かつて

『南の賢者』さまに仕え忠誠を誓った家臣。


一度は捨てられ、その主のもとへ赴くことに

なるだなんて、なんたる皮肉だろうと思う。


でも、協力はしてもらう。


クライスくんはもとより、

一番に『南の賢者』の知識を

欲しているのは、私たちゴブリン陣営だ。


ユキミヤ・リョウヘイの行き先を辿るため、

私が『異世界人類ニート化計画』を実行させるため、

どうしても『知の都』の玉座に君臨する賢者の元へ、

足を運ばなければいけないのだ。


――そのためなら、どんな苦労だって惜しむもんか。


この世界の住民は、東西南北関係なく、

争い、そして――働きすぎている。


キズル村の一件で思い知った。


苦労して働いても、

各地の抗争も相まって

まったく稼ぎは出ない。


「魔族が住む土地」だと批判されて、

金は流れるように手元を離れていく。


――すると、人は人を信じることを忘れる。


魔族だって、ゴブリンだって団結できるのに。


人間が団結できないなんて、

ちゃんちゃらおかしい。


だから、私が――この大陸の玉座に座ったら、

『安息日の法』を試行させる。


さまざまな理由で金や安らぎ、

生きる上で大切ななにかを失くしている

人間が、この瞬間にも増え続けている。


私は、それを変えたい。


人々が、心身を休めるための

時間を、私が作ってあげたい。


日本では、どこにでもいるただのJK。


国を統治したことなんてないし、

クラス委員にすらなったことはない。


けれど、もう一年もロードをやってきた。


誰かの上に立ち、

意見を聞くことにはもう慣れた。


たぶん私は、いい王になれると思う。


今の私たちの活動は、

すべてがその一歩だ。


「――ぁん? アイツらは……!」


前衛のゴーディが、不可解な声を出した。


その目先には、山道に生えていた

樹林がとぎれた平地が広がっている。


久しぶりの平地だ。


しかし、それを喜ぶ時間は、

――私たちにはなかった。


ミイラのような足取りの人影が、

縦横無尽に散らばっている。


「……『泥人形』か!?」


目を開いてその人影との

邂逅に驚いたクライスは、

流れるように剣を抜いた。


「魔王! 気をつけろ、アイツらは……!」


クライスが私たちに振り向くと同時、

その人影が明らかにこっちを

振り向き――。


「うぇああああぁぁぁるぁん」


ゴブリンと『不快』と魔法剣士、

最初で最後の共闘が始まった。



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