表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/140

【S13】西の勇者


そこからのことはよく憶えていない。


僕が彼女に何をしてしまったのか、どうなってしまったのか、その顛末を知らない。


目が覚めた時、彼女はもうどこにもいなかったからだ。保険の先生が僕を起こしてくれて、女の子がいなかったかと訪ねても、「知らない」と答えるだけだった。


それから彼女は何日も学校に来なかった。


というか、もう二度と学校に来なかった。


教師に聞いても、「転校した」という情報以外は聞き出せず。


如月は自分の存在をそのまま学校から消滅させてしまったのだ。


まるで陽炎のように、僕が見ていた甘い白昼夢のように。


所詮は童貞の夢物語だと割り切ってしまえなかった僕は、

そこから彼女を調べた。


フェイスブックとかインスタとかはやっていなかったから、

唯一彼女の手がかりとなる家に行ったが、そこはもう空き家だった。


ならばとダメ元で電話をかけてみたが、結果はお察しである。


逢いたくても逢えないのが、こんなに悲しいことなんて知らなかった。


昔の人はそれを和歌にして伝えたが、仮に僕が書いたとして読まれるのが何百年五になるか、そもそも記録として残されない可能性の方が高い。


なら、今ぼくができることは何だろう。

何が僕のこのやるせない気持ちを消化してくれるだろう。


……そうだ。


「ゲームをしよう」


二次元に逃げた……のではない。

彼女を理解しようと思ったのだ。


『――残された時間で、あたしを理解して』


うまく思い出せないけど、それが如月の望みなら。


僕は君に寄り添おう。君を理解するために努力しよう。


陽炎のように美しかった、僕の恋人のために。



そしてまるで呪われたように、人が変わったように僕はゲームに没頭した。

成績はちゃんと維持してたし、親から文句は何も言われなかった。


彼女がしていたゲームの、至るものの全てやりつくした。


でも、やがて僕は気づき始める。


自分だけの世界観が欲しいと。

この広く、素晴らしいゲームの中で、僕は自分だけの価値観を見出したい。

空想に浸っていたい、妄想に支配されていたい。夢を、見続けていたい。


そんな思いが、日に日に僕を蝕むようになっていた。


しかし、それを破ろうとすれば、如月の呪いが僕を束縛する。


だから僕は、自然と頭の中から如月を追い出すようになっていた。


別れた時のような寂しさは感じない。

だって今の僕には、大好きになったゲームがあったから。


高校生活全てを注ぎ込んでゲーオタとなった僕に残っていたのは、

空想を止めないことに固執した、

夢を見ることに執着した、

ただの抜け殻のような僕だった。


理想が高すぎて、本当の僕を見つけ出すことができない。


だからゲーム内でもコミュ障が発症し、うまく自分自身を表現できない。


そんな負の連鎖。

断ち切ってくれたのは、異世界に転生されてからだった。


そして新しい生きがいができた。


エマという名の、新しい少女を見つけた。


彼女を守りたい、救ってあげたい。


あの時――如月と離してしまった温もりを、もう手放したくない。

そんな下心を、ずっと心の中で抱えて押し殺していた。

如月の面影と一緒に、ずっと言えずにいた。


僕はエマに、

ユキミヤ・エマに歪な恋をしていた。


このままではいけない。


うまく言葉にできないが、人間として間違っていると思うから。


――彼女に逢わなくちゃ。


『いつまでも、待っているから』


彼女に、如月に合って全てを終わらせなくては!


――ドクン。


急に脈が上がって、太鼓の鼓動のように広がりだした。

ドクン、ドクンと何度も脈の中で爆発して僕の頭に血を登らせる。


力が溢れてくる……無念を晴らせと体が叫んでいた。


「ああ、僕は――」



不遇の勇者、穂刈誠太はもういない。


僕は今日から西の勇者――ホカリ・セイタだ。



主人公になるため、陽炎の彼女を救い出すために。


『あたしを、救い出して』


僕は死ぬまで、このゆめを振るおう。





正直言って、自分でも何を書いているのかわかりません。

ただただ言葉が浮かぶままに書き連ねて……それが楽しいと思ってしまいます。

何を行ってるのか分からないと思う方もいるでしょうが、

安心してください、作者もうっすらとしか理解していませんから^^;


まあ話を要約すると、「穂刈にとって如月がめっちゃキーパーソン」ってことです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ