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第一〇話

 ◇◇◇◇




「じゃ、自己紹介から始めようか」




 見た目が三十歳くらいの長身、金髪碧眼、褐色の肌、まあまあ整った顔の男が場を仕切る。この中ではランクCの最古参らしい。


 俺らはオーガナイトではなく、生身の人間として集まっている。いや、集められた。後期のチームが決まって、戦術とか、色々考えるらしいよ。




「まずは僕から。ランクCで五年目、パーンという。知ってる者もいると思うが、双剣使いだ。前期の戦績は七勝三敗。順位は17位だった」




 三十歳のおっさんが「僕」とか似合わないな。双剣使いって、戦ったことがあるような、ないような




「じゃあ次は私。ランクC一年目、リナです。丸盾と細剣で、前期は八勝二敗で9位です」




 よりにもよってリナと同じチーム。顔を合わせたくなかった相手だ。




「次、俺。ランクC三年目、ヤマト。太刀を使ってる。前期は六勝四敗で、32位」




 黒髪黒瞳のなかなかイケメン。太刀使いって、確か前期で戦った気がする。なかなか強かった印象だが、それでも32位か。




「私は一年目のアリサ。双銃使ってるけど、格闘術が得意よ。前期は五勝五敗で40位ね」




 金髪ツインテールに蒼瞳。美人と言うか美少女。こんな容姿のオーガナイトは見たことないから、オーガナイトの顔は弄ってるのだろう。




「俺、四年目のダン。全身鎧に盾二つ。どうやって攻撃するかって疑問に思ったろ?盾で殴るんだ。前期は五勝五敗で48位だ」




 アリサと同率だが、勝ち試合のタイムの差だろうな。見た目はスキンヘッドに碧眼の大男。いかにもタンクって感じの雰囲気だな。




「俺、ランクC二年目のコハク。トンファーと格闘術を使ってる。前期は九勝一敗で、3位だった。宜しく」




「「「「「... ...」」」」」




 えぇ~~~~!なんで無反応なの?!




「私、こんなヤツ守りたくない」




 アリサだ。俺って世の中の女の敵らしいが、世の中って、騎士も入るんだな。




「まぁ、誰も守りたくないだろうが、一応キングだ。みんな、嫌だろうが、それでも我々は勝たなくてはならない」




 金髪碧眼のパーンの発言にみんな耳を傾ける。さりげなく毒を混ぜてくる。そーゆーヤツなんだな。どうせなら、キングやってくんねーかな。




「みんな、気付いただろうが、このメンバだと守り固める戦術は取れない。守りに向いているのがダンだけだからだ」




 そうなんだよね。見事にスピードタイプが固まったもんだ。運営の思惑か?あれ?でも、ダンだけ違うな。たまたまか。




「そう言う訳だから、取れる戦術は限られる。速攻か逃げながら隙を突くか」




 逃げはしたくねぇな。でも、俺、発言しない方が良さそうだ。少しは空気読める。




「私は逃げは嫌」




 リナは俺と一緒か。うぉ!そんな睨むなよ... ...でも、他にも逃げを嫌うメンバーはいるようだ。安心した。俺が発言しなくても良さそうだ。




「ちょっと待ってくれ、速攻って、俺、役に立てねーんだが」

「そうだな」

「仕方ないよ」




 ダン、パーン、アリサの発言。まぁ、速攻なら足の遅いヤツは戦力外になるよね。




「ダンは、そいつの護衛すればいいんじゃな?」

「えぇ!やだよ、俺だけハズレじゃんか」




 太刀使いのヤマトか。仮にも俺って、キングだよね?俺が倒されるとチームの負けだよね?もう少し労ってもいいんじゃねぇか?




「ダンには、決断してもらいたい。そのスタイルを崩さす、チームのお荷物になるか。それとも、後期に備えてスピードタイプにチェンジするか」

「えぇ!チェンジって、かなり厳しくねーか?」

「俺は知ってるぞ。ダンがランクCに上がった一年目はスピードタイプだったことを」

「まぁ、そんな時もあったが... ...」




 この後も、邪魔物(誤字ではない)扱いされ続け、気付けば戦術が決まっていた。俺、除け者?パーンが主役?




「じゃあ、後期に備えて自主トレに励んでくれ。ダンは特にみんなの足を引っ張らないように頑張れよ。一週間後にみんなで合わせよう。場所は連絡する」




 やる気が全く出ねぇ... ...




 ◇◇◇◇




「なんでぃ、しけた面しやがって」

「後期のチーム戦がな。気が乗らねぇんだよ」

「てめぇだけ個人戦のつもりで戦えばいいじゃねぇか」

「... ...いいなそれ。それで行こう!」

「まぁ、ぼっち確定だけどな」

「今更だしな... ...」

「今更だな」




 あの金髪碧眼のリーダー... ...あれ?名前忘れてる!まぁいいか。リーダーが考えた戦術だと、元々俺はぼっちだ。俺以外の五人で速攻を決めるんだと。んで、俺は必死に逃げまくるらしい。


 決めた。俺は逃げなんてやなこった。ヤツらの度胆を抜いてやる。おーし。そうと決まればやる気も出てきた。やってやるぜ!





 一週間後、皆で集まる話があったと思う。多分、間違いじゃないと思う。確か、集合場所は後で連絡が来るはずだ。


 で... ...今日が集合の日だと思うが。


 連絡来てなくね?リーダー、うっかりさん?しっかりしてそうだったのに、意外とお茶目だよな?




「それ、ハブられてんじゃねぇか?」

「親方、そう思っても口にしちゃあ、いけねぇよ」

「わ、わりぃ」




 落ち込むな。ぼっち、はんぱねぇな。後期の最初の試合って、確か一週間後だよな?俺、ハブられたまま、試合に挑まないといけないのかな... ...テンションあがんねぇな... ...




「てめぇ、いつも通りでいいんじゃねぇか?」

「いつも通り?」

「おう。周りの目なんて気にしねえ、てめぇのスタイル貫き通せや」




 俺のスタイル?周りの目なんか気にしねえ?そー言えば、そーだよな。周りなんてクソったれだ。クソったれな連中なんて、どーでもいいじゃねぇか。阿呆だ俺は。先週、決めたじゃねぇか。ハブられたって、どーでもいいじゃねぇか。俺は俺だ。何も気にしねぇ。立ちはだかるヤツは全員ぶちのめす!




 ◇◇◇◇


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