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【66】サバイバル四日目・後期

今回はちょっと、文章に『いつも以上』、遊び心を加えてみました・ω・


「腐ってしまえばいいんだあああああああ!」


怒りを、怒りを、怒りを。


捨てられ、

なじられ、

死の恐怖を与えられた、


怒りを。


見せつけろ、

知らしめろ、

導き、正せ。


それが俺たち、

『歪んだ守護者』の努めならば。


堕天しけい、執行」


それは、『不快』の王が放った死の宣告。


彼らに審判を下されれば、その者はもう、

絶対平穏ではいられない。


――迫りくる落石、

――土砂、『不快』に侵食された自然たち。


動物の死骸、落ち葉、虫の糞までも―……。


『不快』に侵食され、侵略され、彼のものに

なっていく。彼の、支配下に落ちていく……。


武器となり、脅威となり、ゲイブを襲う

落石や土砂になる。目をつむりたくなる

ほどの脅威、脅威、脅威――……。


それを、憑き物、と人は呼ぶ。


……しかし。


「だから何だってんだ。アァ?」


この程度で、目をつむってなるものか。

この程度の脅威で、現実から目を背けられる理由にはならない。

この程度の恐怖で、――俺さまとイズミの姉貴を引き裂くことなど、

できはしねえんだ。


「舐めんじゃねえよ。落石だろうが、雪崩だろうが、隕石だろうが。

俺さまは折れねえ。だって、人間のアイツが気張ってんのに―……」


吹き飛ばされた、ブラッドを思う。

あの勇敢な人間を、

あの無力な人間を、

無力で勇敢で、

勇ましかった

あの男を。


アイツを――ブラッドフォードを置いて。


「――俺ばっかり、眠っちまうわけにもいかねえだろうが」


ゲイブ・ザッハーク――権能名スキル――。


絶対意思プライドオオオオオォアアッ!」


目前に迫りくる土砂の爆弾を、

ゲイブは――魔力の膨張――その余波だけで粉砕した。


怒りと憎しみの落石。

それさえも薙ぎ払う、圧倒的な咆哮。


そこに宿るものは、怒りだけではない。


朋友に対する親愛が。

主人に捧げる忠誠が。


そして、今を生き抜かんとする――意思プライドが。


彼を奮い立たせる。


王座ロードの、正当後継者として!


「こいよクソ陰キャ! てめぇの尻蹴り上げるまで、

俺さまは帰らねえぞ!」


「このぉ……こんのぉッ!」


貴様ゲイブも――慈悲という言葉を知らないのか。


力ある者が、力なき者を埃のように払いのける、

そんなクソみたいな……元々薄汚れた世の中で、

『慈悲』だけが、唯一、神から与えられた

絶対の許しの徴表、神の叡智、自戒の経典。


それを、それをお前も――賢者様のように、冒涜するのか?

尽くして尽くして、命を燃やして――それでも認められない、

俺たちの忠誠。それを一切の慈悲もなく、切り捨てるのか?


「お前も……お前もォォォオオ!」


力を持つ者が、憎い。


「俺たちの、敵か!憎い、憎い! でも」


捨てられる悲しみも、憎しみも知らない。

そんな奴に、そんな野郎に……!


「殺されるわけには、行かねえんだよ!」


「こっちのセリフだ『歪んだ守護者』!」


ドンッ――!


ブラッドの権能の加護を受けたゲイブが、

大地を蹴り破らんとする勢いで跳躍する。


その跳躍は、一瞬でガケの頂上まで達し、


「捉えたぜ、ゴーディ」


『不快の王』を、眼下に捉えた。


「ヒッ・サツ!」


ゲイブに発現した、肩の牙。

後に『ショルダーファング』と名付けられるそれは、

歯の向きも敵と対象にならず、

使うことを自制されていたが。


「この距離でなら、関係ねえよな!」


牙を向く、ゴブリンの『牙』。

圧倒的厚さ、圧倒的な破壊力。


それを相殺できる者など、いない――


「――とでも思ったか? ゲイブ・ザッハーク」


ゴーディとゲイブの間に、剣で割って入った男がいた。

男は黒く深いフードをかぶり、あの包帯と外套だらけの

集団の中にいたら、きっと気づかないような格好で。


――いや、敢えて姿を他と紛らわせるように仕向けたのか。


その剣は、七色に輝いて。神々しく、神聖な空気を放つ剣。

その輝きだけで、『不快』に汚された空気が浄化されていく。


それは、剣に付与された魔法の輝きだ。

それは、絶え間ない努力と死闘の経験の果に手に入れた、

最高の、輝きだった。


そして、その光を扱える職種はただひとつ――。


「魔法剣士……? ――テメェ、まさかッ……!」


「流石に覚えてくれていたようだな。俺の名前は、

よく間違われてあまり好きではないのだが―……」


男が、フードを脱ぐ。


そこに映った素顔は。


「お前は、いつか戦った人間……クライシスか!」


「ほおおおおおおおおらもう間違えたああああ!」


魔法科高等学校1年、超優等生――クライスが、

そこにいた。





クライスがなぜ『クライシス』というあだ名を嫌がってるかって言うと、

なんか『終わり』っぽい感じで縁起が悪いからです。


何はともあれ、『歪んだ守護者』の黒幕は彼なのでした。

次回は回想になると思います。

なんか急な展開ではありますが、何卒。


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