愛すればこそ正義一直線♪
ところで、、。
「公安のお仕事って、可愛い男の子を池に沈めることですか?」
と、花木は、酔っ払って本音を話した。
「・・・」
と池には沈み込んで頭を項垂れていた。
「先輩は、ちゃんと謝って今は許してもらってますよ」
と、宮間はフォローした。
「謝って済むのなら警察は要らないわよ〜」
と、花木は池上のネクタイを、引っ張り顔を近づけて睨んだ。
「おいおい、合コンなんだから。楽しく飲んでよ」
とマスターの神狩は割って入った。
「ごめんなさい」
と池上は謝った。
「さてと。歌でも歌いましょうか!」
と星里はノリノリで流行りの歌を歌うことにした。
「神狩マスター、あの曲、お願い」
というと、神狩はカラオケマシンを操作した。
派手な音楽とともに星里が歌う。
『たとえ、どんな巨大な悪が〜♪
2人を待ち構えても立ち塞ごうとしても♪
心は一つよ!正義は必ず勝つ!
根こそぎ勝つよ〜♪
愛すればこそ正義一直線♪』
オカマバー・マゼランのミポミポの曲である。
ミポミポこと山中 美穂は、マゼラン星雲の彼方の惑星のワルキューレ星人ではあるが今は日本人として生きている。
彼女の歌は伊奈県で知らない人はいなかった。
そして、神狩の本名は垂水、彼女もまた、ワルキューレ星人である。
ワルキューレ星人には苗字がない。
それは、惑星内での戦争無縁な自由な世界観だった。
バイトで雇った沢井 恭介は、黒のベストを着たウエイターの格好が似合っていた。
コップとお皿を洗い終えた。
「きょうちゃん、もう、あがってもよいから」
と、マスターの龍が言った。
昼間は美容専門学校に通わせてもらっていた。
「アンタたちも、明日が早いから帰りなさい」
と、公安と婦警の合コンもお開きになった。
「まだ、11時じゃないの?」
と花木はるかは文句を言った。
「お嬢ちゃん。オレも暇じゃないの!」
と低音ボイスである。
龍の言葉は、ズシンと心臓にくるのだ。
「それに、客がアンタ達ばかりになっても困るからよ」
と、営業妨害と言わんばかりだ。
公安と婦警は、仕方がなく帰ってしまった。
店内は、伽藍としていた。
ド派手なピンクのオナベバー・マゼランの看板を中に入れるとすると、そこへ、3人の男が現れた。
3人とも金星人だった。