アリサ 3/3
あれから、何日か経った。
京子は、又、ひとりになった。アリサ、ショーが話すと答える京子。
レストランインファントでは、テーブルひとつを潰して、アリサとショー達が勉強している。
サーファー客が、入ってくる。
参考書を片づける、アリサ達。
ショーが、スタッフのお姉さんが、オーダーを取っている。
常連客はのサーファーのお姉さんがアリサに聞いた。
「太った?」
「今、5ヶ月目なの。」
アリサが答えた。
「エー!!」
周りが、店中が、揺れた。
「アリサちゃん。高校生だったよね。」
「ハイ。ショーがパパ。」
ショーを見るお客さんが。
「何?」
「パパになるの?」
「ウン。」
男共は合掌を。
笑うお姉さん達。
「な、何よ!その態度は!!」
アリサが怒った。
スタッフのお姉さん達、壁に向かって、お客さんは、テーブルに顔をつけて笑っている。
「一度しかない青春をひとりの女に捧げるとは。」
「悪かったわね!」
「今日の料金、倍にするよ。」
クビを横に振る、男共。
「ママみたいなこと、言わないで。」
と、笑わせた。
「で。男の子? 女の子?」
「今度、行ったときね。ショーと一緒に。」
「エッ!」
「ウソ。ショー君。病院に一緒に行くの?」
「ハイ。アリサの友達もついてきますよ。」
「学校の帰りに行くのよ。この子。」
アリサママが、言った。
「すごい。」
「大胆。」
「ショー。怖くないのか?」
お兄さんが聞いた。
「いや、一緒に話、聞きますし。」
「みんな、しないの?」
アリサの質問にうなずく、お兄さん達。
「ウソ!するものとばかり…。」
ショーが。
「でも、女には、嬉しいよ。」
言う、お姉さん。
「パパになる人が来てくれるなんて。」
ショーの手を握った。
「ショー君。アリサちゃんやめて、私選んで。」
言う、お姉さん達。
そんな中、ひとりのお姉さんが、バックから聴診器を出した。
「何?それ。」
「私の趣味。キャンプに行くとき、持っていくの。」
「樹の生きている声を聞くのにね。」
「いい? アリサ。」
うなずく、アリサ。
アリサのお腹に聴診器を当てる、お姉さん。
アリサの耳に挟んだ。
「聞こえる? アリサ。」
「本当だ。心臓の音が。」
「ショー。」
耳に押し込んだ、アリサ。
「すごいな。アリサ。」
ママも、アケミも聞いている。
「これ、マイクに聴けるかな?」
BGMを止めて、スピーカーに。
「聞こえた!」
ドック、ドック。ザーッ、ザーッ。
ドック、ドック。ザーッ、ザーッ。
「このザーッ、ザーッって、なに?」
「血の動く音だと思うよ。アリサを、赤ちゃんを生かす音。」
「すごいね。ショー。」
「ショー。どうしたの?」
「何か、泣けてきて。」
「ありがとう。アリサ。」
アリサのお腹に顔を押しつける、ショー。
そんな中、刺青のじっちゃんから、来てくれと電話があった。
アリサとショー。アケミが行くと、京子と、パパ、ママが座っていた。
ママとパパは、イスに座っていて、足を擦っている。
京子は、正座して、汗が流れ落ちている。
「どうしたの?」
孫娘と、弟子の何人かが、困っていた。
「もう、1時間この状態なの。」
お客のお姉さんが話した。
「なんで止めないの?」
「止められないの。この娘さん。」
京子の足を崩して、マッサージをする、アリサとアケミ。
「じっちゃん。どういう事。」
「じつは。」京子パパが話を始めた。
「京子が刺青をすると、言って、部屋に閉じこもって、ストライキをして。」
「そこで、私達、負けたの。」
「昨日。京子が何日も食べないから倒れて、救急入院して、私達、折れたの。」
「でな。」
ため息をついた、じっちゃん。
「こんなこと始めてなんで、どうしたらいいのか、アリサなら解ると思って、来てもらったんだ。」
呆れた、アリサ。
「京子。あなた、そうまでしてタトゥー入れたいの!」
うなずく、京子。
「何よ!親のカネあてにして!」
「まて、アリサ。」
ショーがとめた。
「何を身体に書きたかったんだ?」
「カバンに入って……。」
京子ママがカバンから、封筒に入っている用紙を出した。
ママもパパも、じっちゃんも、アリサ達も見合わせている。
「なんなんだ?」
丸が何個も重なって書いている。
「なに?」
「わからないの!」
京子が下を向いた。
「もしかして、赤ちゃん?」
孫娘が言った。
みんな、京子を見る。
「私の赤ちゃん。」
「私が殺した、私の赤ちゃん。」
京子が。
黙ってしまう人達。
「アリサ…。」
「16の時、わかったの。」
「京子が、こんなに傷ついていたなんて…。」
言う、京子ママ、うなずく、京子パパ。
「これが?」
アリサが言った。
「みえないな。赤ん坊には。」
じっちゃんが。
「もっとうまくなりなさい。」
姉ちゃんの手が京子の頭に飛んできた。
「全く、赤ちゃんがかわいそう!」
笑いながら言う姉ちゃん。
「わしには、似合わない絵だな。」
孫娘を見て、言う。
「どうしたの? じっちゃん。」
「苦手だな。赤ん坊なんて…。」
「お前がしろ。」
「エッ、私。ムリムリ。ムリだって。」
じっちゃんは、酒を湯呑みに入れて、客人と飲んでいる。
「おじいちゃん。」
「ガンバって。」
お客のお姉さんが、飲みながら、言う。
「でも、どうするのよ、京子ちゃん。」
アケミが聞いた。
「赤ちゃんのタトゥー入れたら、男の人、逃げるよ。」
黙る、京子。
「でも、赤ちゃんを見て、嫌われるなら、そんな人と一緒にならない。」
言い切った、京子。
「よく言った。京子ちゃん。」
客人のお姉さんが、孫娘が、京子に、ジュースをついでいった。




