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【70】西北連合


「……っていう回想があったんだけど、

あなた達にも同行してもらうからね?

にくっき『不快』と、西の剣士くん」


ゲイブと剣士くんを隔てていた壁を、

私が「よっ」と腕一振りで消す。


まあ、あれって私の創造の産物だから。

――これくらい、簡単に消せるのだよ。


「……俺たちが、素直に従うと思うのか?」


魔法剣士と思われる青年が、ぶれることのない

強気な視線を射るように向けている。


イルガスの講習からも、『魔法剣士』という

職業がどれだけの脅威か教わっている。

精霊を使い聖なる光で魔族を浄化する、と。


――でも、相手はぁ? こ・の・ワ・タ・シ。


何も恐れる必要はない。


「私たちゴブリン陣営は、誰かさん達との

戦闘で満身創痍。あなた達の力が必要なの。

もし、同行しなかった場合……」


目に見える形で、魔力を爆発させる。


私だって、このロードになった一年くらい、

けっこう色んな死線を超えてきたんだ。


魔力の使い方くらい、いい加減覚えてきた。


「――即死させるから、文句なんて言わせない」


「……くっ……そ……!」


強がってはいるが、明らかに足が震えていた。


ゲイブ以上の魔力のオーラを見せつけられ、

立っていられるだけで充分だと思うけど。


「怖いなら、剣をしまって?」


「誰が怖いなどと……!」


「――止めろ、ボス」


激高すんぜん、ゴーディが

彼の肩を掴んで鞘から剣を

引き抜かせるのを防いだ。


私は内心、ほっとしていた。


「ゴーディ……なぜ止める!」


「思い上がるなよボス……!

アンタには使命があるだろう」


「使命……だと?」


「アンタは俺たちを……『歪んだ守護者』を救って

くれるんだろう? 『真の勇者』になるんだろう?」


「――」


「その為にも、今は命を無駄にするな。戦力が違う。

アンタの心臓はぁ、俺たちみたいな連中よりも重い。

重いぞ。だって――俺ら全員の、信頼の鎖が縛ってるからだ!」


「……わ、かった」


彼らの間にどんな主従関係があるか知らないが、

今――この場では二対二。剣士くんとゴーディ、

ゲイブと――ゴブリンロードの私。

戦力の差を理解してくれたらしい。


――『歪んだ守護者』が全員揃ってれば、

ワンチャンあったかもしれないけど……。


そこはブラッドが、

全員蹴散らしてくれたからね。


さすが私の臣下。


頼りになるなあ、ブラッド。


「ゲイブも、異論ないね?」


「ああ、モッチろんだ姉貴。

――賢者さまを助け出してから、

もう一回仕切り直しだクライス」


「……ああ。その背中、傷つけるなよ。ゲイブ」


――そうして、私たちは一時的に共闘関係を結んだ。


目指すは、南の領地。『知の都』フレドリーである。




そろそろ100話いくんですよねー……。

思えば遠くにきたもんだと言いましても、

まだなろうを初めて半年も経っていないわけで。


とりあえず書きたい話はポンコポンコ出て来るので、

ゴブリンロードもいい感じに完結させることも

そろそろ考えていかなくては……。

とりあえず、完結目標は年内です。

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