1話 学校の嫌われ者
「もしかして私に話しかけてる?話しかけないでね。貴方と話している所、周りに見られたく無いから」
不機嫌そうに言葉を吐き捨てられる。
幼馴染でもある女の子、斉藤茜に。
家が隣で、保育園から現在の高校も同じ所にお互い通っている。
親同士も仲が良かったので家族ぐるみの付き合いも前はよくあった。
「す、少し話しかけただけだろ」
まん丸で、涙袋がやや大きい瞳、高すぎないけど、すらっとした鼻筋、薄い唇で、
昔からルックスが良くて、クラスのマドンナ的なポジションでこそ無いにしろ、
男子の人気はそこそこ高い。
人気は今も健在で、やや顔に幼さは残るが、
うっすら化粧をしているようでクラスの俗に言う一軍のグループに所属している。
僕と違って。
「はぁ?」
僕の問いかけに心底嫌そうな顔をしながら茜が眉を顰める。
茜が表情を変えたのと同時に、茜の取り巻き、クラスの一軍の女子グループが集まってきた。
「え?もしかしてコイツに話かけられてるの?w」
取り巻きの1人が僕に気がついたようで、
こちらを見ながら茜に問いかける。
「キモーイw」
「え」
何か言い返そうとしても、咄嗟に向けられた悪意にそんな返事しかできない。
そして、返事ができない事によって取り巻きの子が僕に追撃してきた。
「話しかけてくんな陰キャー」
僕に向けられた明確な悪意に僕はたじろいでしまい、ますます声がでなくなる。
「次、体育だね行こー」
「茜ちゃんw大丈夫?こいつに話しかけられてw」
「うん。へーき」
「・・・」
クスクス笑いながら取り巻きと一緒に茜が去って行った。
ほっとするのと同時にモヤモヤとした感情が広がる。
そう僕はクラスではいつもこんな感じだ。
高校1年生の途中まではこんなんじゃなかったのに。
理由はわかってる、でも何故こうなってしまったのかはわからないんだ。