10 ギルドマスターを煽ってみた
深淵の森の最深部、本来なら森の頂点に立ち支配する側の強き魔物たちが
物陰に隠れ気配を消し嵐が通り過ぎるのを待っていた
強き魔物達は三人の魔族よりも黒髪の美少女に脅えていたのだ
この森は別名、不帰の森と呼ばれ
高ランク冒険者のパーティーでも危険すぎて近づかない場所なのだ
森の中では最弱と言われる魔物ですらAランク相当なのだ
支配する側の強き魔物はSSSランクを凌駕すると言われている
もし、この森で魔物に出会えば最初の戦闘は勝てるかもしれないが
絶対に無傷ではいられないだろう、たとえポーション等を準備したとしても
次々と遭遇する魔物の餌食になるのがオチである
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「タカヒロ様、この先に魔物g 「ドン! 」 ス・・・」
魔族の言葉に被せるように爆発音を残し名も無きSランクの魔物が絶命する
暫しの沈黙が三人の魔族を支配する
「お~い!三太郎~」
名前を聞いたけど忘れたし、紫織もルディーも興味なさそうなので
ひっくるめて三太郎でいいや・・・
「・・・・・タカヒロ様、我々には名前がちゃんとあります」
「でも、真名じゃないでしょ?じゃ~三太郎で良くね?
そんな事より素材の回収、お願いね」
渋々ながら俺の言葉に従ってくれる魔族たちである
魔族たちが本当に恐れているのは紫織で、次いでルディーのようだ
俺の事はそれ程でもないが俺を邪険にすると現人神の無慈悲な天罰と
幻獣の理不尽な暴力が待っているため気を使ってくれている
あと、なにかと俺には話し掛け易いらしく色々と話題を振ってくる
二人にとって興味があるのは魔族の国の観光とグルメらしい
街道に出るまでの六日間で結構な数の魔物を倒した
ギルドで売ればかなりの額になると思う
そこから街まで更に二日、野営ってなんだろう?の拠点を紫織が造ってくれた
驚いたことに三太郎、料理が凄く上手で手際も非常に良い
材料は俺たちが倒した魔物の肉と森で採れた野草やキノコ類
焼・煮・蒸・揚と沢山の料理と白米の組み合わせに満足する俺たちである
やがて、最初の街より大きな街に入りギルドに直行するのであった
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「すいません、魔物の素材を売りたのですが」
「はい、ありがとうございます
買取カウンターは右奥の扉を開けた所になります
ギルドカードと一緒にお出しください」
案内された場所に向かうとパーテーションで区切られた
大きめのカウンターが並んでいた
「買取はここでよろしいですか?」
「いらっしゃい見ない顔だね、売りたいのは何だい?」
気の良さそうな親父が笑顔で聞いてくる
大きな声を出さないように釘を刺してから
アイテムボックスからドラゴンの鱗を一枚取り出すと
「ちょっ、ちょっと待ってくれ
それはドラゴンの鱗だろ?売りたいのはドラゴンかい?
ここじゃ何だから、裏の倉庫まで来てくれるかい」
裏の倉庫に着いて行き
「売りたいのはドラゴンだけじゃありません
深淵の森で狩った魔物全てです」
「深淵の森?あそこは並の冒険者は近寄らない場所で
余程の手練れじゃないと生きて帰れない所だぞ
そこの素材なら高く買わして貰うが本当か?」
信じていない様なのでアイテムボックスからドラゴン丸々一匹出してやった
親父がフリーズしている間に弱い順に魔物を出していく
弱いと言っても最弱でAランク相当で高ランクパーティーが命を懸けて
初めて手にする事が可能な魔物の素材である
親父を見ると口から魂が半分抜け出ている
俺は手を合わせ南無・・・南無・・・・南無・・・ チーン!
どうやら親父は還らぬ人となってしま・・・っていない
三途の川を渡り損ねた親父が還って来たと同時に
「うおっ! な、なんだ!これは!」
倉庫の扉を開け顔面鬼瓦の男性が入ってきた
どうやら、ここのギルドマスターのようだ
天井近くまで積まれた魔物を見上げ、何か考えているが
流石はプロらしく買取の親父と一言二言会話をし査定に入る
かなり時間が掛かるらしく俺たちはギルドマスターの部屋で
詳しい話をする事になった結果・・・・
「あの魔物達を、お前たちが本当に倒したのならば
Fランクは在り得ない、よって模擬戦をして貰う
結果如何によってはBランクへ昇格することになるだろう」
持ち込んだ魔物の中にはSSランク相当が混じっているが
ギルドの判断で上げれる最高ランクがB迄らしく仕方のないことである
俺たちは既にギルドランクを上げる事に拘りがないため
「折角の話ですが、お断りします
ギルドランクに魅力を感じていません
魔物を倒して素材を売る、他に何か問題でも?」
一瞬にして部屋の空気が張り詰める
本来の冒険者ならば地位と名声のためランクを上げることに躍起になる所を
拒否するなんて在り得ない話なのだ、しかし・・・・
ギルドマスターあろう者が目の前の相手の実力を計れないとは思えないが
「どうやら俺たちの実力を疑っている様なので
非公開の模擬戦ならお受けしますよ、 どうします?」
額に青筋を出して怒りを抑えているギルドマスターに対し更に追い打ちをかける
「下手な相手なら手加減しきれないかもですよ?」
「・・・・・・・俺が相手だ今から訓練場で俺を相手に模擬戦殺し合いをする・・・・
お前の希望通り非公開でな、間違っても それは・・・・・・ 事故だ 」
おこなの? 激おのぷんぷん丸なの?
深淵の森で昼も夜も高ランクの魔物を借り続けレベル250を超えた
俺たちの相手が務まるとは思えないから正直に話したのに
この人、顔を真っ赤に本気で怒ってるよ
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三太郎と紫織
「タカヒロ様、煽ってるね・・・」
「・・・・逃げたほうが良さげ?」
「・・・・帰りたいです」
「あなた達・・・ 何処に行くの?」
「「「ト、トイレです!」」」
最後までお読みいただきありがとうございます
明日からネット環境の整っていない僻地に行きます
楽しみにしてくれている極僅かな方は申し訳ありません(-ω-)
2週間の予定ですが未定です・・・




