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金星から来た銀行強盗

 幸市には、警察がある。だが、それは、、。

 青く澄み渡る空だった。

 雲は優雅に流れていく。

「今日もパトロール、るんるん♪」

月見つきみようかは楽しそうだった。

 彼女はゆるやかパーマが似合う紺色の制服の婦警だった。

「朝は、やっぱマシンガンだよね」

と、黒髪の長い星里ほしざとさつき。

 ダッダダッダ〜!

 彼女は、朝からマシンガンで銀行車両強盗を撃ちまくっていた。

 男は2人組だった。

 黒い覆面に黒いジャンバーにジーパン。

 だが、銀行強盗は、マシンガンで全身撃たれても平気そうだったが、茶髪のショートの花木はなきはるかの炸裂パンチでのされていた。

 幸市、銀行車両強盗も婦警も普通じゃなかった。

 彼女らは花の24期生と呼ばれていた。

 花木はなきがリーダー的な存在だった。

「練習は、ここまで!」

花木はなきは大声で言った。

 この強盗は訓練であった。

 銀行強盗に扮していたのは、武田チームの三田と諏訪だった。

三田は角刈りのイケメンで三田は緩やかウェーブの長髪のイケメン。

 特殊な防弾チョキを着ていたわけでもない。

 彼らの皮膚は弾丸さえ通らない。

 海底人の皮膚、特有のものだった。

 世の中には、まだまだ知らない世界も人間も事件も存在する。

 今から半年前、高校一年生の男子が何者かに襲われて池に捨てられた事件は、未だに解決はしていない。

 麒麟の池でプカリと浮かんでいた。死体にも見えるのを発見したのは夜間パトロールしていた彼女等だった。

 一時は、危篤状態が1週間も続いた。

 奇跡的に何とか話せるほど回復しているので一ヶ月後お見舞いがてらに行った。

 顔は原型がないほど別人になっていた。

 写真の少年は、お月さまのような優しい丸い顔がなかった。

 まさに美少年。

 少年の笑顔を見て何とか犯人を捕まえたいと思った。

 世の中には、顔が良ければ手術してもという人もいるが彼はそんなタイプではなかった。

 幸市では、幸市警察の警務は2人組のパートナー制ではなく3〜5人組のチームとなっていた。婦警といってもお飾り的なイメージは程遠い存在だった。

 だが、ここで怪しい人物が浮かんだ。

 公安の金髪の池上いけがみである。

 被害者である男性を尾行?ならぬストーカーしているのだ。

 今日も花木はなきたちは警察用の自転車に乗って地域をパトロールしていた。

「あいつは性懲りも無く!」

と花木が言った。

 青嵐高校の通学路で池上が電信柱の後ろに隠れているのを発見した。

 丸見えも良いところだ。

「公安なんて捕まえるのは無理ですよ」

と、月見つきみようかはそう言った。

「だが、犯罪は犯罪だ」

花木はなきはるかは正義感の強い人だった。

 被害者の少年はというと。

「おはようございます」

と池上に挨拶をしていた。

「お〜はよ〜ご・ざいます」

とぎこちない。

 被害者と被疑者が挨拶してるのを見てこれは一体、何が起こったのかは理解はできなかったが、ますます公安の池上が怪しい。

 花木はなきは池上を取り調べることに決めて近寄ろうとしたが、黒髪の長い星里ほしざとと可愛い笑顔の月見つきみに両腕を押さえられて、池上を取り逃した。

「なんで、邪魔するのよ」

「相手は、凄腕の国家公認の殺し屋ですよ」

と、星里。

「だからといってホッとけない」

と、花木。

 2人は凄んで睨み合っていた。

「私、、。妙案があるんですが?」

と、月見つきみはニヤリとした。

 その夜、オナベバー・マゼランである。

 オナベバー・マゼランは、神狩かがり りょうが経営している。

 青ぽい黒髪の男装の麗人のいるバーであった。シルバーのドレスシャツに黒のスラックス。

 婦警と公安の合コンが行われていた。

 公安は、普通のサラリーマンのように濃紺のスーツに濃紺のネクタイとお揃いの格好。

 婦警の方は私服なのだが、割と派手な格好だ。

 花木は、水色のワンピースに黒のスラックスを履いているがもともと、キリリとしているのでワンピースを着ているのにカッコイイ。

 星里は、赤の水玉模様のフリルのブラウスに黒っぽい紫のスカート。

 月見は、可愛いイメージの淡いオレンジ系のグラデーションのオーバーブラウスにグレーがかった紺色のワイドパンツ。

「なんで、うち来るかなぁ」

りょうは、愛想笑いで言った。

「料理とお酒が美味しいのとマスターがカッコイイに決まってるじゃないの!」

と、月見つきみはるかは応えた。

 宮間まみや はじめ月見つきみようかとは幼馴染で、仕事は薄々と分かっていた。

「合コンなんて久しぶり」

 と星里ほしざとははしゃいでいた。

 仕事柄、異性運がまるでない職場だった。

「なんで、こいつと」

花木はなきはるかは金髪の池上いけがみを睨んでいた。

 髪の毛は地毛らしいが瞳は紫ぽい茶色だった。、

「そういえば、こいつ、陽斗はるとと言うんだけど。はるかちゃんと似た読み方が似てるのって偶然?」

 と変な話を振ってるのは中嶋なかじま じん、紫ぽい茶色の髪の毛も肌の艶も良いキラキラ男子である。

「ぜんぜん、違うわよ。うちの母が鈴蘭すずらん歌劇団のファンでとどろき はるかのファンだったからよ」

 と花木はなきはるかはそう答えた。

「と、ど・ろき⁉️とどろき はるかは俺の母親だよ」

とぽつりと池上いけがみ 陽斗はるとは、そう答えた。

 えっ〜えっ〜!

と皆が驚いていた。

池上いけがみさんの髪はお父さま譲りなんでしょう」

 と星里ほしざとさつきは言った。

「あ〜、そうです」

と、池上いけがみ

 池上いけがみ 陽斗はるとの父親は、イギリス人で、とある組織の一員でスパイでもあった。たまたま、組織犯罪絡みの事件で母親と知り合って駆け落ち結婚をして今は普通のサラリーマンをしている。

 今のところは、た・ぶ・ん。

 テーブルにビールが運ばれてきた。

「とりあえず、乾杯」

中嶋なかじま じんが乾杯の音頭を取った。

 乾杯!と皆が言った。

 明るい良い雰囲気である。

「そうそう、オフレコなんだけど。近く大規模な銀行強盗があるらしいよ」

と、宮間みやまが言った。

 何はともあれ、合コンは大成功だった。


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