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3.自ら心を蝕む準備を

 

「ただいま」

「兄貴、おかえり」


 蕾斗が家に帰るとリビングから紫羽乃の声が聞こえた。

 リビングに顔を出してみると紫羽乃が一人でテレビを見ていた。


「しう。親父と母さんは?」

「まだ帰ってきてないよ。父さんはまだ仕事。母さんは買い物」

「あれ?母さんはもう一回帰ってきてたんだ」

「あたりまえじゃん。もう6時半過ぎてるんだよ」


 時計を見てみたら実際に6時半を過ぎていた。

 母親の玲子(れいこ)は普段5時半頃には家に帰ってきていた。

 いつもだったら蕾斗も同じくらいの時間帯に帰宅しているのだが、今日は本屋に寄っている分いつもより帰りが遅かった。


「兄貴がどこで何をしてたかは知らねぇけどついにボケたのか??」

「ついにってなんだよ。俺がその気があったみたいじゃんか」

「いやあったでしょ。昼の時も反応なかったし」

「あれはお前と親父に心を折られて死んでただけだよ‼」

「あれで死ぬってどんだけよわいんだよ」


 紫羽乃に笑われながら蕾斗はリビングを出た。

 この程度のじゃれあいはいつものことである。

 なので蕾斗は笑われても特に何を言うわけでもなかった。

 その後、蕾斗は洗面所で手洗いうがいをして、自室に戻り新たに買った本を手に取った。





 約1時間ほど経過し、蕾斗は手に取った本を1冊読み切っていた。

 スマホを手に取り少しSNSを確認していたところでリビングから声がかかった。


「兄貴。夕飯だってよ」

「ちょい待って」


 蕾斗は適当に返事しながら自室を出てリビングに戻った。

 リビングに顔を出すと玲子がキッチンに立ち夕飯を作っていた。


「母さん、おかえり」

「はい、ただいま。今日は帰り遅かったけど何かしてたのかい?」

「いや本屋によってただけだよ」

「なんだ、芳香(よしか)ちゃんと今買い物に行ってたんだけど、花蓮ちゃんも帰ってないっていうから二人でデートでもしてるかと思ったのに違ったのかい」


 玲子は花蓮の母親である芳香と共に買い物に行っていたようで花蓮も帰りが遅いことを少し訝しんでいた様だった。


「いや、あいつもいたけどたまたま本屋で会っただけだぞ。わざわざ別々で帰る必要もないから一緒に帰ってきたけど」


 花蓮と共に帰ってきたことを話すといち早く反応したのは紫羽乃だった。


「えっ。兄貴、花蓮姉さんと帰ってきてたの?セクハラとかしてない??」

「するわけねぇだろ。つーかそんな度胸俺にあるように見えんのかよ」

「「ないね」」

「信用があるんだか分らないけど二人して即答はそこそこ心にくるぞ・・・」

「そんなことする度胸あるならこんな人見知りはしてないでしょ。それはそうとして無意識でやってるのあるかもだから花蓮姉さんに大丈夫か聞いておこ」

「なぜそこには信用がないのか・・・」


 紫羽乃は本当に花蓮に連絡を入れたようで何もなかったことを知って少し残念がっていた。

 実は本当にセクハラしてないかドキドキしていた蕾斗はその姿を見て安心して食卓の準備を始めた。


 三人で夕飯を食べ始めて少しした所で徹次が帰ってきた。


「ただいま。もう食べてるのか」

「「「おかえり」」」


 三人はともに返答をし、玲子は徹次のご飯をよそいにキッチンへ向かった。


 徹次が食事のため席につき食べ始める頃合いになると、蕾斗と紫羽乃は食べ終わっていた。

 そこに徹次が話しかける。


「お昼に連絡したやつだけど二人はどこ行きたいとかある?」

「どこでもいい」

「兄貴もしっかり考えなよ。私はちょっと前にできたあの遊園地とか行ってみたい」

「えー、遊園地かぁ・・・」


 いやそうな表情で蕾斗が反応すると当然、紫羽乃から文句を言われた。


「ろくに意見出さないのに否定だけすんなよ。クソ兄貴」

「クソとか言うなよ。だって遊園地って疲れるじゃん・・・」


 そこにキッチンから戻ってきた玲子が呆れたように話しかけた。


「あんた普段から動かないんだからめんどくさがらずに少しくらい体動かしなよ」

「えー」


 けだるそうに蕾斗が答えると、玲子は語気を強めてはっきりと言った。


「文句ばっかり言うんじゃない!」


 少し委縮した蕾斗を横目に徹次が話を進める。


「じゃあ、しうの希望通り遊園地にしとこうか。日にちも余裕が持てるように2日の月曜でどう?みんな休みを取ってさ」


 他の三人も特に強い反対意見が出るわけでもなくそのまま決まった。

 だが疑問を持った蕾斗はすぐに聞くことにした。


「二人ともそんなに急に仕事休めるの?」


 その質問を予測してたかのように徹次からすぐに返答があった。


「父さんも母さんもだいぶ前に休みの連絡は入れてるよ。せっかくなら連休の方が良いしね」


 納得のいく返答が早く来た蕾斗は改めて賛成の意を示して自室に戻った。

 自室に戻ると蕾斗はすぐスマホを手に取り、LINEを開いた。

 相手はもちろん花蓮である。


『出かける予定決まったよ。2日の月曜だって』


 すぐに見てもらえるとも思っていなかった蕾斗は、気にすることもなくパソコンの前に座りゲームを始めた。


 ゲームの途中にお風呂に呼ばれ入っていた蕾斗は自室に戻ってきた時に、思い出したようにスマホを確認した。

 花蓮にLINEを送って2時間ほどが経過していたので当然ながら返事が返ってきていた。


『は?あんた月曜学校来ないの?許さないんだけど??』

『お前の許しなんて必要ないよ』

『絶対許さん。今度何か奢らせてやる!』


 実際、奢らせるつもりも何をするつもりもないであろう花蓮が続けて送ってきた。


『じゃあ4日の水曜日をもらおうかな。さっきしうちゃんから別で連絡あって遊園地行くの知ってるし、次の日だと筋肉痛で使い物にならなそうだから』

『知ってたのかよ。つーか俺の筋肉痛は一日置いてくるぞ』

『じじいかよw。じゃあ火曜日にするか?www』

『じじいじゃねぇよ!でも火曜日はやめて・・・死ぬ・・・』

『どっちにしろ死んでんじゃねぇかwwww』


 笑わいながらも花蓮は蕾斗の若い老体に心配しているようで少し時間をおいてメッセージを送ってきた。


『でも本当に無理だったら言ってね。延期でも中止でも問題ないから』

『大丈夫だから。そこまで年老いてないってのw』

『そう?じゃあ4日の水曜にお願いしようかな?』

『了解。その日は空けとくね』

『じゃあお願いね。おやすみ』

『うん、おやすみ』


 二人は予定を決めて会話を終えた。

 しかしおやすみとは言ったものの蕾斗は寝るわけもなく夜更かしをしながらゲームをするのだった。


ゆっくり書いていくつもりとは言いつつももっと速いペースで上げていくつもりだったのになぁ

Fall Guysが悪いんです

後はこの前デビューしたvtuberにはまったからです。これは俺が悪いんだけどね(^_-)-☆


まぁ投稿ペースは上げられるように頑張りたいと思います

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