第4話 『女神の贈り物』
あらすじ
女神の誘いにうっかり乗ったら辺境に飛ばされた。
トカゲに追いかけられ、フナムシに首をかじられたりと、散々な目に。
そこへ起死回生の女神コンテナ到着!
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まず、そこは魔王の力が強いため、我々神族の干渉がほとんどできません。なので、こうして宇宙から物資を落下させました。定期的に何か送れるようにします。準備が必要なので、お時間ください
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おいおい、食料くらいよこせよ!
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食料よこせとか今、考えたかと思いますが(ギク!)自力でなんとかしてください。すぐ旅立ってもらうつもりでしたので、人間の食べ物を用意してませんでした、ごめんなさい。我々の飲み物ネクターとか飲ませたら細胞が増殖しすぎて体が爆発しますからね、今のアナタではまだ。(やべえな)
あなたがそこに辿り着いたことは、地上にいる我々の勢力には伝えました。魔王の支配地域なので、救助が迎えに行けるかどうかは不明ですが、どちらにせよ時間は必要です、当面は自力でなんとかしてください。
サバイバルに必要なもの、現状のプラスになるものを送りました。
まず本ですが、知識の書という神宝です。名前がわかるのであれば、経験したもの、見たもの聞いたものの詳細を教えてくれます。名前が付いてないもの、名前を知らないことは判別できません。後でお話ししますが、貴方は鑑定のスキルが使えるようになっていますので、それと組み合わせて使ってください。
あなたの知識を超えてアカシックレコードから知識を呼び出してくれる優れものです。
食物の毒性とか、敵なら弱点とかもわかるので、大事にしてください。
あと、スキルについてですが、3つのスキルが発動しています。
1つ目、身体強化。前より体が強くなっています。使い続けることでどんどん強くなるので、意識して使ってみてください。
2つ目、先ほど申した鑑定スキルです。正しくは名称鑑定と言います。鑑定も使うほど強くなりますが、普通はそんなに役に立ちません。知識の書のためにあるスキルといっても過言ではありません。表示されるのは相手の名前だけです。こちらも使うほど強くなりますが、そんなに期待しないでくださいね。あくまで補助です。
そして、3つ目が鉄男さんのオリジナルスキルです。操鉄術というスキルです。
オリジナルなので、どのような成長するか、前例もないのでよくわかりませんが、知識の書によると鉄を操るスキルのようです。スキルの助けになるように鉄を一緒に送っています。神鉄という珍しい鉄です。といっても、女神の力で聖化しただけの鉄です。ゴーストとか実態のない敵にも攻撃が効くようになっています。硬さとかは普通の鉄と変わりませんので、大きな期待はしないでください。
では、早速それらを鍛えて、なんとか今の苦境を乗り越えてください。ご無事を祈っています
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手紙を読み終えた。そっと手紙を折りたたみ、コンテナに戻す。
・・・なんともはや。複雑な心境だった。贈り物は嬉しいが、こんな魔境で独り。絶望と希望が内心でごちゃまぜになっている。
女神は頼りないのか、頼れるのかよく分からん。
俺も腹を括った。
女神に言われなくても、とにかく、やるだけやる。
せっかく生き返ったのだ。もう2度と死にたくない。
飛ばされる寸前の青い髪の女神の顔が忘れらない。「やべっ!?」と聞こえそうな表情だった・・・・。
状況は、悪い・・・それも、かなり悪いが、生き返った以上、死にたくないし、痛いのもごめん被りたい。働くにしろ、戦うにしろ、条件というものはある。最低限の自由くらいは確保したい。生存権とか言うつもりはないが、せめて戦える下地くらいはなんとかしたい。
まあ、ぎりぎり、首の皮一枚繋がった。
こうして物資が届けられたわけで、女神に文句を言っても状況は変わらない以上、自分でなんとかするしかない。
白いコンテナをしみじみ見る。
取り出したまま岩の上に置いた鉄を持ち上げてみる。
重い。ずっしりくる。
体感、およそ3キロの鉄インゴット。ただの塊だ。製造番号とかが書かれているわけでもない。
女神よ、これをどう使えと?
これ、武器になんのか?
レンガのような感じで使え、とか?
女神の言葉、スキルがどうのこうのと言っていたことを思い出す。スキルを使ってなんとかしろ? そんな感じだろうか?
鉄の塊をもらったところで、設備のないジャングルでは、宝の持ち腐れだ。
まあ、一旦、鉄のことはおいておく。他の物資を確認する。
次は本を手に取った。
褐色の上製本で金糸でも織り込まれたように、角度によりキラキラ輝いている。箔押しで文字が書いてあるが、読めない。みたこともない記号のような文字だ。
早速読んでみるか・・・。中の文字は読めるのだろうか。
本は分厚く、読むのに時間がかかりそうだ。砂浜で読み耽るのは危険んと判断し、岩陰に戻って周りの無事を確認してから本を開いた。これでまあ、大丈夫だろう。
パラパラと開いて読んでみる。予想に反して、中身は殆ど白紙。
1ページ目と思しきところに、使い方が書いてある。
読めるようだ。
ふむふむ、なになに。
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この本は伝説の本である。定まった名前はまだない。人は我を「知識の書」「知性の泉」と呼ぶ。あえて名前があるとすればそのような名前だ。
崇め讃えよ。
新たに所有者となった愚か者よ、これよりこの我が、汝を賢者へと導こう。
我の使い方は至って簡単。
まず書を閉じ、はっきりした発音で、知りたい言葉を告げよ。
そして再び本を開けば、ページの順番に、新しい回答<答え>が記されるだろう。
だが、注意せよ。我が与える知識は、常に限定される。
なぜなら、知識は最良の薬にして最悪の毒でもある。
答えを知ることは、時には希望を生み、時には絶望を生む。
そう、毎度毎度ネタバレばかりの人生に何の喜びがあろうか。先が分からぬからこそ生まれる希望もある。
であるからして、知識は限定されるのだ。
思い知るが良い、我は神の書。
使うもののため、使うものが求める知識の、求める事だけを、必要に応じて限定的に授ける。
さあ、知識の旅人よ、本を閉じ、言葉を告げよ。そして再び開くが良い。
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大げさな言葉遣いで、ちょっと偉そうだなと思いながら、早速使ってみることにした。
一度、本を閉じ、試しに女神が手紙で教えてくれたスキル名、「操鉄術」と呟いた。
俺に与えたスキルだと、女神は言った。一体、どんなスキルか気になる。
そのスキルの性能に生死がかかっていると言っても過言ではない。
ページを開くと、新しい文字が現れていた。よかった、本は機能している。
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操鉄術
スキル 分類 オリジナル 総合 聖魔武補特
説明:鉄を自在に操るスキル。
レベルに応じてできる事と操れる鉄の量が増える。
オリジナルスキルのため、レベル1以上の情報は未確定。心象スキル。
状態 レベル1 0/100
『精錬』 『錬成』
精錬 鉄の純度を高める
錬成 鉄の形を変える
レベルアップ条件 使用回数と経験値
扱える質量 5kgまでの鉄
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なるほど鉄を扱うスキル、ね。
元・鉄工所経営の俺にぴったりだ・・・。が・・・。
?? 疑問が浮かぶ。
いくつか不明な文字があった。オリジナルというのは女神も言っていた。
心象スキル? 総合とか 聖魔武補特 とか。
専門用語か?
本を閉じて「心象スキル」と言い、また開いた。




