03 ある雨の朝
まだ異世界に行けない・・・
その日は昨日からの雨がまだ降り続いていた。
大ぶりではないものの冬の冷たい雨がアスファルトを濡らしていた。
まだ暖房をつけていない部屋は寒かった。
家中がひんやりとしていて、
これはそのうち雪でも降るのだろう。
そう思いながら、朝食を食べた。
何ら代わり映えのない日だった。
特別なことと言えば今日から長期休暇だということくらいだ。
厳密に言えば明日からということになるが、
今日、学校は午前中で終わりだ。
ということは、午後からは晴れて自由の身だ。
さて、折角の休日だ。
少し遠出でもしてみようか?
遠出といっても徒歩で行ける範囲である。
俺は路地とか、裏道、近道というのが結構好きなのだ。
そういうところでふと見つけたものを写真に撮ったりする。
と言ってもスマホのカメラだけれど。
良いカメラがあったらとも思うのだが
それほど金に余裕は無い。
少し貯めたくらいではコンパクトカメラしか買えない気がする。
せっかく買うなら安くても一眼とかのほうがいいのかも?
カメラに詳しいわけではないし、
将来お金が貯まったらでいいか。
それまでスマホで腕を磨くとしようか。
もともと何で撮るとかに拘りはないのだ。
弘法筆を選ばずとも言うし。
負け惜しみではない。
いや、待て。バイトするって手もあるのか。
そんなことを考えながら学校への道を歩いた。
雨の日も悪くはない。
晴れの日とは違う写真が撮れるし、なんか落ち着く気もする。
今日は当番の日だ。
学校は午前中までなので、
図書室を開けるのは朝だけ。
こういう日でも人は来る人は来るのだ。
常連さんである。
早速守衛さんのところへ鍵を受け取りに行く。
「おはようございます。
図書室の鍵を受け取りに来ました」
「おはよう。はい、鍵。ここにサインしていってね」
管理が雑に思えるが
この学校でこういう鍵を使っているところは少ない。
ほかは近代化している。
「名島君、おはよう」
図書室に向かおうとすると後ろから声が掛かった。
「あぁ、おはよう、高月さん」
「名島君のほうが早かったね」
「結局いつも、高月さんに任せてばかりだし、
最後くらいはね」
「今日は写真撮ってなかったの?」
「今日は休みのプランを練ってたんだ」
「へぇ、何するの?」
「え〜っと、ちょっと路地でも巡ろうかと・・・」
「路地?」
話しながらも図書室へ向かう。
常連さんがもう待っているかもしれないし。
おっと、もう来ているようだ。
「おはよう、待たせたか」
「いや、いま来たとこ」
こいつは俺の友人でもある。
毎日よく来るものだ。
以前聞いたらこの建物の雰囲気が好きらしい。
確かになかなか趣のある建物である。
同じ頃建てられた旧校舎自体は
もう取り壊されてしまったらしく残っていない。
この図書室だけが何故か残された。
長い年月が経っているはずだが
まだ使えるのだ。
昔の人はいい仕事をしたね。
なんて考えているうちに朝の時間は過ぎていった。
どうも地の文が多い
会話を増やしたいです。