表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/140

【20】トータウス


世像協会は、トータウスの中央にあった。

門は茨の模様を描いていて、入る者を威圧感から制限している。


「殿下、これを」


イルガスに手渡されたのは、キズル村に忍び込んだ時と同じ仮面だった。


「なんか……私、行くところはぜーんぶ素顔隠してる気がする」

「当然。殿下はこれから、文字通り、歴史の重鎮となるお方です。

これからも行く先々で、素顔を隠して渡るのです。

『北の魔王』になるとは、そういう事。覚悟はおありですか?」


「……うん! あるよ」


「そのお言葉を待っていました。では、行きましょう――」


ザッ、と効果音がなりそうなくらいの力強さで、私は地面を踏みしめた。



この世像協会は、表向けにはギルドとして活動しているらしい。


それも凄腕の冒険者や貴族専用の、なんともゴージャスな雰囲気がただよう内装だ。


ギルド内をうろつく人たちも、街の外装に負けない、きらびやかな装備をまとっている。


「……私、この中に混じるの?」


「はい。受付を済ませるので、ここでお待ち下さ――」


「うわっ、ちょ、見てあの水晶! すごくない!? 見に行ってくるー!」


「言ったそばからですか殿下ァーッ!」


だってあんなの見て興奮しないラノベ好きがいると思う?


あれは、絶対あれだよ。


自分に魔力適正があるかどうか確かめる的な道具だよ。


えーどうしよう。

私があれに触れたら、七色にでも光りだすんじゃないだろうか。


きっとそうに違いない。

よーし、イルガスには悪いけど触っちゃえ――


「くそっ、あの女。いつまでも俺を子供扱いしやがって……!」


バン! と凄い勢いで、水晶がある正面の扉が蹴り上げられた。


すると、私は、当然?


「ふぐっ!」


ぶつかりますよね、そりゃあ。

いくらLevelカンストでも物理法則には抗えないもん。


あと、仮面が取れてしまった。


「痛っ!」

「おっと、こりゃすまねえ! 大丈夫かおねえさ……ん……」


扉を蹴り飛ばした男の人は、私も蹴ったと見るやすぐに手を差し伸べてきた。

しかし、すぐに彫刻のように固まってしまう。


「……女神!」

「……は?」


そう叫ぶやいなや、強引に私を前に立たせた。


「ちょ、何する――」


「あんた、ちょ―――可愛いな!」


「……へえ?」


今世紀最大のショックを、私は受けた。


「か、可愛いって……え、私が?」

「逆にあんた以外に誰がいるんだ、こんな女神みたいなサイッコーに可愛い女がよ!」


か、可愛い……女神……え、えへへ〜。

こんなこと言われたのギャルゲ以来♡


「殿下!」

「ひっ、悪魔!」

「鬼だの悪魔だの、なんなんですか貴方は! 勝手に出歩いて!

もう今後の観光の際は、必ず! かぁなぁらぁず、僕が同伴しますからね!」


「ひぃー! ご勘弁くだせえ旦那様ー!」


無駄遣いできなくなっちゃうー!


「誰が旦那ですか、誰が! 僕はまだ未婚者です!」


ベタなツッコミだなあオイ!

やっべなんかテンション高くなってきちゃった!



「……ん!? ちょ、ちょっと待て!」


茶番を繰り広げていると、置いていかれた男の人が声をあげた。


「お前、イルガスか!」

「………ゲイブか!? お前こそ、こんな所で何をしてるんだ」


どうやら知り合いだったらしい。その旨を問うてみると……。



「失礼しました、ご紹介致します。

こやつが、先日お話をした先代の近侍――ゲイブです」



なんと、お話に出てきた幹部の方だった。


「ってえと、あれか! あんたが噂の、新しい王様か!」


「そうよ! 私こそが二代目ゴブリンロード、タドコロ・イズミちゃんなのだ!」


「うっひょ〜! あんたみたいな可愛い子が王様なら、例え火のなか水のなかだ!

どこまでもお供するぜ、イズミの姉貴!」


くぅうううッ―――!


「おいゲイブ。これ以上皇女殿下を甘やかしてくれるな」

「はあ!? 冷てえこと言うなよ、同期のよしみだろ!」


気づけば、なんだか二人は言い争いを初めていた。


やめて! 私のために争わないで!


「殿下は、禁書施設への登録を済ませにきたのだ。お前にかまっている暇はない!」

「はんっ! イズミ姉さん、こんなガリ勉ほっといて、俺とデートに行きやせんか。

俺ぁこの街のことよく知ってるし、なんだって奢って差し上げますぜ?」


「え、まじ? 行く行く!」


「殿下―――!」


本気で怒ったイルガスを初めて見た。




このバカ(ゲイブ)書きやすいですねw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ