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THE BLITZ  作者: Forest4ta
チャプター1
5/12

THE BLITZ チャプター1‐第5話:園葉島、PSPC、新崎工業、色んなもの

‐1‐


 灯夜は公園のベンチに座っていた。その上で自分が疑問に思ったこと、知らないことを調べていた。

 それは来たばかりのこの島のこと。この島はなんなのか、PSPCとはなんなのか、あの塔はなんなのか。

 頭にそれの情報を入れずに来たこともあり、知りたいことが山が崩れ落ちるほどあった。

 知りたいことは彼の父、風沙がメールに添付したファイルにあった。そこに園葉島の出来事、事情が載っていた。

 そこでわかったことを頭の中でまとめていた。


‐2‐


 この『園葉島』は古くからあり、存在が知られたのは戦前だった。それまでは太平洋にあり、存在も知られていなかった。何故それまで存在が知られていなかったのかは謎だ。一説では園葉島から流れている特殊な磁気と霧と電波が発見を遅らせていたという。発見時、それらは消失していた。

 戦後の一時はアメリカ軍の中継基地基地という構想もあったが予算の関係上断念された。やがて日本の主権が回復した後、とある鉱物が発見された。その名は『グロンム』。発見した者は後に新崎工業を牽引する新崎疾多。

 『グロンム』の発見によって世界の技術発展が大きく変化した。その技術によって最初に作られたのは世の常通り、兵器だった。

 『グロンム』をエネルギーに使う爆弾が作られた。しかし、使用には至っていない。理由は単純だ。使えば世界を熱くするからだ。当時、冷戦によって世界は冷え込んでいた。その冷え込みを一気に暖め、火も着くほど熱くする熱源になりえたのが『グロンム』を使った爆弾だ。その爆弾はいつの間にか何処かへ封印された。

 

 世界が冷戦で冷え込んでいたが、『園葉島』は着々と発展を続けていた。グロンムの発展とシンクロしてるように。その発展は世界情勢の背景と化していたが、やがて当時の世界情勢の主役である冷戦は終わりを告げていた。

 『園葉島』は背景から主役へと格が上がっていた。技術発展、文明の成長などの中心地になっていたからには当然だ。だが、ある日『園葉島』は変貌を迎えた。ここからは教科書にも陰謀論の書物にも書かれていない。

 

 変貌し、犯罪が溢れかえってきたのは園葉島のシンボルの『塔』が真の姿を見せた頃だ。この島の隠されていた姿。強大な磁気と電波が『塔』から発信されたのだ。

 これによって人々は善意を喪い、狂い、暴走した。『園葉島』には今のところ世界では実現されることはない終末の予言が的中されたのだ。

 

 その電波や磁気は人の性格を凶暴化されたことはもちろんのこと、身体能力を格段に向上された生物と化していた。文字通り、人間のような『モノ』。これは今の『園葉島』にある異能犯罪者の前身だった。

 日本でそれに立ち向かえるのは装備を持つ警察や自衛隊くらいだ。だが、アレらは善意を持っている多くの人からすれば人間だ。自衛隊や警察が国民に銃を向けることは確実に非難の的となるだけだ。

 そこで、政府は極秘裏に『モノ』の駆除を実行。実行したのは『モノ』に対抗するための『組織』。

 もちろん、それは大衆には誰にも知らされていない。教科書に書かれていないことがその証拠だ。

 『組織』は現役/退役自衛官もしくは軍人、傭兵などから構成されている。

 『モノ』に対抗する装備は新崎工業によって製作と支給、人員は政府から支給、必要なものは揃い対抗した。

 結果は灯夜のいる『園葉島』の今の状況通りだ。

 

 では、『モノ』の駆除後はどう復興したのか。園葉島の住民は『モノ』と化し、駆除され、『園葉島』の人口はゼロだったのに。答えは簡単だ、隠蔽。

 「『園葉島』では大規模爆発事故の汚染によって十数年間閉鎖され、住民は疎開。その間、政府が『園葉島』の復興作業を行うことに」ということになっていた。だが、『島』では疎開は行われていない。『園葉島』の住民は『モノ』だったからだ。むしろ、『モノ』と化した住民を『園葉島』から出さないようにするための駆除だったのだ。

 最初こそは風評被害など不信によって住民の増加は芳しくなかったが、数あるうちの国内の中心地に開発し、宣伝することで住民が増えていった。

 

 『組織』はPSPC(民間特殊警察企業)として再編成され、『園葉島』の警察事業を国から引き受けた。民間企業が初めて一つの街の警察事業を行うことになった。民営化された警察ではなく、初めから民間である警察企業によって。

 もちろん、『組織』がそれ以前に行ったことは大衆には知らされていない。

 だが、昔からPSPCは存在していたことになっていた。『組織』は存在せず、昔からあった企業として。

 

 ここまでが教科書に載ることのない歴史。

 一方で、塔の磁気や電波は終末時よりも抑えられた。あくまで無くなったわけではない。『園葉島』の住民全員が『モノ』になるのではなく、犯罪の意識が芽生え、心が悪に染まりかけた時に人から『モノ』に変貌する。

 『塔』のそれらによって『モノ』に変貌する者はやがて『異能犯罪者』と呼ばれ、それらへの対抗もPSPCの仕事になった。

 異能犯罪者やテロリストが蔓延る『園葉島』には当然離れる住民こそいるが街の機能が失われることはなかった。

 

 近年、園葉島を騒がしている『心ある力』とはなんなのか。それについてはファイルには書かれていなかった。

 

 駆除に大きく貢献した新崎工業はグロンムを使用した装備の開発とPSPC用の装開発備を主に取組んでおり、彼らによってブリッツマンが着ているスーツが製作、完成され今に至る。風沙が所属している企業もここだ。

 それ以外にも重火器、車両、PSPC警官の着るスーツなどPSPCが使用する装備全てがここから生まれている。その為、新崎工業とPSPCは人間と睡眠の関係のように切ったら命が絶たれる存在となっていた。

 

‐3‐


 こんなことがあっただなんて驚いた

 

 このファイルを見れば誰だってそう思うだろう。灯夜も例外ではなかった。そこで芽生え。だが、今もたらされた衝撃に比べればなんてこともなく、気にしなかった。というより、頭が気にすることを無意識に拒否した

 ファイルを読む余裕があったのは電話があった後に行くにはかなりの暇があったからだ。そのため、風沙は灯夜に時間つぶしとしてそのファイルを与えた。

 風沙の勤めている新崎工業の研究所へ向かう時間となった。

 灯夜はそれに向かう車に乗り込んだ。その車は派遣されたタクシーだった。灯夜の予想ではPSPCか新崎工業の持つ高級車での迎えと勝手に思っていたので面を喰らっていた。

 

 「まぁ、そういうこともあるよな」


今回ほとんど追加シーン無いことを申し訳なく感じる作者のツイッターアカウント→

@Zebra_Forest(https://twitter.com/Zebra_Forest)

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