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【68】最近私の出番少なくないですか? 活躍させてもらっていいですか?④

本日2本め。

ここまで書かないと区切りが悪くなるので……。


「貴様……! 『北の魔王』、タドコロ・イズミ……!」


――ゲイブたちの帰還が遅くて心配していたら、

血だらけになったブラッドが応援を頼みにくるもんだから、

おっかなビックリ駆けつけてきたんだけど……。


「……あなた、誰?」


「今度は名前すら知らないと来たもんだ!?

そこは普通に間違えてウケを狙う所だろ!?」


なんかよく分からないけど、超ひさしぶりの

見せ場を軽く流されてしまった間が否めない。


何にせよ――私の家臣をここまで傷つけたんだ。


久しぶりの登場ではあるけれど、

激おこぷんぷんまるやぞ……!


「おい、ボス。こいつが……」


「コイツが『北の魔王』だ。まさか『不快』とも

あろう者が、こんな少女に怯んでなどいないだろ?」


「……(ごくっ)」


彼の隣に立つ汚らしい男――あいつがゴーディか。


ジヲォンだけじゃ飽き足らず、ブラッドにまで手を出して、

あまつさえ今度は魔法剣士と組んでゲイブをやろうだなんて。


何回ヘソで茶が沸かせるだろうか……。


相手の実力を推し量るためにもじっと

観察していると、ゴーディはその細い

喉をごくりと鳴らした。


額には冷や汗が浮かんでいる。

どうやら、自分がどんな存在と

相対してしまったのかを理解したらしい。


Levelカンストの転生ボーナス――。

その重圧は、何人たりとも超えられない壁。

もし超える者が居るとしたら、

それは、『西の勇者』だけだ。


ゴーディの隣にいるイケメンも強そうだけど……。

きっと、ユキミヤ・リョウヘイほどじゃないハズ。


――だから、あんなにも震えているんだ。


「イズミ姉貴……ッ。どうして」


でも、震えながらも敵愾心を抱けるとは大したものだ。

その褒美として、片手一振りの即死で天国まで

送ってあげようかと思ったが(それは無理)。


ゲイブが――ひとりの家臣が、

私のことを見つめている。


どうして、決闘の邪魔をするのだと。


子どもの喧嘩に水を指されたような目をして、

ただ説明を求めるために向けられた視線だった。


――純粋な心配は、本来なら不毛なんだ。


ゲイブなら、負けるはずがない。

私だって、さっきまで信じていた。


――でも、状況が変わったんだ。


『――急ぎ、イズミ様に申し伝えたいことがあります』


さっきまでの光景が、頭のなかにフラッシュバックする。

ブラッドが応援を頼んだにしろ、頼まなかったにしろ。


私には、この決闘を止める義務があったのだ。


「――双方は、ただちに剣を引いて和解しろ」


私はさっき作ったカンペに少し色をつけて、言った。


「さきほどの『南の賢者』様の使者からの伝達である。

我々はただちに――襲撃を受けた南の援護へ向かう!」



これでイズミたちも次回から南へ進軍できますね。

思ったより前回の章の尺が長くなってしまいました。

おもにクライスのせいだけど(回想長すぎィ)

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