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4,新しい朝

4,新しい朝



「私のことは、クラナって呼んでね----」



え?

クラナ?

どういうことなのだうか。

俺が描いていた魔法少女クラナと同じ?

え、じゃあここは俺の描いていた世界----?


いやいや、それだったらソルレさんは居ないもんな。


どういうことだ?---------わかんね。

台所で母さんと夕飯の支度をしながら、今日のことを振り替える。

気がつけば草原にいて、魔法使いの少女に出会って、そいつと家族になった。

現状はそんな感じだ。



大きな問題というか疑念は2つ。


1,ここが明らかに異世界であること。

怪物がいて、魔法少女が居るなんて、現実の世界なはずがない。

夢でないとわかるのは、こんなリアルな夢を見たことがないからわかる。

夢であんなに泣かないし、自分の頬っぺをつねれば痛いしな!

どうして突然ここに来たのか、それと元の世界に帰ることは出来るのか、そこが問題だ。

いくら家族になったからといって、もとの家を放ってはおけない。

父さんが帰ってきて、俺がいなかったら今度は父さんが独りになってしまう。

せめて書き置きだけでも置いておきたいのだが......。

イラストの仕事もあるしな! 最近上手く言ってないけど。



2,何故か俺の描いていたクラナと新しい妹、クラナが酷似していること。

たしかにクラナを表紙として描く予定のラノベは剣と魔法のファンタジーものだ。

しかし、プロットや1~6話を読んでも、ぶよぶよの怪物は出てこないし、少女の母親の名前はルナだし別人だ。

偶然とは考えがたいが、今のところ他に考えは浮かんでこない。

そのうち何かわかるのだろうか。



問題も多いが、お腹が減った。

夕食はカレーかな?

母さんが鉄製の鍋にカレールーやらジャガイモやらニンジンやらをいれてグツグツ煮込んでいる。

鍋は、天井から伸びた紐に吊るされ、空中で小さくプランプランと揺れていた。

鍋の下には薪が敷かれ、そこから伸びる炎によって材料が煮込まれる。

まあ、小さくなった囲炉裏みたいな感じだな。

ちなみに使われている炎は、ついさっき母さんが魔法で産み出したものだ。

......俺にも使えるかな......?




そういえば、クラナのお父さんはいつ帰ってくるのだろうか?

母さんとクラナによって勝手に俺の家族入りが決められた。

そこに、まだ見ぬ父親の意思介入は一切ない。

最悪、逆ギレして追い出されてしまうかもしれないな。

土下座でもなんでもする覚悟で説得するしかない!


と、まぁ夕飯の準備はさっさとすんだ。

母さんの手際がよすぎよため、俺はニンジンを切っただけだった。

その間、クラナは風呂に入っていた。

飯食う前に風呂入るんだな。

俺は断然、飯食ってから寝る前に風呂に入る派だぜ。

まぁどうでも良いけどね!



レトロな木製のテーブルに皿とスプーンを並べ、3人で座る。家族3人で。

久しく食べたカレーは、初めて高級料理店で食べた料理のように旨かった。

なんのこともないカレーだけど、何より3人で食べたのでおいしかった。



おかわりまでして、カレーを口に運び込む。

それなりにデカイ皿だから、既に3皿目の俺はお腹がパンパンだった。

ソルレさんは、さっき泣いていたのはどうしたのやら、既に5皿くらいたいらげている。

スゲーやつダナー、と観察していると、5皿目をたいらげ、6皿目に突入しやがった。

母さんが不思議そうに俺を見て言う。

「あら? マリはあまり食べないのね」

「あはは、お腹いっぱいになっちゃって」

母さんを見て顔がひきつる。

妹はともかく、母さんはもう8皿目でした。

俺が食わない訳じゃねぇ......。

2人が食い過ぎだよ。

そんな会話をしていると、自然と俺の顔が柔らかくなる。

暖かいなぁ。


二人とも、腹が膨れたらしく、カレーに伸びる手が遅くなる。

母さんは21皿目、クラナは16皿目だ。

ちなみに俺は3皿目をたいらげてごちそうさました。



その時、扉が開く。



「ただいま~」

貫禄の感じられるダンディボイス。

紳士服を着た男性が入ってきた。

身長は190cm位あるのだろうか、とてもデカイ中肉長身だ。

ショートの髪型、立派な口ひげ、顎ひげ。

ロシアの作曲家、ピョートル・チャイコフスキーや伊藤博文を彷彿とさせる顔つきをしているイケメン。

クラナと似た顔つきもしているため、お父さんだろうか。

黒いスーツに身を纏、マジシャンの被るような黒い帽子を被っている。

中世ヨーロッパの貴族のような見た目だ。


......?俺が男性の外見的特徴を頭のなかでとらえている間、男性は玄関に立ち尽くしていた。

キイィィィーーパタンっと、男性がドアノブを離した後、ドアはひとりでに閉まる。

「ん、おあえりー」

「むふっ、んふっ、おか、えりー」

母さんと妹は苦しそうにおかえりと言う。

もう食うの止めろよ......。


そんなことの間も男性は直立不動で起立している。

目だけは真っ直ぐ俺を見据えているようだ。


「......? あ、あの」

空気に耐え兼ね、俺が父親に挨拶しようとした時、男性が叫びだした。


「ま、ま、ままま、マリいいいいぃぃぃぃぃっっっ!?!?」


あ、そっか、お父さんはマリのお父さんか。

マリのお父さんは魔理のお父さんで、お父さんの息子はマリと魔理。

oh......。


例のごとく、お父さんも泣き崩れる。

しかし、

俺と母さんで状況を説明すれば、お父さんの方から「息子になりなさい」と言ってくれた。

説明したあとも、暫く泣いてカレーを食べ、 32皿たいらげたいたようだ。

笑うしかないね。


何の迷いもなく、俺を家族に引き入れてくれた。

クラナに似ているな、と思った。


飯の後、クラナに新しい俺の部屋に案内された。

一つ余っていた部屋を自由に使って良いらしい。

夜も更けてきたし、もう寝ることにしよう。


心配事は沢山あるけど、それ以上の暖かさをもらったから。

これから楽しくやれるはずだ。


......zzz



-----------------------------------------



んっ。

「朝か」

カーテンから差し込む日光に目を覚ます。

時計の針は8:20分を指していた。

仰向けで横たわったまま、部屋の中を確認する。

白い天井、20インチのTV、仕事用のオサレな机にPC、多量の本棚と、所狭しと並ぶ小説、漫画、参考書。

男物の部屋で場違いな服装をしている若い女性。

場違いな服装と言うのは、彼女の服装が、キリスト教のシスター服のような、(フードとかついててブカブカのやつね)現代日本で日常的に遭遇するとは到底思えないような服装だったので、場違いだと思いました。


その女の子を仰向けで見つめる俺。

あ、目、合った。

すると女性は顔をパアッと輝かせ、俺に這い寄り、言った。

「おっ早う御座いますっ!! 私、未来から来た女神様です!! かわいいでしょ?」

顔が可愛いのか、服装のことを可愛いといっているのかの判断はしかねたが、まぁ部屋の中に未来人の女神様がいました。

そして、ここは明らかに、昨日出来た家族の家ではありません。

眠い脳内にだんだんと流れ込む現実。

それを理解したなら体が震えた。

わなわなと震えて、思わず叫ぶ。

こ、これ、もしかして、元の世界に......

「も、戻ってるううううううううううぅぅぅぅっっっーーーー!?!?」






(4,新しい朝 了)




こんにちは、こんばんは、おやすみなさい。

新しく小説「目覚めてみれば転生してて異世界で兄として暮らすことになって、魔王を倒すためにお兄ちゃん...頑張りまあああああああああああす!!!」を書かせてもらっております、愛雌 雄 です。(まなめ ゆう と読みます)

今回から、後書きに色々書かせてもらおうと思います。

この場では、読んでくれた皆さんとの心の距離を詰められたらな、と思います。

質問等、コメントは出来る限りのすべてお答えしたいと思っております。


さて、今回が初めて書かさせていただいた小説でございますが、自分の好きな物語を書こうと、日々奮闘中です。

一人でも多くの人に「面白い」なんて思って貰えれば、それが私にとって最上の喜びです。

(全文読んでつまんなかったら「つまらん」でも構いません、感想の一つでも貰えれば、作者は嬉しいです)

これから、めげることなく、自分の大好きな小説を作り出し、それを誰かと楽しめるような人間になりたいです。がんばりますので、応援よろしくお願いします!


*連絡*

現在、書き溜めが10話にまで達しておりますが、誤字脱字が酷いため、毎週日曜日に、1~3本ずつ、新作を投稿したいと思います。(誤字脱字を発見した場合、遠慮無く教えて下さい。嬉しくなっちゃいます)

今回の4,5話は、3話の雰囲気から一転、自分の大好きな女性を登場させました。5話はその女性との絡み回となります。

そして、次の6話以降は、来週の日曜日(5/27)に投稿予定です。是非、是非是非読んで頂きたいです。では、今夜はこの辺で、(5話の後書きにもいます)


愛雌 雄 一人、冷えたグラスに水を注ぎつつ。


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