表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/34

第三三話

 ◇◇◇◇




「おぅ。久し振りだな」

「おぉ?親方?なんでいんだよ?」

「てめぇが情けないから助けてやってくれってな」

「けっ!情けねぇ訳ねぇじゃねぇか!」




 久し振りに親方と再会した。情けねぇことはねぇが... ...正直、迷いが生じているのも確かだ。




「おぅ。てめぇ、らしくねぇな。迷ってんだろ?」

「... ...分かるか」




 駆け出しの頃から面倒見てもらってるからな。親方なら、俺の迷いも解消してくれるかもしんねぇ。




「俺... ...最近、戦いに飽きてるみてぇなんだわ」

「ほぅ。病気みてぇに戦いが好きな、てめぇらしくはねぇな」

「なんつーかな。こう燃え上がる感じじゃねぇんだよな」

「てめぇ、余計なことごちゃごちゃ考えてんじゃねぇか?頭よくねぇんだから、余計なこと考えんなよ」




 そう言われてもな。俺だって考えることはある。例えば... ...あれ?俺、なに考えてんだ?




「てめぇ、まさか... ...」

「なんだよ!」

「何も考えてねぇんじゃ... ...」

「... ...」

「... ...馬鹿か、てめぇ」

「... ...おぅ」




 これは参ったぜ。俺の頭ん中、すっからかんじゃねぇか!




「てめぇ、何で戦いに飽きてんだよ」

「おーい!それ分かったら悩まねぇし!脳ミソ詰まってますか~?」

「ああ!うるせぇなてめぇ、童貞のくせに!」




 久し振りの殴り合い。なんだかスッキリしたぜ。




「てめぇ、鬼騎士(オーガナイト)の設定見せてみろ」




 お互いスッキリしたところで、親方から真面目な話が出てきた。







 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 鬼騎士(オーガナイト)データ

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◇機体名◇kh00003

 ◇身長◇178

 ◇体重◇150

 ◇剛 柔◇

 →剛  ■□□□□

 →柔  ■■■■□

 ◇筋 力◇

 →胴  ■■■■■■

 →腕  ■■■■■■■■■

 →脚  ■■■■■■■■■

 ◇速 さ◇

 →機 敏■■■■■■■■■■■

 →加 速■■■■■■■■■■■

 →最 大■■■■■■■■■■■

 →反 応■■■■■■■■■■■

 →伝 達■■■■■■■■■■■

 ◇性 能◇

 →耐 久■■■■■■■■■

 →持 久■■■■■■■■■

 ◇感 覚◇

 →視 覚■■■■■

 →聴 覚■■■■■

 →嗅 覚■■□□□

 →味 覚■■□□□

 →触 覚■■■□□

 →知 覚■■■■■■■■■■

 ◇特 殊◇

 →勘

 →飛耳長目

 →窮鼠噛猫

 →自己修復

 ◇状 態◇

 →異常なし

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




「おい... ...」

「... ...なんだ?」

「てめぇ... ...なんだこのひ弱な設定は!!!!!!」




 突然怒鳴るなよ、うるせぇ!




「何がひ弱ってんだよ?」

「てめぇ、今でも速度特化って言い張るつもりじゃねぇよな?」




 言われてみれば、多少、速度に比重を置いてるが、特化と言う程ではない。




「特化じゃねぇけど、何が悪いんだ?」

「てめぇ、今使ってる武器は、旋棒(トンファー)か?」

「あぁ」

「てめぇ、最近、全速力で戦ったことあるか?」

「ねぇな」

「何故だ?」

「全速力じゃなくても敵を倒せるから」

「何故だ?」

「筋力付けたからじゃねぇか?」




 よく分からねぇが、筋力を上げ始めた頃から、攻撃力がアップしてきた。ミノさんにも通じるようになった。間違っていたとは思えねぇが... ...




「てめぇの信条は?」

「... ...え~と、何でしたっけ?」

「... ...速度を攻撃力に替えること」

「そうそう。それそれ」

「馬鹿なてめぇに言っても分からんだろうが、てめぇの旋棒(トンファー)は、最大速度で叩き込んでこそ意味があるんだよ。てめぇの速度、てめぇの体重、遠心力、それらを全て乗っけてこその武器だ」




 親方、歳だな。歳とると話が長くなっていけねぇ。




「親方、簡単に言ってくれ」

「てめぇが気持ちいいって思える鬼騎士(オーガナイト)に造り変えてやる」




 ◇◇◇◇




 鬼騎士(オーガナイト)の再セッティングはかなりポイントを消費した。当然、サーラにも反対されたが、親方と一緒にサーラを押しきった。




「なんでぃ。てめぇ、オーガナイト相手に童貞喪失狙ってんのか?」




 その際、見事に親方にバレた。親方、表現がストレート過ぎますから。


 で、出来上がった鬼騎士(オーガナイト)への初騎乗。


 一言で表すと、




「うおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!」




 って感じ。速すぎて制御しきれず幹に体当たりしそうになるし、ミノさんの正面から突撃しちゃうし、大変だった。


 だが、やはり、これこそが俺なんだろう。




「なんぴとたりとも俺の前は走らせねぇ!」




 そう言えば、最近、マンダ、ドラグに先行させてた気がする。そんなの俺じゃねぇ。




「らぁっ!」




 全速力で走り抜け、旋棒(トンファー)を振り抜く。


 パァッッッン!と破裂する音を後方に置き去りにして、次の獲物へと突き進む。


 そうだよな。血飛沫浴びるとか、体液浴びるとか、高速機動を信条とする俺にあっちゃいけねぇ。




「うおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおお!」




 一際大柄なモンスター。ミノさんの進化版だ。こいつに通用する攻撃なんて

 ねぇだろ?と少し前の俺なら思ってたよ。こいつの硬い皮を突き破れねぇ。


 だが、俺の旋棒(トンファー)。本来は打撃武器だ。俺の体重、旋棒(トンファー)自体の重さ、旋棒(トンファー)の回転力、それに最高速度を乗せた一撃は、皮の上からでも内部に浸透する。




「らぁっ!」




 すれ違い様、ミノさんに渾身の一撃を食らわす。俺の右手には重い感触が残り、旋棒(トンファー)に震動が残る。


 振り向くと、ミノさんが片膝を着いている。そうか、俺の攻撃は通じるのか。


 攻撃力について、親方が難しいことを言っていた。運動エネルギーってのは、速度の二乗がどうのこうのと。俺は難しい話は分からねぇから聞き流したが、俺の旋棒(トンファー)は、俺の速度を攻撃力に替えるものなんだって。難しいね。


 俺が気持ちよく疾走していると、その俺に並ぶ影。


 この森で唯一、俺のスピードに付いてこれるモンスター。銀毛狼(シルバーウルフ)。こいつは、灰色狼(グレーウルフ)と違い、いつも単独行動をとっている。速すぎて追い詰められないし、追い付けなかったから、今までこの近辺では狩ったことがなかった。


 だが、今の俺なら。




「らぁっ!らぁっ!らぁっ!」




 二発空振り、三発目がヒット。だが、そんなんじゃ倒れないのが、この狼。最高速度を乗せた一撃が放てないのも問題だ。


 少しずつ動きを鈍らせ漸く仕留める。




「うおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおお!」




 勝利の雄叫びだ。俺がこの森で最強!最速!俺がナンバーワン!気持ちいいぜぇ!




「キング、なんか楽しそうだな」

「琥珀殿、吹っ切れたみたいでござる」




 この日から、俺たちの快進撃が始まった。




 ◇◇◇◇

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ