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【55】サバイバル初日


むかーし昔……。


ある国に、ゴブリンの群れを連れた女がいたそうな―……。


その女はうら若く、乙女と呼ぶにこんなにも相応しい者は

いないほどじゃった。


瞳は、ダイヤモンドのような光沢に溢れ、

麗美な四肢は長く、ほどよく引き締まり、

胸は太陽と月をほうばったように豊満な

ボディーラインを見せつけて―……。


そりゃーもう、ほんっとーに。


見目麗しい女性だったそうな―……。


「――殿下! ナレーションしている場合ですか!」


「あーもう、うっさい! 分かってるっつーの!」



「そっちに行ったぞ、ブラッド殿!」


「任せろジヲォン殿。そうら餌だぞ、魚類共!」


――『南の賢者』がいる国を目指す旅の、初日。


イズミ一行は、ひとまず当分の食料を確保しようとしていた。

現在の狩場は、池。お手軽に川魚を釣ろうという魂胆である。


「くそぅ……! まさかゲイブのやつめ、あれだけの

食料の備蓄をただの一日で消化してしまうとは……!」


「――過ぎたことは仕方ないさジヲォン殿! 

それより今は、目の前に獲物に集中しろぉ!」


「ああ、その通りだ! 老骨の背中、貴殿に預けたぞ!」


「合点!」


―……と、まるで戦闘シーンさながらの迫力を見せる

おバカ二人組だが、実際は池に釣り針を垂らしている

だけという、実にシュールな情景である。


「こっ、これは大物だぞジヲォン殿!」


「手が必要か!?」


「ああ、頼む!」


「よし、では我が背中を引っ張るから、一気に力むのだ!」


「わ、分かった。では征くぞ! せーのっ」


「「どおりゃあああああああああああ!」」


ぐきっ。


「あ」


「ジヲォン殿おおおおおお!」





「おおー! こりゃまた大物じゃねえか!」


「ゲイブ! 貴様、こんど食料を独り占めしたら

ただじゃおかんぞ!」


「わーってるって。そろそろイズミの姉貴たちも、

戻ってくる頃合いだぜ。火ぃは炊いといたから、

そこ置いといてくれや」


男二人がかりでなんとか持って帰った大魚は、

ドスンと音を立てて地面の上に置かれた。

ジヲォンの腰は、なんとかなったらしい。


「ところでイズミ殿たちは、何を捕りに行きなさっているのだ?」


「おお。いい質問だぜ長髪剣士! それはなぁ、この地域で最も

希少と謳われる野菜、あの――」


「「あの?」」


「――大漁じゃぁぁぁぁい!」


ゲイブが答えを言う前に、それは現れた。


むろん、叫んだのはイズミなのだが……。


正確には『かもがネギ背負ってやってきた』

というほうが正しいだろうか。


実際に、帰ってきたイルガス、イズミ、レイの

三人は、唇があひるのようになっているのだ。

頭部の毛がぴょんと跳ね、爪は鉤爪のように。

ついでに、背中にはたくさんのネギ。


文字通り、『かもがネギ背負ってやってきた』のである。


「あれが幻の食材であり、山中に住むモンスター

からしかドロップしない幻の食材、ネギだぜぇあ!」


「その代償に、こんなザマになっているがな……!」


「まったく誰かさんが食料駆逐したせいでね……!」


山中のモンスターは恐ろしく、

自分を攻撃した人物の姿を変えてしまうのだ。

その餌食となったのが、こちらの三名という訳。


「やっぱ鍋にはネギ入れないとね〜!」


しかし、イズミは全く気にしていない様子。


日本でネギを手に入れるのにここまで苦労

するのは今日び聞かないが、苦労したぶん、

美味しさが芽生えるというものだろう。


……やがて、鍋もぐつぐつと煮えてきたころ。


ゴブリンの、宴が始まる。



やっとサバイバル編へ……。

これからはこのよく分からない内容で回していくので、どうぞよろしく(^o^)

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