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7,俺TUEEEEEEE??

7,俺TUEEEEEEE??




「じゃあ、マリさん、実際に魔法使ってみますか?」



と、いうわけで母さんとクナと妹を連れて家の外にある草原に立つ。

あのときの怪物は居ないようだ。


あのときは、慌てていたので良く見ていなかったが、この草原は本当になにもない。

遥か遠くに山々が連なっているのと、何処までも続く直線的な一本道が家から地平線まで伸びている。

あとは、ちょっとした森に囲まれているだけで、見渡す限りの草原だ。


天気は青々とした晴れ。

流れる雲と心地よい風が耳に優しく、心を落ち着かせる。夏っぽい。

何もないけど、良い場所だ。


......こいつらさえ落ち着いていればな。




俺の妹はさっきから準備運動とか言って、クナと激しくじゃれあっていた。


ちなみにクナは前と同じくシスター服。

クラナはワンピースで薄着だ。

金色の髪頭の左右では2つに分けられツインテール。

顔は怖い。



クラナが雲より高く跳ぶ、クナが、か●はめ波的なビームをクラナに発射。

クラナはそれを回避、細い体の回りに無数の赤い玉を創造、人差し指をクナに向け、連射する。

もちろん赤い玉はあの怪物を殺したときのやつだ。


ガガガガガガッッ!!......ババババババアアァァァァァンッッッ!!!!


赤玉は次々に地面に着弾。

ひと間おいて、爆裂音を纏って着弾順に爆発。


颯爽と避けるクナが、頬に汗をつ垂らせながらも口を開く。


「強くなったね! クラナぁっ!!」


それにクラナは「殺すっ!!」と一言。殺気むんむんで。


クラナが撃つ、クナはそれを跳び跳ねて避ける。

打たれた弾丸をバク転で回避、爆発を利用し、右辺へ飛ぶ。

即座に方向を変える銃弾、大地を切り分けるように放たれる。

クナは右足で思い切り踏み込み、後方へと大きく一回転。

着地と同時に右手をクナラに向け、バリアを展開。


押され始めたクナは、ATフィ●ルド的なバリアで必死に耐えるッ!。 熱い!

展開された数百枚のバリアは、クラナの途絶えること無い赤い弾丸によって次々に砕かれていく。


瓶の割れたような音を出してバリンバリン割れていった。


踏み込み必死に耐えるクナ。

爆風でシスター服のスカートがヒラヒラとなびいて中が見えそうだ。

興味ないので見ませんがね!。 あ、白い......。


ていうかこの女神様、足が綺麗すぎる。

ごりごりの筋肉質という訳ではなく、むくむくにむくんでいるわけでもなく。

細く長く、まさにモデルのような足だ。

今は良く見えないが、あか抜けた顔も、ものすごい可愛くて美人なんだよな。

性格は絶望のブスだけど容姿は絶世の美少女といっても過言ではない。

17歳で同年齢とかドンピシャでタイプだったりする。

あれ?俺って二十歳だっけ? 17でいいか。


真顔で撃ちまくるクラナ。

本気でクナを殺すつもりなのか、放たれる弾丸はさらに勢いを増していく。

「んっ、んくっ、はぁはぁ、んんっ!!」と声を漏らすクナ。

なんだか僕変な気持ちに......落ち着け俺!



そうこうするうち、遂に最後の一枚を貫いた。



クナの体が煙幕に包まれる。

クラナはニヤリと右の口角を吊り上げて「やったか!?」と一言。

それはフラグだぞー。口には出さないけどね。



煙が晴れる。

そこにクナの姿はない。


「っ!? 何処に!?」クラナが辺りを見渡す。やはりその姿は無い。



全くの余談だが、母さんは2人の戦いには目もくれず、一人せっせとマットを草の上に敷いている。

その手には何十人分もあるだろう、お弁当が握られていた。重そうなので持ってあげる。

母さんは「ありがとう」と優しく一言、マット作業に戻った。




「強くなったけど、まだまだよ」



「......? 何処!?」

草原に透き通る声、焦る少女。

遠くに見える高山から滑り落ちてきたであろう、冷たい風が俺と少女の髪をサラサラと通りすぎて行く。



俺にはわかった。


下から見てたから。

クラナは必死に草原のあちこちにクナの姿を探すが、女神は太陽の方向、クラナの背にいる。

瞬間移動してきたようだ。


「!!......」

気がついたのか、クラナはゆっくりと太陽に顔を向ける。

しかし、もう遅かった。


少女と目があった女神は弾ける笑顔で無情に一言。


「光の女神の7つの必殺技の1つよ♪」


「や、やばぁ~」クラナが涙目で両腕を顔の前でXの形に組んで守りの体制に入るが、お構いなしにクナは制裁の鉄槌を放つ。

実際に、本当の鉄槌を放った。



「邪炎の少女にぃっ!!! 必殺技ッッ!! ゲン☆コツ」



ゲンコツというか、大きく振りかぶっておもいっきりぶん殴る。

クラナは俺の目ではとらえきれない速度で太陽から逆の方向に吹き飛ばされた。

空を切り、地面に突き刺さる。



ガアアアアアアアンンン!!!



と、大きな音が鳴り響き、砂煙が晴れれば地面に仰向けにダウンするクラナの姿が見えてきた。

目がなるとのようにぐるぐる回っている。もちろん頭上で小さなひよこもくるくる回ってる。


win!!クナ!!



準備運動......?



-------------------------------------------------



「いやぁ~つい本気だしちゃいましたよ~!! マリさん見ててくれました!? かっこよかったっしょ!!」

ワンコのように輝かしい瞳で俺を見る女神クナ。

ワンコ笑顔のその裏に猛犬が見える。

つか猛犬ですらあそこまで激しくやらねぇよ......。

クラナ涙目で、めっちゃ頬っぺ膨らませて拗ねてるし。かわいい。



「俺の魔法を見るんじゃなかったのか? それなのにあんなに激しくやりあわなてもいいだろ」

「いやいやいやいやいやぁ、マリさんの魔法は世界一ですよ? どんなことにも対応できるように、準備運動はしっかりしないといけません」



と、ここで疑問。

俺ってホントにそんなに凄いのか?

実際、転生したからといっても体に変化は感じない。

これでショボい魔法とか使ったらきっとシラケて嫌な空気になるんだろうな。


そんなこと考えてた時期が僕にもありました。




クナが一言。

「魔法を教えるのはクラナちゃんが適任です。 私はサポートに回りますね」

クラナが一言。

「ふ、ふんっ。 この私がお、お兄ちゃんにいろいろなことを手取り足取り教えて上げるわ。 今日から新しい扉を開くことになるわね。 ちゃんとついてきなさいよね!!」


「なんでそんなに早口なんだよ」

エロゲヒロインかよ。エッrrrrrrrrrr。


「う、うるさいわね!! さっさと始めるわよ!!」

ツンデレ口調のかわいい妹につれられる。胸が平原なので、エロゲのヒロインでは無さそうだ。


「まずは、そこに落ちている枯れ葉を浮かべてみなさい」

「呪文とかは?」

「そんなの創造魔法とか、呪文にしか使わないわ、念じれば良いのよ」


と、いうわけだ、念じてみよう。

みずみずとした草原の草の中に一枚、触っただけでパサッと砕け散ってしまいそうな枯れ葉が落ちている。

俺はその前に立ち、両手を向けて、目を閉じて念じてみる。



浮かべー! 浮かべー!



「おおっ!!」

クラナの感嘆の声。

ゆっくりと目を開けてみる。

そこには一枚の枯れ葉がふよふよと浮かんでいた。

どうやら無事に浮かべられたようだ。


「これが魔法か......」

使ってみるとよく分かる。

自分の全身から、次々と涌き出てくる魔力が手のひらまで流れて、放出される。

からからに乾いた喉を冷たい水で潤したとき、全身に水が染み渡るのを感じるように、

正座で遅れ始めた血の巡りが、起立することで解消し、全身の血液の動きを感じとるように、

魔力が流れていくのがはっきりとわかったのだ。


感動に浸っていると、枯れ葉が変化し始めた。

唐突にそれは光に包まれ、みるみるうちに茶色い表面が青々とした鮮やかな緑色に変化する。

切断された葉脈は再生を始め、遂には茎が延び始めた。

重力に引っ張られるように、その茎は地面に垂直に伸びて、その地面に根を貼り始める。

みるみるうちに茎は太くなり、やがて大きな幹になる。

別れた枝からは沢山の葉が茂る。

巨木となった枯れ葉は美しい夏の頃、流れる風にカサカサと擦られ音をたてる。


神秘的な光景だが一つ問題。


とまんねぇ......。


この大木全然成長が止まらない。

クナとクラナ楽しそうに見てるだけだし、母さんも弁当広げ出してるし、どうすりゃいいんだ?


と、そこで足元に何かが当たる。

「チュウチュウ」

何かはチュウチュウ鳴いている。

ネズミさんだ。


「ひっ、ひゃああああああぁぁぁぁぁっっっっ!!!」

気持ち悪いいいいぃぃぃぃッッッ!!!!


と、その場から跳び跳ねる俺。

瞬間、全身に力が入る。

ネズミ怖い。


力と一緒に大量の魔力が流れた気がした。

気がしたわけでなんでもないかと思ったのだが、何でもなくないみたいだ。


草原一体を多い尽くすほどに大きくなった大樹。

俺が一気に魔力を注ぐと同時にピンポン玉程に小さくなる。

煌々と揺らめく光を放つそれは超高密度なのか重力をおび始めた。

糸で引かれたように辺りの草がその玉に引き寄せられ、それは急速に強くなる。

これ以上は危険だ。



俺は向けた両手の力を抜く。

それが間違いだった。



光る玉は、それを空中に留め、押さえつける力を失うと真っ直ぐに、地面に落下。

着地と同時にヒュッと風を切る光を放出。

その光に草木や上空の雲はバラバラに散らかされ、大きな青空がそのスッピンを向ける。


一瞬の寡黙な空間、時間。

まるで時間が止まったようだった。

チラッとみるとクナがだらだらと汗を流し、クラナが全力でバリアを張っている。

その行動がスローモーションで俺の瞳に映し出される。


次の映像は大きな光だった。


落下した玉をクナは魔法で遥か上空へと飛ばす。

光線のようなスピードで飛ばされた玉は、昼過ぎ、真南の太陽と重なったときに破裂。


決壊したダムはもう戻らない。


光線銃が乱発されたかの如く光線が放たれ、爆発。

まるで空にもう一つ太陽が出来たようだった。

世界は光に包まれる。

誰も目を開けられなかった。



俺、強すぎるよ......。



(俺、TUEEEEEEE?? 了)


女神クナちゃんと女子クラナちゃん。二人の名前が少し似ててややこしくなってしまったかもしれません。


クナちゃんは究極に可愛い女神様。

クラナちゃんは最強に可愛い魔法少女


そのように認識いただくと助かります。(やはり、二人の名前を並べると分かりにくいですね。ごめんなさい)


どこの世界でも女神は可愛いですよね。

クナちゃんも可愛い様に書けていれば嬉しいです。


愛雌 雄 宵闇に徒然を感じつつ。(ねみいいいいいい...zzz)

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