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第二六話

 ◇◇◇◇




「では、改めて皆に一言」




 皆の注目が集まるのを待つ。




「てめぇら、全員、俺の下僕だーーーー!ひゃっはっーーー!、ー!」

「くたばれ、クソ変態童貞キング!」

「近寄るな、ワイセツ物!」

「死ねシネ死ね!」

「そうだ!死んでくれ!」

「くだばって欲しいでござる」




 う~~~ん、みんな、いい顔してるぜ!




「よーしよしよし。みんな心配すんな。平等に可愛がってやんぜ~!」

「外道だ外道!」

「最悪最低ね!」

「タマ潰してやる!」

「男色なのか!?」

「愛は結構でござる!」




 わっは!わっは!楽しいね~!


 俺は賭けに勝った!俺が王様だ!王様ゲーム万歳!




「最初はどっちからにするか選ばしてやんぜ?リナ、アリサ、どっちからがいいんだ?優しくしてやっからよ!」

「うわっ!童貞なのに、童貞のクセに上から目線!何をどーするかも分からないドーテーオーなのに!」

「あんたなんか、自分の手で十分よ!」




 おー、おー、なんとでも言え。可愛がってやるからよ~。




「でも、あたし、賭けに乗ってないから。大丈夫だけどね」

「あっ!そう言えば私もだった」

「俺も」

「拙者も」

「あーそう言えば、俺もだったな」


「てめぇら、往生際がわりぃな」

「いや~、騎士は契約が命よね!契約書も何もないし、強制力皆無よね~~~♪」




 なんだと!?俺の命懸けの特攻はなんだったんだ?俺の、俺の、俺の童貞がー!あっ、童貞脱却がぁーー!




 ◇◇◇◇




「おう。シケたつらしてんぞ」

「おう」

「辛気くせぇな。近付くなよ」

「うっせぇ!巨根魔神が!」

「て、て、てめぇ!」



 ...


 ...


 ...



 あの時の喧嘩で、親方にも二つ名が付いた。「巨根魔神」。まぁそのままだ。親方の名前を知らないヤツでも二つ名は知っている。ある意味、あの時の喧嘩で俺以上に有名になったからな。


 で、その事が切っ掛けで俺らは、ことある毎に喧嘩。それも本気の殴りあい。だが、俺らは成長している。




「何ごとですか!」




 職員が駆けつける頃には二人ともなに食わぬ顔。




「おう、なにもねぇぞ」

「おう、何もねぇ。とっとと失せろ」




 訝しげな顔をしながら渋々失せる職員。




「おう。てめぇ、世の中で大騒ぎになってんぞ」




 何がだ。心当たりがありすぎる。




「短小包茎ってな。わりぃ、うそだ」

「けっ、あんなアナコンダと比べたらミミズだぜ」

「... ...そうじゃないな。よし。素直になろう」




 な、なんだ?もしかして、親方、俺に告白?ずっと前から好きだったぜ、とか。こ、こえ~~!




「おめでと」

「あ、ありがと」




 そうだな。そう言えば、俺ら後期のチーム対抗戦で優勝したんだったな。しかも、俺、チーム対抗戦の撃破数第一位でMVKモスト・ヴァリアブル・ナイトに選ばれた。更に、前期後期合わせて総合優勝だったな。そういう面では輝かしいが。


 どっかの雑誌がやってる、なんでもランキングで1位を総なめにしたな。童貞っぽい男・第一位。外道・第一位。結婚したくない・第一位。恋人にしたくない・第一位... ...なんか、他にもあったと思うが、覚えてねぇ。


 あまりにも輝かしい過ぎて泣けてくるな。


 それもこれも、目の前のこいつが!!!まぁ、親方も反省してんのは知ってるかんな。親方だけがわりぃ訳でもねぇし。




「てめぇ、来年からランクBだな」

「あ~、その事なんだけどよ... ...」




 俺は、運営から特別休暇を言い渡された。いい面でも悪い面でも世の中を騒がせ過ぎたとかだ。まぁ主に悪い面なんだけどな。


 で、何故か知らねぇが、契約主(オーナー)からは契約続行を申込まれ、試合に出ねぇが契約金は貰えることになった。


 んで、更に、運営からは、特別トレーニングセンターでの訓練を言い渡された。そこで条件をクリアすると、なんと、ランクAで再デビューさせてくれるらしい。失敗すれば、ランクBかランクCとなるそうだが。


 細かいルールやら、条件とかはまだ知らねぇ。面白そうだとは思う。裏がありそうだけどな。




「ほぅ」

「なんだよ、もっと驚くかと思ったのに」

「てめぇも選ばれたんだな」

「はっ?」

「期待されてるってことだ。まぁ、頑張れよ」




 ◇◇◇◇




 特別トレーニングセンター。俺は知らなかったが、親方は知っていた。期待されてる騎士が使うと言うか、ここに籠ると言うか、監禁されるらしい。


 俺としては早くランクBで暴れたいのだが、なかなかいい条件もあるようだ。


 運営から使いの者に車で送られ、その特別トレーニングセンターに足を踏入れた。


 出向いたのは、若くてスレンダーな女性。金髪ストレートで、碧眼。顔は整い過ぎている。何処か不自然な笑顔だが。こいつは... ...




「初めまして、葉月(はづき)琥珀(こはく)様。当センターでのナビゲーターを勤めさせて頂くサーラと申します。どうぞ宜しくお願いします」

「あぁ、どうも。琥珀です。宜しくです」




 超美人!ありがとうございます!ブスより美人の方が良いに越したことはない。テンションあがるぜ!




「では、早速、当センターの説明を... ... ...」




 来たよ。なげぇよ。もっと簡単にやってくれ。




 このセンターでは、パブリックスペースと呼ばれるスペースと、プライベートスペースと呼ばれるスペースがある。


 パブリックスペースは、自由に使用可能。食事、娯楽、リラクゼーション等の施設がある。


 プライベートスペースは、生体認証で、各々決められたスペースに転送される。へぇ。


 各施設は専用のカードで利用でき、お金の代わりにこのセンター内独自のポイントで支払われる。そう。


 ポイントは、トレーニングの成果によって付与される。一日に必要になる飲食等、必要最低限のポイントは、毎日付与される。ふーん。




「ちょ、ちょっと待って、サーラ。情報多過ぎ!覚えらんない!必要な情報だけにしてくんね?」

「はい。どれも必要な情報かと思われますが... ...」

「じゃあ、あと1分だけで説明出来る分でお願いします!」

「畏まりました、琥珀様」




 解放されているバトルフィールドは、森林フィールド。フィールドには複数のモンスターが配置されている。モンスターは、種類、レベルによって撃破ポイントが設定されている。フィールドには拠点が設置されており、拠点からの距離に応じてモンスターのレベルが強化されている。


 使用する鬼騎士(オーガナイト)は、最終戦で使用したもの。整備は当センターの専属技師が行う。性能強化、特殊能力付与はポイントによって付与される。




「終~~了~~!1分で詰め込み過ぎだから!」




 ◇◇◇◇

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