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チート戦艦の異世界奮闘記(凍結中)  作者: おもち6号
勢力拡大
20/22

装備改装案

変更点 七瀬唯を七瀬結衣に変更。

雪崎詩織を冬月詩織に変更

半年から三カ月に変更



モーラ島を完全な占領下においてから既に二週間。晃はタブレットを片手に艦の外に出ていた。


空を見れば、いつものどんよりとした空ではなく雲一つない快晴であった。その快晴な空を背景にSU27フランカーが編隊を組んで飛行している。


地上では訓練場の一つで十数両のT80II型と90式戦車改が的(厚さ20センチの鉄板)に向けて125ミリ電磁加速砲を撃っていた。鉄板は容易く貫通され後方へと吹き飛ぶ。吹き飛んだと同時に下からまた新しい的が出されて今度は左右に移動する。


「……訓練状況は良好。このままいけば5日後には正式配備か」


タブレットの訓練情報には<正式配備まで5日>と記載されている。



あるじ


背後からの声に振り向けば軍服姿で金髪の男性が直立不動の状態で立っていた。


「……アクラか、何か用か?」


ーーーアクラ。アクラ級攻撃潜水艦の高度自立型AIで通商破壊を専門とする第二群狼戦隊に所属している。


「ヤマト様がお呼びです。この艦に関わる話ことだそうで」


「……分かった。直ぐに行く」


90式戦車改がスラローム射撃を開始したのを尻目に艦橋内へ戻った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『ロワンダ、リジオル、カレドニア、ローズタリアの完全制圧に成功しました。クルクス、モレビーは未だ戦闘中ですが3日以内には確実に制圧できる見通しです。戦闘結果はラーシアとクズネツォフが後程まとめて送信致します』


「分かりました。貴女方はすぐに帰投して下さい。金剛」


『はい、ヤマト様。通信終了』


ディスクの上に乗る青髪セミロングの少女が小さく御辞儀をした後、蒼色の粒子を纏わせながらその場から消える。


(今のところ全艦隊と上陸部隊は順調に島の占領行動を遂行中。一カ月もあれば海域一帯の大半を完全に抑えられるはず)


ディスクをブローチに仕舞いながら、思考するヤマト。


現在玄武島にいる防衛戦力は大和とその親衛艦隊。そして第二群狼戦隊の一部のみ。陸は二個中隊の軽機械歩兵と、89式装甲戦闘車が数台。航空戦力は零式戦闘機12機にSU27フランカーが8機と結構ガラ空きであった。


3日前には南の港が十数機の爆撃機型魔物(カテゴリーB)に襲撃され、輸送船数隻が沈没するなどの被害を出している。


被害が輸送船数隻と軽微ではあったものの、流石に無防備当然のままではいかないため、金剛型戦艦数隻を中核とした第二打撃艦隊を哨戒の為に呼び戻した。更に61式戦車やZSU234シルカ、MIG17、F104といったコストが安く量産性の高い旧式兵器を生産し、各防衛線に当てることで戦力の穴埋めを行なっている。


(けれど……)


しかしそれもこの船が無ければただのガラクタになるだけ。大和を失えば兵器の生産調整や島の管理、開拓等が不可能になり、機能不全に陥る。


(この船単体でも大群相手に無双できるほどの装備が必要。それも半継続的に戦える程の)


今の装備の大和は欠陥を幾つか抱えている。


一つは対潜攻撃能力の皆無だ。大和は潜水艦を攻撃する誘導弾や魚雷を一切装備していない。今は親衛艦隊に護衛して貰っているが何かしらの理由で単艦での行動を余儀なくされた場合、潜水艦からの襲撃を受ければ反撃が全く出来なくなる。


二つ目は武装が前部と中部に集中しすぎていることだ。前方又は側面からの攻撃であれば集中した武装で対応できるが、背後からの攻撃はシールドで防ぐこと以外不可能になる。


右手に出現させたのはピンボール程の紅い球体。この球体はいわゆる膨大なデータの塊だ。内容はもちろん大和の改装する際に必要な設計データ。高度な思考と自我を持つヤマトだからこそ出来る芸当である。


(問題は……北ですね)


北のガレオニア海域で情報収集中である天龍型潜水艦の9番艦、炎龍からもたらされた情報が懸念事項になっていた。


尚一応晃にも伝えてはいるが、彼はそれに関して若干眼を細めただけである。


(あの反応からですと、この改装案は今は辞めておくべきだったでしょうか。ですが……この船を強化しなければマスターを御守り出来ない。…そうしないと…また私は「ヤマト」…!?)


不意に背後から声が聞こえた。振り向けばこの船の管理者である晃が壁に背をもたれながら、彼女を見ていた。


「マ、マスター、いつから……」


「……十分前だ。何やら考え事をしていたそうだが、余りにも長いから声を掛けた。ま、そんなことよりも、この船の関することで何か話があるとアクラから聞いたのだが?何かあるんじゃなかったか?」


思考に浸っていたせいか彼に呼ばれるまで気づかなかったようだ。


「あ、はい。その件についてですが……タブレットに資料を送ります」


晃の指摘にハッとして彼のタブレットに先程の光る紅い球体を置く。球体は吸い込まれるように画面の中へと消えた。暫くして画面上に資料と思われるデータが表示される。


「……ほぅ」


画面に映る内容を見て、左手で顎を撫でながら興味のありそうな声を漏らす。



「……なるほどな。単艦でも戦闘出来るように改装するってことか。しかしこの軍港で出来るのか?」


「この軍港では不可能ですが、西の軍港で改装することは可能です。因みに改装期間少なくとも四カ月以上を有しますが」


「…………四カ月ね。間に合うのか?」


「前にも説明したと思いますが、パンドラでの建造技術はマスターがいた世界よりも遥かに上です。通常の戦闘艦なら長くても1ヶ月、短くて7日程で終わらせることが出来ますが……」


「……北にいる連中のことが気がかりか?」


「…はい」


「…………」


晃は顎を親指で撫でながら思案する。



「……北の連中の動向も気になるが欠陥を抱えたまま奴等と対峙しても意味がない。やり合うなら完璧な状態でやり合うのみだ。ヤマト、この船の改装案を承認する」


タブレットを操作して承認も印を押した。


「ありがとうございます。あ、それとなのですが改装が終了するまではこの船から退いていただきます。その間は別の船に一時的に総指揮権を移して使用することになりますがどうしますか?」


「……それについてなのだが、此奴に指揮権を一時的に移そうと思う」


タブレットをヤマトに見せてそう答える。


「その船ですか……。分かりました。彼女にはそう伝えておきますね」


タブレットの内容を見た彼女は表情を少し顰めながらも了承した。


「……頼んだ」


そう言いながら晃は自分の部屋へと戻っていく。



(……ふぅ、一先ず安心ですね)


主人を見送ったヤマトは安堵した表情をした。


(……ですが)


タブレットに載っていた臨時最高総旗艦を思い出す。


(マスターは総指揮権をこの子に移すと言ったのでしょうか)


一枚の紙に変化させたデータを見て不満を漏ら


(臨時最高総旗艦にはウシャコフかラーシア、ベロルシアの方が適任だと思いますが。彼らは実戦経験が比較的豊富ですし、リーダーシップもある)


(ですがこの子は……。まぁ私から直接いろいろと言えばいいでしょう)


紅色の粒子を周囲に展開しながらその場から消える。


そしてブリッジには一枚の紙が残った。


その紙にはある船の名が記載されてあった。



[キーロフ級重原子力巡洋艦 5番艦 イズメイル]



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

午後23:30

シュネージュ王国 海上都市エラヌス


ギギギーッと重厚感のある扉が開かれる音。赤色蛍光ランプが緑になったと同時に一隻の船が入港する。


停船所の一つに停船した後タラップが下り、そこからレオタードドレスの少女が降りて来た。


「こんにちは〜」


広い空間に響く鈴のような声。冬月詩織はとある用でここに訪れていた。


「おう!!シオリじゃねえか!!」


それとは逆に熊のような野太い声。刺青があるスキンヘッドに上半身裸の40代後半の男性。右肩に巨大なレンチを担いでいる。


「こんにちは、ゴンドーさん」


ゴンドー・ナカジマ。何だか日本人のような名前をしているが、れっきとした外国人風の男である。


詩織が訪れたのはナカジマ工廠。エラヌス最大の工廠といえる。


「ありゃ?あのチンチクリンは一緒じゃねえのか?」


チンチクリンーー恐らく七瀬結衣のことだろうか。


「結衣ちゃんはいませんよ。クエストに出かけていますから」


「あーー、そっか。そりゃ残念だな!!」


頭をガシガシとかいてガハハハ!!と笑うゴンドー。彼はロリ体型で胸が小さい女性が好みらしい。


「もうっ。結衣ちゃんに失礼ですよ」


思わず苦笑いしてしまう。背が小さいのと胸が小さいのは唯のコンプレックスなのだから。彼女がここにいたらプンプンと怒りそうだが。


「んで、今日来たってことはアレだよな?」


「あ、はい。先々週私が注文した兵器が完成したと連絡が」


「それならもう完成してるぜ、付いてきな」


ゴンドーに案内され、工廠の奥へと向かう。



歩いて約数分。目的の場所に到着する。そこは東京ドーム程の広さがある地下工房。船の弾薬補給や修理などを担うボットや、資源を資材に変換するための物資変換機がある。


周りを見渡せば自分以外にも冒険者がいるようで、工員から新兵器の説明を受けている者もいれば既に船の改装作業に入っている者もいた。


「ほら、あれだ」


ゴンドーが指さす方向に青色のカバーに掛かっている物だった。シートに掛けられてあるが割とスマートな兵器であるようだ。


詩織が近づきカバーを取る。


「……凄い」


「ガハハハ!その様子だと気に入ってくれたみたいだな!!」


新兵器の全容に詩織は口をポカンと開いた。


その兵器は一見どの国の戦闘艦にも装備されていそうな主砲だが砲身の部分が角ばっており横に割れている。中を覗いてみると二本のレールが敷かれていた。


155ミリ電磁加速砲ーーーそれは実弾を電磁誘導で加速させて撃ち出す兵器だ。地球だとアメリカや日本が実用化に向けて研究中らしいが、ここパンドラでは、シュネージュ王国や真南の先進国″ブランジェ合衆国連邦″等は既に実戦配備されている。


「凄いです!ありがとうございます!」


自分が注文した兵器の出来の良さに思わず興奮する。


「よし、なら早速改装作業に入るとするか。船をこちらに動かしておいてくれ。ああそれと、改装中は船に乗れないからレンタルシップ辺りで我慢してくれな」


「うぅ……レンタルシップかぁ……」


それまで嬉しそうな表情とは一転、レンタルシップという単語を聞いた途端怪訝な表情になる。


レンタルシップはギルドが魔物や事故等による損失で船を失った者に半年額料金で貸しだす船のことだ。そのほとんどは海軍で既に退役したものを払い下げられたのが多い。


「まあ、4.5日乗れなくなるだけだ。そんな顔すんなよ」


「分かってますよ……」


不満を漏らしながらもタブレットを操作して自分の船を地下工房に誘導する詩織。


暫くしてタブレットの画面に誘導完了の報告が表示される。


「誘導完了です。後はお願いしますね」


「任しときな!!」


レンチを担ぎ直し、ゴンドーは力強く答えた。


感想、リクエスト、アドバイス常時受付中です。


そろそろ帝国との戦争編に行きたいなーー。

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