表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/34

第二一話

 ◇◇◇◇




 近付くと相手が見えてきた。一人は革鎧に双剣、もう一人は軽鎧に槍。二人ともスピードと攻撃に特化させたのだろう。


 相手も俺を発見し構えをとっているが、構わず突撃する。


 同時に二人を相手にするのは苦しいだろうから、先ずは懐に潜り込み易そうな槍持ちからだな。



 左右に体を振ってフェイクを入れながら、槍持ちとの距離を詰める。双剣使いに攻撃され難いような位置取りで、槍持ちへと向かう。


 鋭いなぎ払いの一撃が迫る。


 僅かなバックステップで避け、鋭く前に。


 相手は強引に返しのなぎ払いを仕掛けるが、強引過ぎる。速度がかなり落ちたなぎ払いが到達する前に更に距離を詰め、すれ違い様に、槍持ちの頭部側面を掌で叩く。


 俺を追い、振り返る槍持ちだが、振り返りながらその場に倒れる。頭上の生命力(HP)はほぼ満タンのままだ。


 双剣使いの顔が歪む。相方が何をされ倒れたのか分かっていない。


 いいね。それが恐怖だ。種明かしはなしだ。未知の謎に恐怖するがいい。


 左右の腰から旋棒(トンファー)を抜き、構える。


 双剣使いは明らかな警戒の表情のままだ。


 双剣使いは連撃で迎撃してくる。鋭い斬撃だが、スピード重視の様で力が籠っていない。


 俺も左右の旋棒(トンファー)で応戦する。スピード勝負では負ける気がしない。


 全ての斬撃を受け流し、弾き飛ばす。


 徐々に距離を詰めるが、双剣使いは超接近戦を嫌って少しずつ後ずさる。


 横目で槍持ちが立ち上がるのを確認するが、まだ足はふらついている。


 左の旋棒(トンファー)を腰に戻す。


 双剣使いは、俺の左手の動きに注目している。


 一気に距離を詰め、左手を頭部に伸ばす。


 双剣使いは待ってましたと言わんばかりに、俺の左手に斬撃を仕掛ける。


 待ってました!


 相手の注意が左手に集まったところで、右の旋棒(トンファー)を相手の顔面に突き入れる。


 衝撃で後方に仰け反る双剣使い。相手は、斬撃は空振りに終わり、体勢を大きく崩している。


 俺は、双剣使いの足を払うと、右の旋棒(トンファー)を双剣使いの左右の手首に叩き込み、剣を打ち落とす。


 丸腰の双剣使いが仰向けに地面に衝突し呻く。


 倒れた相手の喉に爪先を蹴り入れると、小さな爆発がおき、双剣使いの口から血が吹き出た。


 頭上の生命力(HP)を大きく減少させたが、まだ0ではない。が、暫く動けないだろう。


 振り向き様、右の旋棒(トンファー)で槍を弾く。


 まだふらついている槍持ちが突きを繰り出していたのだ。


 軽く槍をいなして、懐に潜り込むと、左手の掌で側頭部を叩く。


 槍を回転させ、石突きで応戦しようとしていた槍持ちは、攻撃の体勢のまま、仰向けに地面に衝突した。


 虫の息の二人の喉を鉈で掻き斬る。


 これで三人。


 振り返ると、もう一人が追い付いていたようだ。


 岩影から様子を窺っていた。


 俺の戦いを分析していたのだろうか。


 無駄だろう。


 ゆっくりともう一人に向きを変える。


 太刀使いか。防具はかなり薄い。防御力を捨て、スピード重視にしたのだろう。


 気付かれたことで、相手は岩影から姿を現し、太刀を正眼に構える。


 構えからは、かなりの使い手の雰囲気が出ている。



 お前が本命か。



 左の旋棒(トンファー)を抜き、両手で構える。


 隙がない。


 お互いにじりじりと距離を詰める。




「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」




 いきなり吠えて威嚇してみた。


 特に理由はない。相手の反応を見ただけ。


 左右の旋棒(トンファー)を腰に戻してみる。これも特に理由はない。相手の反応を見ただけ。



 相手はこっちの様子を窺っており、仕掛けて来ない。


 得物を比べれば明らかだが、相手の方が射程が長い。仕掛けるなら相手からだろう。だが、仕掛けて来ない。


 だから、こっちから仕掛けてやる。


 加速力を爆発させ、懐に飛び込む。


 鋭い突きで迎撃してくるが、僅かにサイドにステップし、かわすと、そのまま組み付くが... ...


 相手は突きだした太刀を引くのと同時に右足を軸に体を捻り、俺をかわす。


 飛び込んだ俺のわき腹を狙い、至近距離から太刀を斬り上げる。


 俺は斬り上げを左の籠手で受け流し、右の回し蹴りを叩き込む。


 相手は、上体を仰け反らし、回し蹴りをかわすと、バックステップで距離を取った。


 速いな。俺と同等だろう。と言うことは、かなり高速機動にカスタマイズポイントを振ったのだろう。


 要は、俺もお前も紙防御ってことだ。


 一撃でもかすれば終わるだろう。


 右の旋棒(トンファー)を抜く。


 じりじりと距離を詰め、一気に懐に飛び込む。


 左手を相手の頭部に伸ばすが、相手は下がりながらなぎ払いを放ってきた。


 俺は飛び込んだ勢いを殺せず、右の旋棒(トンファー)で斬撃を受けとめ、そのまま強引に前に出る。


 あと僅かで体に触れる距離。


 相手は引いた太刀で斬り上げてくる。


 避けられない。


 前方に突っ込み過ぎた俺の体は引き戻せない。


 このままだと、右の太股から左のわき腹を斬られる。


 強引に左足で蹴りを放つ。


 俺の右太股に刃が食い込み、ヤツの右肘に俺の左足の爪先が突き刺さる。


 右足を斬り飛ばされるのと、ヤツの右腕が千切れるのがほぼ同時であった。


 そのまま俺はヤツにぶち当たり、左手でヤツの髪を掴み、右の旋棒(トンファー)を顔面に叩き込んだ。


 勝敗を分けるとしたら、手元に武器が残ったかどうかだろう。


 倒れた相手にのし掛かり、右の旋棒(トンファー)で残りの命を刈り取った。



 これで四人目。


 あれ、ヤバイ!


 これヤバイよ!


 斬り飛ばされた右足から大量に血が流れ出ている。


 上着を脱いで、足を縛り出血を止めようとするが... ...


 ヤバイな。段々、意識が遠退いていく... ...





 ◇◇◇◇




「あれ?みんななんで浮かない顔なの?」

「... ...あんたが原因なんだけど」

「まぁまぁ。結果、()()()()()んだし、良かったじゃん」

「勝てたのに勝てなかった!」




 アリサを始め、みなが睨んでくる。うぅっ、そんなに睨まなくても...


 結果は、


 〇コハク()、撃破数4、合計6ポイント獲得


 〇リナ、撃破数0、合計2ポイント獲得


 〇アリサ、撃破数0、合計2ポイント獲得


 〇サスケ、撃破数0、合計2ポイント獲得


 〇ドラグ、撃破数1、合計3ポイント獲得


 〇マンダ、撃破数1(キング撃破)、合計6ポイント獲得



 サスケが殺られたのは確認済み。ドラグはあの狙撃戦を制し一人撃破したらしい。リナは、キングの目玉を抉り取ったが殺られ、アリサもキングの残りの目を潰して殺られたらしい。その直後、なんとマンダがキングを仕留めた。凄いじゃないか、マンダ!


 で、何故、勝てなかったかと言うと、相手のキングの生命力(HP)が0になると同時に、俺の生命力(HP)が0になったから。こんなこともあるんだね!




「コハク、何か言い残したことある?」

「リナ、今日も美しいね!」




 みんなの中では勝てたはずらしいよ。勝てなかったのは俺のせい。でも、冷静に考えてくれ!




「俺は四人撃破している。皆は五人がかりで二人?それでも勝てなかったのは俺のせいなのか?よく考えてみてくれ」

「くっ!それはそうだけど。あと一秒粘って... ...」

「アリサ、俺より先に殺られてるよな?お前がもっと頑張ればあと一秒早く倒せたんじゃないか?」

「くっ...」

「ドラグはあの一人にどれだけ時間かけてんだ?役に立ってんのか?」

「うっ...」

「俺が言いてぇのは、勝てなかったとか負けたことを誰かのせいにするなんて意味ねぇってことだよ。次にどうするか、てめぇで何とかしてみろよってこと」




 へへっ。昔、読んだ本の受け売りだけど。




「明日は嵐ね、あんたがまともなこと言うなんて」

「いや、天変地異だろ」

「お~い!」



 ◇◇◇◇

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ