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【S7】剣の教えと、魔法の教え②

※『不遇の勇者の誕生祭①〜⑤』までがサブの登場人物紹介と背景紹介だとすると、

今回の『剣の教えと、魔法の教え①〜』は本編へのフラグを立てるための回です。

なので説明文のような描写が続かないよう極力努力はしていますが、

読み応えのない文になっているかもしれません。ごめんなさい(T_T)

流し読みでもしてもらえれば……。

あとちょっと短いかもです。



「ソフィア、こっちよ」


「エマ!」


エマを見つけたソフィアが、さながら飼い主を見つけた犬のように駆けよる。

今はもう、すっかりお昼の時間だ。

学校の講堂に繋がる階段の前で、彼女は一足先にお弁当を広げていた。


「えへへ〜。今日はね、同じ学科のセイタさんと一緒なんだ」

「セイタと?」


やあ、と遠目に手を振る。

気づいたエマも、ひらひらと手を振り返してくれた。


「あれ、もしかして知り合い?」


ソフィアが問う。


「知り合いというか……その……そう、あれよ」


一旦言葉につまったエマは、顔をあげてドヤ顔で言った。


「この人は、私の剣。私を守ってくれる、白馬の騎士様」



「――えっと、つまり……」


僕が話の流れを補足すると、ソフィアは頬を赤らめて。


「そういうこと……なんですか?」


「まってソフィアさん。なにか勘違いしてない!?」


「間違ってないじゃない、セイタ。あなたが言ったことは事実よ」


「僕が言ったことは事実でも、彼女の解釈が間違っているんだ!」


「い、いいんです! お二人の関係を知らなかった、私がいけないんですから。

はうぅ……。親友が知らぬ間に、こんなに大人の階段を登っていたなんて……」


「ほらぁ! 要らぬ誤解が生まれてるよ!」


「くすっ……冗談です。エマにそんな勇気がないこと、分かってますから」


どうやら、僕らをからかっていただけのようだ。

よかったぁ……。

本気で社会的に死ぬかと思ったよ。

極度に今の立場からの転落を恐れる、社会人の悪いクセだ。


「でも、ちょっとだけ寂しいです」


目を伏せて、一瞬だけソフィアの目元に影がかかる。


「今まで私が、一番身近にエマを見てきたから……」


聞けば、彼女はエマの幼馴染だそうだ。

それはつまり、エマが記憶を失くす前からの付き合いという事を意味している。


――たとえエマがソフィアのことを忘れても、彼女はエマに添い続けたのだ。


そんな親友に、男ができたと知れば、それは寂しいに決まっているじゃないか。


「大丈夫だよ、僕らは本当に、そういう関係じゃない。

僕はエマたちに恩義があって、それを『守る』って形で返すだけだから』


そもそも、僕はモラルの国、日本で普通に会社員やっていた男だ。

異世界の女子高生と仲良くしだすなんて、ありえない話だろう。


「……むー」


しかし、エマはどこか不服そうだ。


「どうしたの?」


「……何でもない。でも、その通りだから、何も言わない」


「???」


思春期の子はよく分からないな……。


「――でも、本当にセイタさんは凄い人ですよ。

転入初日で、フルスコアを出した人なんて初めてみましたっ」


「あはは。学年トップの才媛にお褒め頂いて、光栄だよ」


話題を変えようと、ソフィアが率先して口を開いた。

ついでにお弁当も開く。


そういえば昼食の時間ということをすっかり忘れていた。


彼女の一声を皮切りに、僕とソフィアは並んで座った。

座っている順に、右から僕、ソフィア、エマという順番だ。


そして何故か僕を上目遣いでジロりと睨むエマ……怖いよぅ。


「(僕、なにか悪いことしたかな?)」


疑心暗鬼にかられながらも、木箱の弁当箱を開く。

冷凍系のおいしいおかずは流石になかったので、そこはだし巻き卵や煮物など、この世界で代用可能なもので補った。


昔はよく、家でお母さんの味を叩き込まれたなあ……。

そのおかげで、料理の腕はなかなか高いものであると自負している。


「へえ……じゃあセイタは”私の為”に頑張っているわけね、”私の為に”」


なんだかやけにセリフの一部分を強調したがるな……。

そういうマイブームが来てるのだろうか?


「もちろん。君と、あと僕のために剣を習っているんだ」


転生したばかりで勝手が分からない今、何の力も持たないのは危険すぎる。

彼女を脅威から退ける事を第一に、僕自身も強化していかなければならない。


『西の勇者』になれなくても……主人公になれなくても。


僕はせめて――ユキミヤ・エマの英雄で居ていたいんだ。


「よろしい」


僕の言葉に納得が行ったのか、エマは卵焼きをつまみながら満足気に応えた。




私「今日はバレンタインか……」


朝、歯磨きしながら思い出すあたり、私もまだまだ青いですねw

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