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空間

僕はしばらく泣いていた。だってこんなに僕のことを思ってくれていたなんて思ってなかったんだもの。それに僕をこんなに思ってくれている家族と離れるのがつらかったんだ。でも、僕は一回言ったことを変えることはしない。だから、今後もう少しだけ泣かせて。


「おいおい・・・。なんだか俺が泣かせたみたいじゃねぇかよ・・・。」


兄さんは苦笑いをして言った。


「だっ・・てぇ・・・・うれ・・しかった・・んだ・・も・・ん。」


僕は途切れながらもそう言った。兄さんはそんな僕を見て頭をくしゃくしゃに撫でた。


「ま、泣きたいときは泣けよ。俺は泣きやむまでここにいるからよ。」


「う・・・ん・・。」


僕はこのときがとても幸せに感じた。










あれからしばらく経ち僕は泣きやんだ。そして兄さんに

「ありがとう。」

とだけ言うとお母さんとお父さんに

「行くよ。」

といいに言った。お母さんとお父さんは

「そうか・・・。」

「行ってらっしゃい。」

と言ってくれた。僕は今日行くことにした。これ以上ここにいるとなんだか行こうと思えなくなってしまいそうだったからだ。僕は荷物をまとめた。といっても小さい鞄の中に大好きなオルゴールと写真と青い箱を入れただけだ。洋服とかは向こうでどうにかなるだろう。


「じゃぁ、行ってくるね。」


「あぁ。向こうでも気をつけるんだぞ。」


「うん。」


「無理しちゃ駄目よ。」


「うん。」


「ちゃんと帰って来いよ。」


「分かってるよ。じゃぁ、行ってきます!!」


僕はそういうと公園に向かって歩き出した。さよならは言わない。だってここに帰ってくるもの。公園に行くのはなんとなく。僕が行きたいから。こう思うとやっぱり人間って自分勝手なんだと思う。僕がそんなことを考えている間に公園についた。


「人が一人もいない・・・。」


僕はポツンと言った。でも、それもそうだ。もう夜なんだもの。僕はいつもの大きな木に登ると指輪を取り出して指にはめた。すると、いきなり目の前が真っ暗になった。


「ここどこだ?」


僕は周りを見渡してみたがどこも黒黒黒・・・・。全部真っ黒だった。


「お待ちしていました。時世様。」


ふと、後ろから綺麗なソプラノの声がした。僕は振り返ってみるとそこには水色のワンピースを着た綺麗な女の人がいた。髪は黄色で輝いているようにも見えた。


「貴方は誰ですか?」


僕は恐る恐る聞いてみた。女の人はにっこり笑って言った。


「私には名がありません。空様は私のことをロコと呼んでいます。」


「じゃぁ、僕もロコさんと呼んでいいですか?」


「ご自由にどうぞ。」


ロコさんはまたにっこり笑った。でも、なぜか悲しそうだった。それになぜか僕はその笑いが偽者だと思えた。


「どうかなされましたか?」


ロコさんは僕の顔を覗き込んだ。きっと僕はロコさんをじっと見ていたのだろう。


「いいえ。何でもありません。」


「そうですか。では貴方を空様のところに連れて行きましょう。」


ロコさんがそういうと真っ暗だった空間が白に変わった。




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