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ミッションプリンセス  作者: 雪ノ音
2章 王族の役目
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+0.5 メイドの仕事

今回は、ある方の日記のような物です。

Sの方むけです。Mの方も場合によっては?

 ようこそ、メイドの園へ。


 私はナナカ姫様の館で働いている、メルって言います。

 栗色の髪のポニーテイルと栗鼠のような瞳が特徴の”かわいい女の子”です。

 ここ大事だからもう一度。

 かわいい女の子です。

 もう一回言って……おかなくても見れば納得して頂けますね。

 私とした事がなんて無駄な事を繰り返したのか。

 次へ行きましょう。


 現在、この館で働くメイド達は8人。

 貴族出の方も居れば、有力商人の子供もいます。

 私も貴族の娘ではあるのですが下位貴族の三女と一般の人に毛が生えた程度。

 働かなければ生きて行けないレベルなのです。

 今は運よくここで雇って頂いており、メイドやってます。

 メイド長以外は全員が6ヶ月前からここで働くようになった同期でもあり、ちょっとした学校に通っている気分でもあります。3ヶ月前に王都から、ナナカ姫様が眠り姫のままで運ばれてきてからは、私たちがお世話をしておりました。


 最近、その眠り姫と言われていた姫様がようやくお目覚めになり、私たちのお仕事もやりがいが出来てきました。寝ている時の姫様は、それはそれは愛らしい寝顔のお人形の様で悪い気もしないのは事実でしたが、お人形の着せ替えやお世話をしていて楽しいのは子供だけ。私たちメイドにとっては物足りないのはしょうがない事です。


 ですがあの日、遂にナナカ姫はお目覚めになりました。


 初日こそは起きて、またすぐに寝ちゃって、実は起きたのは幻で本当は一度も起きていないんじゃないかと、メイド達の間でも大きな話題になったものです。


 翌日の朝。

 部屋へと赴いたときに、幻だったかもしれないという話題は消えました。

 まちがいなく姫様は起きていたからです。

 ただ、着替えのお仕事に入る時のナナカ姫様の必死の抵抗する小鹿の様な、あの視線は私たちメイドの心に大きな電撃を落としました。


 心に湧き上がる……「あああ、食べてしまいたい」という衝動。

 蛇の様な視線で見つめる私達と一言の後押しをしたメイド長の行為で陥落した時の、あの姿……。


 あああああああああっ!

 ついつい顔に熱を帯びてしまいました。

 

 その後の着替えのお仕事中の皆さんときたら、メイド……いえ、女性……いえ、焦らされた殿方の様に本心を隠す事のない笑顔で、それはそれは楽しそうにお仕事を致しました。


 えっ? 私? もちろんメイドとして、しっかりと『お仕事』を致しました。

 楽しんで仕事をする事は周りも楽しい気分にさせるとメイド長に教えられましたもの。間違いがあるわけがありません。きっと、姫様にもご満足頂けたと確信しております。他のメイド達からは悲鳴が聞こえたとの噂もございますが、もちろんあれは歓喜の声に決まっていると当時の私を含めた3人で意見が一致しております。問題はないでしょう。


 ちなみに下着の選択は私が自信の逸品である、姫様にお似合いになると思い秘蔵しておいた、殿方達の間で言われる白と青の『縞パン』と言う物を準備したのです。ええ、お姫様も間違いなくお気に召したはずです。


 その勝負下着? 間違いじゃないわよね? そのおかげもあり、勇者を前に大立ち回りを見せたとか何とか。このメルの選択に間違いはなかったようです。


 問題が起きたのは、その夜でした。


「ナナカ姫様のお世話は私が!」

「姫様を一番可愛がっていたのは私よ!」

「ナナカさま~~~萌え~♪」


 朝の仕事の報告はメイド達の目の色を変えるだけの効果を持っていて、ナナカ姫様のほんのりと頬を染めて照れるような仕草は年頃の女性たちを熱狂させる何かがあったようです。


 みんな、私たちがお仕えすべき主を「可愛い」とか「萌え」とか、全くもって心構えが出来ていません!

 私? 私はナナカ姫様に尽くしたいだけです。あの喜びの声を聴きたいだけです。ええ、全く下心なんてありませんったら、ありません。あるわけがないのです。


 その盛り上がるだけ盛り上がった女の宴は、あるイベントに期待したメイド達の欲望の暴走へと繋がろうとしていました。


 イベントのキーワードは浴室……つまり入浴タイムです。

 3か月間、体を拭くだけに終わっていた姫様を本格的に綺麗になって頂くための必須のお仕事。すごく大事です。争奪戦というレベルで終わるわけがありません。


 とにかく、その入浴の「お仕事」の取り合いは始まったのです。私は譲る気は……いえ、メイド長から最初に指示されたのは私ですから確定なのです。「3人でやるように」と。残り2つの席。競争率はマックス。メイド達の目は真剣マジです。言葉の争いから次の段階に進むのは時間の問題かと思われました。


 ですが危なく、そうなる事はありませんでした。

 怪我人が出るまでならなかったのは途中でメイド長がメイド待機室に顔を出したから。メイド長が怒ったら、それはそれは口にするのも恐ろしい事になります。争いなど続けられるわけがありません。結局はじゃんけんで決着がつけられました。最初からそれが一番だったのかもしれません。


 メイド長の恐怖で抑えられてしまえば、その後は早いもので部屋へとお迎えに行き、お風呂を嫌がる姫様に「仕事なのです」と詰め寄りました。


 これはメイド長から


「お風呂を嫌がるのは子供にはよくある事です。多少手荒になっても構わないので必ず入れなさい」


 と指示を受けたからの行動。責任には問われなはず。手足を小鳥の様に振る姫様を布団で包んで、お風呂へと直行するしかないのです。もちろん、これは誘拐ではありません。多少強引に誘導しただけだと認識しております。ええ、何も問題は発生しておりません。これが私達のお仕事なのですから。


 メイド達には笑みしか見られなかったと風の噂で聞いた貴方。しーごーとです!

 心の中では「ごめんなさい」と繰り返していたのですよ。笑みは仕方がないのです。仕事は楽しんでやるものですから♪


 お風呂まで運んでしまえば、3人の大人を相手に「無駄な抵抗」だと分かって頂けたようで、まな板の上に乗せられた鳥? 羊? 竜? とにかく大人しくして頂けました。


 もちろん姫様だけを裸にして孤独な思いをさせるわけはありません。私たちもひと肌脱ぎました。その時の姫様と言ったら、大人の魅力にあてられたのか、熟れた果実の様に真っ赤になって、それはそれはかわ……いえ、仕事です。


 姫様のお召し物と、あの縞パンを剥ぎ取るようにっ……いえ、メイド達は見事なスピードで仕事を終えました。真っ赤だった姫様も色を失ったように真っ白になったのは落ち着きを取り戻されたからだと推測する私の推理は見事だと褒めてもらいたいものです。


 しかし浴室に入り姫様の体を洗い始めた私たちの仕事に、残念ながら姫様からお褒めの言葉を頂く事は出来ませんでした。念入りに洗う私たちが仕事を続ける中で姫様は「ひっ」「あうっ」「あああっ」と呻き声を上げるばかりでした。


 私たちのサービスが足りなかったのでしょう。

 今回の事は次回の課題とします。

 子供の肌は敏感な為、次にお風呂のお仕事の際には「丁寧に」「ゆっくり時間をかけて」「隅々まで」綺麗にして、私の満足できる≪納得の声≫を頂こうと心に誓いました。


 私達の仕事を言葉では褒めて頂けなかったものの、湯上り後はぐっすりと眠られたようで、そのことについては十分に役目を果たせたと満足しています。おかげで、これからも質の高い仕事で姫様の為に尽くそうと、メイド達の間でも結束は高まりました。


 そして3日目の朝。

 今日も着替えのお仕事が始まります。

 ナナカ様が目覚めてからは、この仕事も入浴の件と同じく取り合いになり、治まりを見せない為にメイド長から交代制にする事と、1人追加の5人での作業にあたるようと指示され、現在その5人が姫様の部屋の扉の前に揃いました。


 え? 交代制なのに、なんで今日も私がここにいるか?

 それは今日の着替えの仕事をする予定だった1人が作業着ともいうべきメイド服のニーソックスが見当たらないと待機室で探し回っているからです。仕方がなく、このメルが変わってあげたわけです。感謝してほしいものです。


 こうして、ナナカ姫様の喜びの声は今日も館に響いたのです。

 メルの記録は以上です。







 あれっ? 私のポケットから誰かさんのニーソックスが落ちそうになっている。危ない危ない……

満足です。かなりの楽しんで書きました。Sの気が私にもあるのかもしれません。

2015.9.6

描写と表現の変更修正と「メイドのメルを強化」致しました。これ大事です。

ナナカ姫の気持ちは他所へやっておきます。

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