第二五話
◇◇◇◇
「皆の者、時がきた」
時が満たされた、の方が良いかな?まぁ、置いておいて、皆の注目が集まるのを待つ。おい、アリサ。なんだその冷めた目は?
「今日こそ我らの恐ろしさを愚民どもへ見せてやれ」
「...」
「...」
「...」
「...」
「...」
ノリ悪いな、みんな。分かってんのか?
「お前ら、今回の試合がどんな試合だか分かってんのか?」
「最終戦」
「そうだ!優勝の懸かった大一番だぞ?」
「知ってる」
なんだ、アリサ分かってんのかよ。
「お前ら、テンションが低すぎ!テンションマックスで行くぞーーーーーーーー!」
「おー」
「おー」
「おー」
「おー」
皆、棒読み。若干一名は声も出してない。
「マンダ、どうした?」
「せ、拙者、緊張するでござる」
緊張?もしかして、皆、緊張してテンション低いのか?
「お前ら、柄にもなく緊張してんのか?」
「してないわよ」
「してないし」
「してないな」
「する訳ねえ」
「別に強がらなくていいぞ?気負わずに、いつも通りでいいぞ」
「気持ち悪!」
アリサ?俺が皆をいたわるのって気持ち悪いの。へぇ~。
「ただし、一つだけルールを課す」
「?」
「一人一殺か?」
少し溜める。いいか、てめぇら!
「キングを討ち取った者が俺らの王様だ!王様は、それ以外の五人になんでも一つだけ言うことを聞かせられる!王様ゲームだっ!!!」
「もしかして... ...あんた、それで童貞脱却を狙ってる?最低ね。あっ変態ね」
「童貞キング、男色、変態、猥褻物陳列キング... ...俺らのキングがこれだとテンション上がらねぇよな」
ご、誤解だよ?一部はホン...そっか、それで皆のテンション低いのか... ...
「っざっけんなーーーーーーーー!てめぇら、自信ねぇやつは賭けから降りやがれ!降りるヤツは回れ右だ!回れ右!」
暫く待つが誰も回れ右をしない。全員賭けにノッたってことだな。
「あたしが王様になったら、童貞キングはすげ替えね」
「回れ右とか、ホント餓鬼だな。いや、童貞王か」
「開始!」
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
泣いてなんかない。心の汗がちょびっと流れただけだ。
一直線に森を目指す。クソったれ!俺が王様になったら、ホントに犯してやるかんな!男どもも同じだ!てめぇら、ケツの穴ヒーヒー言わしたるかんな!初めてだけど... ...みんな、優しくしろよな!
「うおぉおらあぁぁ!」
テンション上がってきたーーーーーーーー!
「らぁ!」
邪魔な枝を叩き折りながら、直進する。
前方になんらかの気配を感じるが無視だ、無視。俺の狙いは一番奥に居るキングだけ。
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
待ってやがれ!クソったれキング!俺の童貞の為に首を差し出しやがれ!いや、俺の童貞脱却の為に!
俺の童貞の為にとか、永遠に童貞貫くみたいだな。
見えた!
森を抜けた草原に、狙撃手二人を引き連れた全身鎧!事前情報の通りじやねえーか!情報様様だぜ!
銃弾を掻い潜り、全身鎧に接近!
狙撃手二人が武器を持ち替え近接戦闘に備えるのが見えた!
だが、テンションマックスの俺には屁でもねぇ!
「らぁ!うおぉおらあぁぁ!」
鮮やかに二撃で、狙撃手二人の首を飛ばす!
「うおぉおらあぁぁ!」
全身鎧に渾身の一撃を叩き込む!
弾かれた!
邪魔な大楯だぜ!
だが、それが命取りだ!
俺は接近すると、大楯に隠れ、背後に回り込む!
両手で頭を挟み込み、足払い!
うつ伏せに倒し、蹴りを入れ、首を掻き斬る!
「うおっしゃーーーーーーーーーーーー!」
討ち取ったりーーーー!
...
あれっ?
終了の宣言がないじゃないか!
「てめぇ!キングじゃねーのかよ!」
クソったれ!騙しやがった!んなことするか普通?
大慌てで、森へと踵を反す。
何処だ!何処にいやがる!
いや、探すのはヤメだ!
「出てこいやーー!」
てめぇらが来やがれ!俺は逃げも隠れもしねぇ!早く出て来やがれ!
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
森の入口で吠える。俺はここだ!
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
さっさと来やがれ!
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
あーっ!待ってらんねー!遅すぎる!遅刻だぞ!
仕方ねぇ。俺が探し出してやる!待ってやがれ!
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
森へと突撃した。
...
...
...
◇◇◇◇




