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もちろん笑みは忘れずに

作者: .png

商売で必要なもの、それは沢山あると思う。

単純に金、人間関係、会話術、対人術。他にも沢山あるだろう。しかしもっと大切なものがある。それは――笑みだ。



笑みを浮かべているだけで人の印象はかなり変わる。第一印象がいいだけで、いい人だ。という感覚が生まれるからである。そのため俺も一商売人として笑みだけは絶やさないようにしておく。それが大事だからだ。

「いらっしゃいませー」

この言葉を言うときに笑みを添える。それだけで相手の気持ちを引き込むことが出来る。

「ありがとうございましたー」

この言葉に笑みを添えておく。それだけで相手にいい印象を与える。

「はいどうぞ」

この子供向けの言葉には甘い笑みを添えると子供は好印象を受けるようだ。

――つまり、笑みはそれだけで商売の武器になる。最強の武器だ。



「いらしゃいませー」

屋台は道楽。俺は普段、喫茶店のマスターをしている。

「今日は何にしましょうか」

この女性に、この言葉は必要ない。何故なら――

「いつもので」

――こういう答え。常連客リピーターにしか出来ないような答えを返してくるからだ。

「はい、分かりました」

商売上、記憶力も武器になる。このようなときに迅速に対応可能だからだ。

それだけでかなりの好印象を与えることが出来る。それに、笑みはちゃんと顔に貼り付けて。

「はい、いつものエスプレッソです」

いつもどおりの時刻に来る、いつもどおりの客。その客のいつものメニューぐらいは簡単に覚えておける。そして、柔らかな笑みを添えるのは忘れずに。

「ふむ、ありがとう」

毎度思うが、きつい口調の女性だ。別に特段ひねくれた難癖つけるような客じゃないから問題は無いけど。

「すいませーん」

すぐに別の客に呼ばれる。少し忙しいからバイトでも雇おうかと思う。

そんなことを考えながらも客のところへと向かう。

「はい、ご注文は?」

「いつものモーニングを」

「はい、分かりました」

いつものモーニング、つまりこの人の場合は甘めのコーヒーでいいのだろう。確か苦いものが苦手だったはずだ。



「はい、モーニングです」

いつものモーニングを客の元へと運ぶ。

――もちろん笑みは忘れずに。

くだらねぇぇぇぇ

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