【100】始まりの掛け声
①水曜日は高確率で投稿できる件
②想像してたより『東の魔女』がキモい件
③作者の都合と体力により、めっちゃ
東の城塞への到着が遅れている件
(スミマセンm(_ _)m)
◇
イズミが「壁の大軍」と称したゴーレムの大軍を
ゲイブとブラッドのガッタイ技で突破したのは、
東の城塞での決戦が想定される
その早朝の戦闘での暫時である。
「うふふ♡ きたきたぁ」
それは、『いかにも』な鍔の大きい帽子をかぶった
女性だった。背は小さく、はおった漆黒のマントは
その背丈をまるまる飲み込むブラックホールを
連想させる。
彼女は、時計のような円形の水晶に映し出された
イズミたちの姿を見て、ぞっとするような
妖艶な笑顔と、不可解なほどに高い声音で、
不気味なイントネーションを駆使しながら、
その『少女』はくつくつと喋りだした。
「与えてあげたわ、復讐の機会を。
逢わせてあげるわ、魔性の権化に。
北の魔王と西の勇者……。さあ!
今こそ決戦のときよ。存分に、
見せつけてあげなさぁい?
――憎しみの、ちからを」
声をかけられた青年は、顔をあげない。
ただひたすら地面を、食い入るように、
穿つように見つめていた――その双眸、
憤怒の紅色に染め上げながら。
「北の魔王……エマを……ソフィアを……
傷つけた元凶……絶対に、殺してやる……」
ぶつぶつと呪詛をつぶやくように
地面を睨み続ける青年、セイタ。
彼はくさびかたびらに身を包み、
平穏な日本の空気に揉まれていた
過去は見る影もない。
その、禍々しい空気。
勇者。
そう呼ぶのが相応しい
その反応に満足したように少女は――いや、魔女は
低く笑って視線を変えた。その視線の先にいるのは。
「――セイタ……」
憂いを帯びたぬれた瞳を、かつての想い人に向けた少女――
『紫の傷跡』の保持者、ユキミヤ・エマが後ろに座っていた。
◇
「はっはァ! どんなもんよ」
勝どきをあげたゲイブはニンマりとご満悦だ。
それに比べてブラッドは飄々としていて、子供の
ように喜んでいるゲイブをなだめたりしていた。
「仮にも殿下の目の前だぞ、ゲイブ」
「なに言ってんだブラッド。俺らほど
王様の前ではっちゃけられる家臣らは
そうそういねえよなあ、イズミ姉貴?」
「まあ姉貴って呼んじゃうくらいだしね。
わたしへの忠誠の尽くし方は自由じゃよ、うん」
ふぉふぉふぉ……っと、なんとも王様っぽい
笑い声をあげながら、私はゲイブたちの
功績を労った。ガッタイ技、かっけえ!
「――これで、東の城塞への障害がなくなりましたね」
ショウコさんがつぶやいた言葉に、弛緩した
空気がきゅっとひきしまるようだった。
賢者の声はレイの権能声帯を介して、
常に全軍の耳に伝わるようになっている。
――全体の指揮が、
あからさまに変わったのを肌で感じた。
もうすぐで、この旅の目的地なのだ。
そりゃテンションも上がるよなあ。
かくいう私もはりきっている。
今回も、王としての威厳を
保つために――頑張るゾイ!
「全隊進軍。目標、東の城塞」
決戦の日が、始まる
思ったより長くなってしまうのはもはやご愛嬌です☆




