序章
「全て排除するまで、俺たちは何があっても戦い続けなければならない。それは大切な何かを守るために。」
この世界が生まれて遥か昔、人類と亜人は対立していた。
数百年と長きに渡り初めては互角の戦いは続くが、後に人類は亜人の圧倒的な強さと種族内の紛争により人類は消滅の危機に瀕した。
そして人類はその事を見兼ね、人類存亡の為に亜人と共に共生するべきだと唱え、亜人もその意思に答え、戦いに終止符が打たれ、世界樹の元、人類と亜人は共生の道を歩んでいた。
亜人は騎士となり人類を守り、人類は皆が生きる為の糧を生み出す存在になった。
今ではお互い無くてはならない存在である。
だが、ある年に再び人類の存亡の危機となる戦いが始まったのだ。
それはある種族により反逆により戦いの幕が開けたのである。
悪魔の一族が率いる魔軍だ。
彼らはこの世界を我が物にするという目的を掲げ、刃向かうものは全てを服従させるまで全てを消し尽くすと。
この戦いはそんな亜人騎士団と魔軍との戦い。
そしてその戦いに翻弄されながらも自らの意志を信じ抜く少年の物語である。
「俺が必ず助けるから…!!」
*****************
「ねぇ、母さん。」
「なぁに?ぼうや。」
「僕、大きくなったら亜人騎士団に入って魔軍をぜーんぶ倒すんだ!」
「あらあら、カイったら…。…そうね、あなたもきっと…お父さんみたいな強い騎士になれるでしょうね。」
「ホント?でも、僕は父さんよりも強い強い騎士さんになるからね!」
「ふふっ、私の可愛い可愛いぼうや…、楽しみにしているわ…。」
*****************