アリサ 4/2
次にアリサはとショーがエリカを大学連れて来たのは、10月に入ってからだった。
レストランインファントで、ママさん達に、スタッフのお姉さん達に大事にされて、お客さんに、子供たちにおもちゃにされて、楽しんだ、エリカ。
その為、人見知りがなくなった。
動き回るようになったエリカを、ショーの運転する赤いハッチバックに乗せられて、来た。
京子たちに抱かれて、ご機嫌なエリカ。
授業中、おとなしくしていると思うと、籠をひっくり返して、教室を動き回っている。
パパもママも、掴まえるのに、大変で、教授に、学生達に、可愛がられいた。
ママがエリカに『メッ!!』と怒ると、エリカも『メッ!』と、する。
少し大きくなると、パパやママの真似をして、スケッチブックにクレパスで、書き出した。
教授に、学生達に得意に見せる、エリカ。褒めてもらって喜んでいる。
大学の学食堂。
パートのお母さん達が、話してくれた。
「もう、だいぶん昔のことだけど、赤ちゃんを連れて、来た学生さんがいたよね。」
アリサにショー、京子たちが聞いている。
「変わった名前の娘さん。」
「海渡さん!」
「そう。海渡誠二さん。」
言うお母さん達。
「私のパパです。」
アリサが言った。
「そうなんだ。元気かい?」
聞くお母さん達に、アリサは亡くなった事を話した。
ライフセーバーのボランティアをしていて、溺れた親子を助けたけど、パパは助からなかったことを伝えた。
「そうだったんだ。」
「あの時、奥さんがいたよね。」
「赤ちゃんも。アケミって言ったかな?」
言う、お母さん達。
「お姉ちゃんだ。」
「そうなんだ。お姉さんかい。」
「親子2代で来るなんて。」
笑う、お母さん達。
エリカに歯が生えて、離乳食を食べるようになったときは、
「うどんは、スプーンで潰して、ダシを湯で薄めて、与えるんだよ。」
「リンゴもすりおろして、薄めて。」
「はじめは、スプーン1杯ぐらいで。」
京子たちが集まって聞いている。
「たいへんだ。」
根を上げる女の子たち。
「なに言っているの!アリサとショー、やっているんだから。」
言った京子。
「違うは。ママさんたちに、助けてもらっているの。」
「ふたりだけでは、出来ないよ。」
言う、アリサ。
京子が反論する。
「アリサ。ショーにあんなに大事にしてもらっているのに!」
と、ショーの妊婦姿を見せる。
「やめろ!」
怒るショーを抑えて、お母さん達に、学生達に見せる。
笑う学生達。
しかし、お母さん達は、
「アリサちゃんのだんなさん。いい人だね。」
「大事にしてもらっているんだ。」
言う。
「昔はね。」
と、話す、お母さん。
「そんなに女の人の力、強くなくてね。」
「働いて、家のこと、して、それが当たり前だったの。」
「外国から、女性の人権をと、いわれているけど、現実にはね。」
笑う、お母さん達。
「話していたら、帰るの遅くなるからね。」
片づける、お母さん達。
昨日、おかずなにした?
今日なにしようか?
と、話す、お母さん達。
どこそこのスーパーの野菜、安かったよ。
帰り、買いに行こうか。
たくましい、お母さん達がそこにいた。
アリサが黒板に問題を書いているときは、エリカ、教授が抱いている。
抱き方が気に入らないのかして、愚図るエリカ。
大学の先生でも、苦手あるんだと、見る、学生達。
京子たちが、助けに入った。
遅い昼ご飯のときは、お母さん達の遊び相手になっている、エリカ。
お母さん達の特別お子様ランチで、ご機嫌なエリカ。
11月の文化祭前、実行委員会が、エリカの書いた絵を何枚か持っていった。
絵は、額に入れられて、展示されている。
「誰?あんな絵、書いたの?」
「海渡エリカ? 0歳?」
「赤ちゃんが大学に来ているの?」
驚く、来客のおとうさん、お母さん。
学校長が、各部門の表彰をしている。
「次に、学校長、特別賞。」
発表された。
「海渡エリカさん。」
アリサの膝に座って遊んでいるエリカ。
京子たちが喜んでいる。
会場が大爆笑に。
アリサとショー、エリカが壇上に。
学校長から、賞状を受け取ったショー。
「副賞として、粉ミルク、3缶と、紙オムツ、3ツ。」
「学校長のポケットマネーで、あります。」
スピーカーからね流れる。
お礼を言う、アリサとショー。
エリカにマイクを向けると、赤いマイクカバーを取ろうとして、笑いを誘った。
学校長が、エリカを抱いて、キスをしようとする。
エリカは、笑って、学校長のほっぺたを叩いている。
「私は、キスより、モミジのほうが嬉しい。」
と、笑わせた。
それから、月に何度も大学に行く、エリカ。
インファントで、アリサといる日も多くなった。
ママやパパのマネをして、水をお客さんのテーブルに、ほめられて、得意になる、エリカ。
保育園に通いはじめては、おばあちゃん達に、話をしては、喜んでいる。
そして、アリサとショーが、大学を卒業した。
学校長に、教授達。食堂のお母さん達に、スタッフに送られて、校門を後にした。
アリサママに、アケミが、食堂のお母さん達に挨拶している。
話が弾んで、京子たちが、笑いながら聞いていた。
エリカが、小学校に入学したころ、妹が出来た。
シズカは、ワタルとの中に、女の子が産まれた。
インファントに来ては、赤ちゃんを籠に入れてピアノを弾いている。
アケミも結婚して、女の子が産まれた。
京子も、大学からの付き合った人とできちゃった婚を。
インファントは、子供たちのパラダイスになっていった。
おばあちゃん達が、スタッフのお姉さん達が、来ては、助けてくれた。
エリカが高校生になったある日、刺青のお姉さんから、すぐに来てほしいとあった。
エリカがお姉さんとにらめっこしていた。
横には、姉さんの子供が、呆れて見ている。
「誰から聞いたの?」
アリサが聞いた。
エリカ、アリサと同じように、タトゥーを入れに来た。
「おじいちゃん。」
刺青の師匠が、席を外した。
「おじいちゃん!」
「買収した。」
エリカが。
「エッ!」
「バイシュウ?」
「パインピラフに、カレー。オムライス。」
「大好きなおじいちゃんへ。」
「イチコロだったよ!」
頭を抱える事、3人。
「で、なにしたいの?」
「夏休みにパパみたいな人と出会いたいの。」
「誰から聞いた。」
ショーが。
「パパのおじいちゃん。」
「オヤジ。」
「パパさん。」
そして、夏休み。赤いバラのエリカが、雑貨店で店番をしている。
アリサと、アリサママ、ショーママが、座って、アイスコーヒーを飲んでいる。
「邪魔しないでよ。」
にらむ、エリカ。
「ハイ、ハイ。ガンバッテ。」
笑うママさんたち。
スタッフのお姉さん達が笑っ見ている。
時々、ショーが顔を出した。
「パパ!」
にらむ、エリカ。
日焼けした男共が、店に入って来た。
すぐさま、マウンテンバイクが飛んで来た。
「俺達の妹に泣かしたら、ここでナンパ出来ないからな!」
筋肉モリモリで言う、男達。
何人か来たお客さん。
「あの…。」
エリカに話をする男の子。
ママさんたちは、目を光らした。
高校生のショーみたい。
笑うママさんたち。
「私の好みじゃない。」
言った、エリカが。
呆れて笑った、ママさんたちだった。