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【07】第二のイケメン


――ゴブリン城塞、玉座の間にて。


「――皇女殿下、緊急事態であります!」


顔を真っ青にした衛兵が、私の王室にドタドタと入ってきた。


「えー……。ちょっと、ごめん。今の放送で疲れちゃって……。後でにしてくれないかな?」


私はと言えば、想像以上に疲れてベッドで意気消沈としていた。

ほんの数分で計画をひねり出した事といい、もう今日は再起不能です……。


「そうも行きませぬ――人間が、さっそく攻め込んで参りました!」


その報せに、飛び起きないわけにもいかず。


疲れた体に鞭打って、私は玉座の間へと急いだ。


「あーっ、もう! ここも日本も、ほんっとに現代人はせっかちだなあ!」



「――ぐあっ!」


玉座の間まで駆けていくと、たった一人の人間が城の衛兵たちを蹴散らしていた。


――男性でありながら、一つにまとめられた黒く長い髪。

高い背に、獅子のように鋭い目つきが印象的なイケメンだ。


彼が繰り出す剣撃は思わず見惚れるほどの剣さばきで、文字通り、私もあっけにとられていた。



「やはり城の中のゴブリンたちが、全て人間に……。ククッ、この異変を引き起こした者は分かっているぞ――奴を出せ! お前たちの、新しい王を!」



なんと! このイケメンは私をご指名である。



……だけど、ごめん! あの御仁には、もうちょっと待っていただこう。



「我らが皇女殿下は、自室にてお休みなされている。あまり騒ぎ立てないでもらおうか」


ジヲォンが並ならぬ剣気を醸し出して、かのイケメンの剣士に相対する。


「それはそれは、なんともか弱い王女だな」

「我らが主を馬鹿にしてもらっては困るな。――万死に値する!」


お互いのオーラが最大限にまで増幅し、今にも剣を交えようとする、その時――!



「双方、剣を治めよ!」



はい、ここで私が登場する!


これが言いたかったんだよー!



時代劇に憧れて、どうしてもこういう事がやりたくて。

だけど、リアルの友達なんかいなかったから、やりたくてもできなかった武士ごっこ!



しかーし。


今の私はゴブリンロード。

部下に剣を握らせるかどうかの権限は、君主であるこの私にある。


だから、こういう事もノリノリでできちゃうのである!


「皇女殿下――!」


「ほう、貴殿が先程の……」


ゴブリンの皆は「何故でてきた!」と言いたげだが、あんなイケメンがお呼びとあれば花の女子高生としてシャシャり出ないわけにも行かないでしょ、ねえ?


「私が二代目ゴブリンロード、タドコロ・イズミに相違ない。何用だ、侵入者の君よ」


あ――――――きーもちぃ〜!


イケメンは私のそれを女王の威厳と受け取ったのか、彼も自ずと名乗りだす。


「オレの名はブラッドフォード。貴殿が侵略せんとする、キズル村の住民だ」




……やっと名前出せた(^_^;)

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