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Masaki:2030-D@ppelgänger Folge .null

作者:恋住花乃
とあるオカマバーとでも言うのだろうか。その店には女装した店主がいた。
店主の名は、戸田正樹という。齢は20であるが、幼少の頃より父の店の手伝いをしており、接客には慣れていた。人とは違うなあと感じており、小中学校ではいつも馴染めていなかった。友達と言えば、スクールカウンセラーと養護教諭だけだった。
とは言え、人が全く嫌いなわけではなく、年上の人はむしろ為になるから好きであった。
「マスター、ハイボールを頼む。」
「分かったわ。今準備するから待っててね。」氷を割りながら返事して、ソーダ水とウイスキーを入れていた。彼のその姿は、美しくしおらしい。10年後の彼の姿とはまるで違うのであった。
「俺、酒呑めないんで。カルーアミルク貰っても良いかな?」眼鏡を掛けた声が高めのイケメンの男の人が来た。
「はい喜んで。今お作りしますね。」酒呑めないのは、ビールとかウイスキーとか大人の味が駄目だということだろう。カルーアミルクは甘くて美味しい。しかし、アルコールである。戸田は、それを見ると幸せにはリスクが伴うのだと軽く気が沈むのである。この世は作用と副作用の世界だといつの時からか考えていた。
「マスター、何かこの人生で変わった事ってありませんか?」初見のお客さんだが、中々深く入り込んでくるものだと思う。
「変わった事って?一体どういうことですか?」あまりにも哲学的なことを唐突に聞かれ、聞き返してしまった。
「いやあ。何か凄いオーラが見えるんですよ。好きな人は好きなんですがね。年の割には物凄いオーラが見えるんです。」
「何言うのよ!これじゃ私が年寄りだと言っているようなもんじゃないの。失礼極まりないわね。」不遜なことを言うものだと思い、出て行きなさいと言いかけたが飲み込んだ。折角のカルーアが無駄になってしまうからだ。
「そういうことじゃないんですよ。語弊があったら謝ります。ごめんなさい。それで、子どもの頃どうでした?何かありませんでしたか。」
「そう言えば、いつも仲良くなれませんでした。クラスメートと。でも、何かあるんですか?」
「マスター、何でそんなオーラを持ってるか気になりませんか?」
「オーラ。私はそんな宗教的なもの信じませんよ。」
「申し遅れました。私、脳神経科学の研究と心理学の研究を行っている。佐伯さえき聡実さとみと申します。実は今度、論文を執筆することになりまして、オーラと脳波の関係性についてという題で、研究に協力してくれませんかね。」
「あっ!明日定休日ですよ。場所さえ分かれば行きますので。」
「本当ですか?ご協力有り難うございます。迎えに行きますよ。」

よく分からなかったが、お偉い先生だと思い協力することにした。

茨城県コロニスト協会のダミー団体、大日本格差是正連盟に招かれたのである。
「君は強いレベルのイデアルジーンを有している。どうだ?あのバーは存続させるが、ウチで働かないか?高学歴に誇りを持ってるクソ野郎共に一泡吹かせるためによ。」鴨志田義連という代表を務める暦史家コロニストにそう言われた。
「あの?イデアルジーンとは何ですか?」
「あまりベラベラ喋んなよ。イデアルジーンってのはイデア、物体の本質っていうのか?それを操ることができる能力のことだ。基本、第一段階が多いが、お前は第四段階の人だ。だから皆怯えて近寄れなかったんだろうよ。」

「そんな能力が僕に?備わっていたの?」
「君には、本気を出せばすぐに覚えられる能力を授けよう。そして、弁護士としてこの格差社会を変えて欲しい。毎日ここに来てくれ。」

政府公認の学校法人の通信課程で法律学を学び、弁護士を目指して勉強を重ねた。それを隠れ蓑にして、イデアルジーンのレベルを最大限に引き出す訓練も受けた。いつしか人の動きを操ることも出来るようになり、話が通じない人々には手を曲げたり、空中に浮遊させたりして白状させることも出来るようになった。

「よう。鴨志田。やっと完成したぜ。とっておきのスーツがな。何しろ香水を自分と代わる人に振ることによって、同じ人が二人いるように見える代物さ。」マッドサイエンティストと呼ばれる中国人発明家、劉瑾明は10年掛かってスーツを完成させたのである。

テクノロジーとイデアルジーンの力によって恐ろしい暗躍者が誕生しようとしていた。


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