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チート戦艦の異世界奮闘記(凍結中)  作者: おもち6号
プロローグ
1/22

鋼鉄の破壊神

海域に響き渡る無数の轟音。空中を超音速で飛翔する大量のミサイル。それらが命中した場所には船舶が無惨な残骸となって沈んでいる光景があった。


ーーーー!!


また船が激しい爆発と火柱を上げながら、海中へと沈んで行く。


『空母ガルバード級、支援巡洋艦マリオス級全艦ロスト。指揮系統及び支援系統に異常発生』


その戦闘艦の操縦席のAIから無機質な報告がされる。


「クソッタレが!!調子に乗りやがって!!全艦!!対艦誘導弾発射準備!!」


中年の男が激昂しながらも僚艦に誘導弾の発射を指示、自身も誘導弾発射を準備する。


カシュン カシュン


前方、後方の発射口が一斉に開く。


『ミサイルロックオン』


「対艦誘導弾撃てぇぇぇ!!」


シュバァァァァァ!!!


男が操艦する戦闘艦や他の僚艦から、敵戦艦に向けて対艦誘導弾が連続発射される。その数200。敵戦艦に一発も外れることなく浴びせ、爆炎と煙で見えなくさせる。


『誘導弾、全弾命中を確認』


「やりましたね!隊長!!」


「これで奴もおしまいだ!」


他の戦闘艦の兵士たちが歓喜の声を上げる。


だが、AIは違った。






『敵戦艦無傷です』


普通の船であれば文字通り消滅するほどの誘導弾を浴びた敵戦艦は何事もなかったかのように煙から姿を表す。


「っ!?……馬鹿な……あれだけの誘導弾が命中したのだぞ!?」


男があり得ない事態に驚愕している間に敵戦艦は仕返しとばかりに誘導弾を一斉に発射する。


『敵誘導弾接近中。数60……いえ、分裂しました。数240』


「ッ!?対空戦闘!!急げぇぇぇ!!」


表情を青ざめるも誘導弾の迎撃を開始する。しかし敵の誘導弾の速度は異常に高速である上に数が多く、迎撃しきれず轟沈していく戦闘艦が続出する。


『オリトン級、ベルニア級、全艦ロスト』


「ば……馬鹿な……」


『敵ミサイル、更に確認。数36。一部が本艦に接近中』


「隊長!!我が中隊の被害は甚大です!!離脱きょ…うわぁぁぁ!!」


『第35防空中隊壊滅』


兵士の一人が離脱許可をいう前に撃沈される。船は跡形もなく吹き飛び周囲に残骸を散らした。


そして数発の誘導弾が自艦の迎撃システムをすり抜けて男の船にその牙を突き立てる。


激しい衝撃が船を襲う。


『左舷に被弾、航行不能。更に弾薬庫に火災発生、爆沈の危険性あり。消火ポンプ起動開始』


男の船は左舷の兵装が完全に破壊され、迎撃能力を奪われた。更に舵をやられて航行が出来なくなってしまった。次の攻撃が来たら逃れることはまず不可能だろう。


「隊長!!既に味方艦の九割近くが轟沈!!このままでは全滅します!!直ちに退却を!!」


「……だ……だ」


『味方艦隊の損耗率、既に97%を超えました』


別の兵士が退却を進言するも、隊長はまだぶつぶつ言いながら俯いたままであった。


『敵戦艦の主砲から高エネルギー反応を感知』


敵戦艦は主砲をこちらに向けて、砲口を怪しく光らせ始めた。その光量は秒ごとに徐々に増して行く。



「こっ……こっ……この化け物がぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


隊長の意識は絶叫とともに膨大な黒い光と熱に呑み込まれた。





---???---


「……」


「敵艦隊の殲滅を確認。全艦撃沈しました」


「……被害は?」


その戦闘艦の操縦席に座る一人の青年が、目の前の光景を冷たい瞳で見つめながら、隣にいる一人の少女に尋ねる。


「船体に異常なし、無傷です」


その少女は青年の問いに淡々と答える。


「……帰投するぞ、反撃の準備をする」


その巨大戦艦を操艦し、自分の拠点へと帰投する。



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