4.狂気に襲われる
朝と言ってももう日も高く昇った頃に蕾斗は目を覚ました。
スマホを見ると既に11時を越している。
今日が休みだからと言って昨晩5時過ぎまでゲームをしていたので当然のことである。
洗面所で顔を洗ってリビングに向かうと徹次と玲子がソファに座っていた。
二人は蕾斗が来たことにすぐ気づき挨拶をした。
「蕾斗、おはよう。遅かったな」
「おはよう。朝ごはんは食べる?」
「いや要らない」
すぐにお昼になることがわかっているので蕾斗は朝を抜くことにした。
そこに玲子はすぐ投げかける。
「じゃあお昼は何がいい?」
「食えりゃ何でもいい」
「困ったねぇ。何にしようかねぇ」
蕾斗がまともな意見を出せるとは思っていなかったのか当然のようにつづけた。
「今から買い物行って作るのも面倒だし、朧屋で買ってこようかね」
朧屋とは生月家の近所にある弁当屋である。
「二人は何が食べたいんだい?」
「僕は唐揚げとコロッケのやつにしようかな」
「のり弁」
「了解。じゃあすぐに買ってこようかな」
二人の要望を聞いた玲子が階に行く支度を始めたところで蕾斗は疑問に思って聞いた。
「しうはどうしたの?」
玲子がすぐに答えた。
「しうは今日友達と遊んでくるんだって。お昼も食べてくるってさ」
「しうも元気やなぁ。よくそんな外で遊んでられるよな」
「あんたはもっと外出なさいよ」
「えっ、やだ」
即座に拒否をした蕾斗に玲子は提案した。
「じゃ、あんたが朧屋にお昼買いに行くかい?」
「着替えないとだからやだ」
「そのくらい普段からしなよ」
いつもの事であるかのように徹次が苦笑しながら反応した。
そんな蕾斗もぐちぐち言いながらも乾いてたたまれている洗濯物から自分の服を取り出し着替えの準備を始めていた。
「じゃあお金ここ置いとくからよろしくね」
「母さんはなにがいいの?」
「私はなんでもいいよ」
「了解」
蕾斗は着替えた後、渡されたお金をもって買い物に出た。
昼食をとった後蕾斗は自室に籠り暇を謳歌せんとダラダラと動画を見ていた。
しかし昨晩夜更かししたこともあり眠くなってきた蕾斗はパソコンの電源を落としベットに入った。
眠ろうと目を閉じたと同時に蕾斗は意識を失った。
徹次と玲子は突然聞こえてきた叫び声に驚いた。
その叫び声は間違いなく蕾斗のものであったが、二人には全く聞き覚えのない声だった。
「今のは蕾斗だよな?」
「あの子の部屋からっぽいからそうなんじゃないかな」
「とりあえず何かあっただろうから見に行ってみるよ」
徹次は急いで蕾斗の部屋に向かった。
蕾斗の部屋を勢いよく開けると徹次は中の様子を確認し、慌てて蕾斗のもとに向かった。
「蕾斗!大丈夫か!蕾斗!!」
蕾斗はベットの上でもがき苦しんでいた。
徹次は叫ぶように玲子を呼んだ。
「玲子さん!救急車!救急車を呼んで!!」
「いったい何があったんだい?」
玲子は状況が理解できずに蕾斗の部屋を覗きに来た。
覗いた瞬間にびっくりして気が動転してしまった。
その姿を見て徹次が玲子のもとに駆け寄り肩を揺らしながら話しかけた。
「玲子さん、落ち着いて!まずは救急車を呼ぶところからだよ。お願いできる?」
「わ、分かったよ」
まだ理解が及んでいないようだったが少しだけ落ち着いたようで急いで携帯を取りに行った。
その間も蕾斗は悶え苦しんでいた。
その後、救急車が駆け付けるまで二人は蕾斗の元で声をかけ続けたが苦しみ方は酷くなる一方であった。
プロローグにも加えておきましたが名前を変えさせていただきました。
理由は単純明快! アラビア語使いづらい!!!
馬鹿だよねぇw 深夜テンションに任せるとこうなります。
ちなみに投稿が遅れた理由はリアルのあれこれやって精魂尽きてました(∀`*ゞ)テヘッ
まだ確実には言えないし前回も同じようなこと言ってた気がするけど投稿ペースは上げていくつもりなのでよろしくお願いします。