男の子
「空様、連れて来ました。」
ロコさんはそう言うと消えてしまった。
「え?ロコさん?」
僕は周りを見渡したがロコさんはいなかった。そのかわり、空色の髪の僕と変わらないくらいの男の子が立っていた。でも、なぜかほんの少しだけ懐かしい感じがした。
「こんにちは。」
男の子はにこっと笑って言った。
「久しぶりだね。時世。」
「・・・・誰?」
「さすがに忘れちゃったか・・・。」
僕が懐かしいと思ったのに関係あるのかな?でも、こんな子だったら覚えてるはずなんだけどね。
男の子の黒い瞳が一瞬悲しそうに僕のことを見た。だけど、ほんの一瞬ですぐに戻ってしまったからそれが本当か僕には分からなかった。
「じゃぁ、はじめまして。僕は空。君を異世界に連れて行く者だよ。」
「そ・・ら・・?」
この人がロコさんの言っていた空って言う人か。でも、僕とあんまり変わらないよね・・・・。
空と名乗った男の子はにこっと笑い僕に手を差し出してきた。僕はそっとその手をとって握手した。
「・・・ねぇ、今から行くところってどんな世界なの?」
僕はふと思ったことを空に聞いてみた。
「そうだね・・・・・。短く言うなら残酷な世界だけど綺麗な世界。」
空は悲しそうに言った。
「残酷だけど綺麗な世界?」
「うん。」
僕は意味が分からなかったがあまりにも空が悲しそうなのでそのことを聞くのをやめた。
「さてと、そろそろその世界について詳しく説明するよ。」
そう言うと、空はさっきの表情が嘘みたいにもとの表情に戻った。
「うん。」