表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/34

第一五話

 ◇◇◇◇




「うおぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!」




 本日何回目となるか忘れた、と言うか数えてないが、俺は吠えた。思いっきり。


 二人目を撃破後、草原に戻って仁王立ち。いくら待っても誰も来ない。何度か吠えたが誰も来ない。


 俺は「気配察知」も「俯瞰視点」も持ってないから森の中をさまよって敵を探すのは下策だと思い、ひたすら待っているのだが誰も来ない。


 さっき戻ったヤツは何をしているのだ。さっさと仲間を引き連れて戻って来い。早く来い。


 寂しいじゃないか... ...




「試合終了~~~~~~~~~~!」

「えっ!えぇ~~~~~~~~~!」




 終わっちゃったの?




 ◇◇◇◇




 最終的に生き残っていたのは、俺、リナ、ドラグの三人だった。残りの三人は、相手のキング、キングの守護者とやりあって、やられたそうだ。


 最後、相手のキングとリナがやりあってる最中に、ドラグが狙撃で仕留めたらしい。




 結果は、


 〇コハク()、撃破数2、合計7ポイント獲得


 〇リナ、撃破数0、合計5ポイント獲得


 〇アリサ、撃破数1、合計6ポイント獲得


 〇サスケ、撃破数1、合計6ポイント獲得


 〇ドラグ、撃破数1(キング撃破)、合計10ポイント獲得


 〇マンダ、撃破数1、合計6ポイント獲得



 前線で一番頑張ったリナだけが撃破数0。へこんだそうだ。




「まぁ、なにはともあれ、勝ったから良かったんじゃねーの?」

「キング、今度、囮になってくんね?」




 ドラグである。




「はっ?お前が囮になれよ」

「キングが最前線で戦えば、皆がキングに集中するから」

「良いわね!」




 ドラグにアリサが乗った。俺がやられたら終わりって、知ってる?




「皆があんたに集中してる隙に狙撃するわ!」

「えっ!マジで言ってんの?」

「うん!こうなったら、私もライフルに転向ね!」




 アリサがかなりやる気出してる。俺、囮になるの合意してないけど?




「私も撃破したい。どうすれば... ...」




 リナが悩んでる。その内、私もライフル!とか言いそうだな。チーム全員ライフルとかあり得ないし。




「そう言えば、相手のキング、念話持ちかもしれないよ」




 サスケだ。特殊能力「念話」は、同じく「念話」持ちと遠距離で会話が出来る能力だ。でも、どうして分かったんだ?




「相手のキングの背後に回り込んで、様子を窺ってた時、こそこそと宙に向かって話をしてた。その後、相手の仲間が一人戻ってきたら」

「そうか、俺んとこに来た二人組が一人戻ったよ。そのタイミングだったのか」




 中々使えそうな気がするが、同じく「念話」を持ってる相手だけに限定されると、使いどころが難しいな。と言うか、使える気がしない。俺が誰と念話するの?誰か俺と話してくれるの?




「コハク殿は遠吠えの特殊能力を取ったのでござるか?」




 ござる?マンダって、こんな話し方だったの!




「遠吠えって特殊能力あったの?私、見たことないけど」

「俺も見たことないな」

「俺もない」




 アリサ、ドラグ、サスケは見たことがないらしい。俺も見たことないし。




「マンダ、遠吠えってどんな能力なんだ?」

「いや、拙者も知らないでござる。てっきりコハク殿なら知ってるかと... ...」




 拙者?自分のこと、そんな風に呼ぶ人初めて見たよ。




「俺の遠吠え、能力でも何でもないし。単に思いっきり吠えてるだけだから」

「えっ!」

「えっ?」

「へっ!」

「えっ!」




 マンダ、アリサ、サスケ、ドラグが驚いている。別に驚くことないだろうが。




「なんか、あんたの遠吠え聞くと胸が気持ち悪くなるのよね」

「俺は何だか焦らされるな」

「俺は集中が乱される」

「拙者は、何だか恐怖を感じるでござる」

「それだけ聞くと呪いが込められていそうな感じがするな」





 ってことは、相手を少しはビビらせたのかな?




「能力じゃないならやめて欲しいわ。ホント気持ち悪くなるから」




 そうか。敵だけじゃなく味方もだよね。




「だが、やめん!」

「なんでよ!」

「俺が気持ちいいから!」

「さいあく~~!」




 何とでも言えばいい。俺はジユウダ。誰からも強要されん!




「じゃあ、遠吠えはしていいわ。その代わり矢面に立って敵を引き付けること。分かった!」

「はっ?やだよ」

「なんでよ!」

「気分が乗らないから!」

「超さいあく~~~~~!」




 何とでも言え!... ...さっきからリナが大人しいな?




「リナ?どうした?」

「... ...」




 どこか別の次元に旅立っているようだ。小声でブツブツと呟いている。




「リナ?」

「...よ... ...」

「え?」

「めんたま潰せばいいのよ、そうよ、そうだわ!... ...」




 やばい。やばいよ、これ。




「よ、よし!今日は解散しよう!じゃ、また連絡するから!じゃあな!」

「お、おう、じゃあ!」

「じゃあ!」

「じゃ、じゃあね」

「さ、さらば」




 皆、早足で部屋を出た。




 ◇◇◇◇




「おう。勝ったらしいな?」

「楽勝だったぜ」

「らしいな」




 珍しく肯定的な親方だ。何かあったのか?




「親方、嬉しそうじゃね~か、なんかあったか?」

「おう。全財産賭けた賭けに勝ったからな」

「随分とでけぇ勝負したな?」

「おう。おめぇのチームに賭けた」

「そ、そうか。俺らのチームって前評判低くなかったか?」




 前期の順位だけ見れば半分が49位以下だからな。弱く見られて当然だと思う。そんなチームに全財産って...あんたすげぇよ。




「てめぇ、始まる前に、俺に全財産賭けやがれって吠えたろうが」




 そう言えば、そんな事もあったかも。なんか喧嘩っぽくなって、売り言葉に買い言葉的な感じだったが。そんなんで全財産賭けるか?




「そういや、次の対戦相手って、あいつらだろ?」

「あいつら?誰だ?」

「てめえが問題起こした最初の試合の元チーム」




 あぁ。あのリーダーがキングに成り上がったくそったれチームか。そうか、次の対戦相手なんだな。




「どうだ?勝つ自信は」

「負ける訳がねぇな!」

「ほぅ。じゃ、また全財産賭けても大丈夫か?」

「あったりめぇ~よ!勝つに決まってんだからよ!」

「負けたらてめえ、責任取れよ?」




 おっ思い出した!前回もこんなやり取りしたんだった。これって、俺が負けたら俺から金を巻き上げる気満々じゃねぇーかよ、おい!




「ちょっと待て、俺に賭けるか賭けないかは、自己責任だからな?」

「けっ!自信ねぇなら、そう言えよ」

「勝つに決まってんだろが!」

「責任取れよ?」

「おお!幾らでも賭けやがれってんだ!」




 おいこら!てめえ乗せられすぎだろうが!俺!前回と全く同じ流れじゃねぇーか!少しは成長しやがれ!俺!




 ◇◇◇◇

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ