アリサ 3/6
11月の終わり頃、京子がインファントに飛び込んで来た。
京子のパパとママは、これでと言って、座っている。
「できたよ。」
「本当! よかったね。」
「見てくれる?」
京子が、アリサの部屋に上がった。
ショーとママ、アケミが、伝声管のそばに。
「カワイイ。」
「ありがとう。」
「これで、ママね。」
ふたりの声が聞こえる。
笑う、3人。
「どんな赤ちゃん。」
「ダメ。ふたりの秘密よ。」
笑って言う、アリサ。
昼休み、アリサとショー、仲間たちが集まって食べている。
教師が何人か、アリサとの中に入っている。
アリサがショーに弁当を作って、2年になる。
よく、続くものだと、作れるものだと、みんなが見ている。
アリサの弁当、撮る人たち、弁当のコレクションが増えている。
アリサとショー。結婚式は? と、聞かれている。
お腹の子が産まれてから、丘の教会でと、話すふたり。
披露宴は? と、聞かれて、答えるふたり。
この春に結婚式を挙げた先生が、アドバイスをしてくれた。
ふたり、カネが無い。と、笑わせる。
「大丈夫よ。アリサのレストランで、披露宴したらいいじゃん。」
言う、学生が。
「私達も、アリサとこで、式しようかな?」
言う、仲間たち。
前の授業のとき、アリサが大声を出した。
「どうしたの?」
教師が驚いてアリサのところに。
「蹴られた!」
お腹を擦る、アリサ。
「あっ! まただ。」
涙声で話す、アリサ。
「おめでとう。元気な赤ちゃんね。」
言ってくれる、先生。
お弁当を食べているなか、ユキミがアリサのところに来た。
「ごめんなさい。京子。」
「私、あなたとアキラ君のこと知っているけれど、今、アキラと付き合っているの。」
京子に話すユキミ。
「それで、出来たの。昨日、病院に行ったら、3ヶ月って。」
「ごめん。」
京子。黙って聞いていた。
アリサも、ショーも、みんな、手が止まっている。
「いいの。私のことは。」
「アキラ君に教えてあげたら、喜ぶと思うよ。」
「ありがとう。」
立ち去った、ユキミ。
「大丈夫よ。」
京子は、右手を左腕に置いた。
「あの時、まだ、身体が出来てなかったの。」
「もしかして、切らないと産めないと、言われた。」
「私は産みたいと言ったけど、パパもママも、それに、アキラのパパもママも反対して、育てられないと、私、仕方なく……。」
アリサが、京子の手に手をおいた。
一緒に食べている仲間も、京子の肩に。
「ドンマイ、ドンマイ。」
「まだ、若かったんだから。」
「次、天上の母上が、いい赤ちゃんを届けてくれるよ。」
「みんなで、見守っていきましょう。」
「アリサの赤ちゃんみたいに。」
声をかける、仲間同士。
「どうしたの、先生。」
ショーが見た。
「イヤ、高校生が赤ちゃんを産むって、こんなに仲間意識が強くなるんだなと、思って。」
アリサのグループで食べている、女教師が。
アリサがショーに弁当を作るので、教師達も弁当持参で来ている。
困っているのは、宅配サービスだった。
そんな中、ユキミが泣いて戻ってきた。
ユキミの友達が慰めている。
「なにがあったの?」
アキラが、仲間と戻ってきた。
何人もの見物客を連れて。
アリサの友達が、ふたりの話をしてくれた。
食堂で、ユキミのお腹に、アキラとの赤ちゃんがいると。
アキラの横で、起こっている女子学生たち。
「なんて事言うのよ。」
「俺の子か!なんて。」
アキラが京子の手を押さえた。
「本当の事だろう。」
「俺とするんだ。他の奴ともしたかもしれないし?」
笑う、アキラ。
「俺達、受験生だしな。京子。」
アキラ。手をのけた。
「どいて!」
京子。食べかけている弁当をアキラに押しつけた。
「なにをする!」
手が飛んできた。
アキラのカバンが飛んできた。
「や、やめろ!」
中をまき散らして、カバンは窓の外に。
女子学生たちが、見ている。弁当を持って。
「すごい!」
ユキミが言った。
「あんたの心、解った。」
京子がアキラをにらみつけた。
「いいもの見せてあげる。」
カッターの左袖を破った、京子。
「あんたが殺した、私の子供。」
左腕には、赤ちゃんが、赤いバラに包まれて、寝ている。




