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【95】鬼神①
今回は短いです
「――反発異粒子」
宙へ射出される3人の戦士たち。
その中で唯一人間出身の魔族が一人。
ブラッドフォードが権能を展開する。
「はッはあ! やっぱり気持ちいいなお前の権能は!」
「ゴーディ戦以来だな」
彼は権能を発動させると、周りの重力をすべて
自分の意識化におくことができる。対象者の体のみを
反重力にさせて、一度の跳躍で爆発的なパワーを生む
のだ。ただし、持続時間はブラッドの体力次第である。
「儂は初めて体感するぞ。しかし流石はブラッド殿、
こんなにも汎用性に優れた権能を持っているとは!」
「恐縮ですジヲォン殿。
……ゲイブ、そろそろ
お前の権能の出番だぞ」
「おうよォ……! すゥー」
肺いっぱいに息を吸い込んで、
ゲイブは、自分より何回りも
大きい龍に向かって叫んだ。
「絶対意思ォォォォぉ!」
彼が纏う魔力が、オーラが、プライドが、
牙をつきつける龍を叩き殺さんと
増幅していく。血が力に変換され、
体中の細胞が戦闘を欲するようになった。
「これで戦闘準備は万端……あとは」
ちらりとブラッドが視線を向けた先は、
すぐ横を音速の速度で飛ぶ歴戦の戦士――ジヲォンだった。
「……ふっ」
ジヲォンは洗練された皺を歪めて、不敵に笑う。
「――あの程度の彼奴ら、儂の権能を見せるまでもない」




