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この学園は最強しかいない!  作者: 魔王さん
あなたのやりたいことはなんで章
31/38

今日は……たくさん叫んだなぁ…

 

 ここ天翔学園では、【四天王】と呼ばれる掛け値なしの最強が十人存在するらしい。何故四天王なのに十人居るのかはあのロリ学園長に聞いてほしい。

 一度俺達はその中でも化け物クラスの【四天王】称号【アレス】保持者、ルシフェルに挑んだことがあるが、はっきり言って勝負にならないほど実力が違いすぎた。

 かと言って、他の【四天王】がどれほどの実力かはまだ未知数なので、そろそろその辺を調査しようと考え始めてた時期ではあったが…

 

 「……まさか……あっちから勝負…挑んでくる…なんて…」


 ソフィの言うとおり、【四天王】の一人が俺達の教室まで来て宣戦布告しにきているのだ!……………が…


 「うにゃぁぁぁぁああっ!!あふっ!そ、そこはぁ!?止めるんじゃぁああ!!」

 「うふふふぅー!ここね!ここがいいのねぇ!うぅう!可愛いなぁもう!私の嫁になってぇえええ!!」

 「うにゃ!?あぁっ!?そこはあぁっ!だ、だめなのじゃぁああああ」

 

 ロリかつ語尾が「~じゃ!」という萌え特性であったが為、今は完全に暁のおもちゃと化している。

 ソフィが一度小さく嘆息すると、高速で言葉を紡ぐ。おそらく魔法を詠唱したのだろう。その証拠に近くで浮遊している本が白い輝きを放つ。これでとりあえずこのロリ【四天王】と話ができr―――


 「にゅふふ~!次はここか…んあれ?…」


 ……………………え?……………………俺の………体に暁が抱きついて……は?

 いやちょっと待て…………思考が追いつかないぞ…


 「「……………は?」」


 俺と暁は視線が絡み合い、同時に素っ頓狂な声を上げてしまった。

 ………オーケー…いいっ一回もちつけ俺!状況を瞬時に整理しよう!!!

 俺今の今まで自分の席に着いてました!はいここまで問題なし!悠にちょこんと座られてました!!まぁここも問題なし!んで次!次だよ!何で次の瞬間には暁に馬乗りにされて抱きつかれてんの!?

 

 「…あ、あぅ!?なななななななななんで!?」


 暁も今の状況を理解したらしく、ぼふんっ!という音が聞こえそうな勢いで顔が羞恥で真っ赤に染まっていく。

 次の瞬間、暁は残像より速く飛びずさって、うーっうーっ!と唸りながら頬を真っ赤に染めている。いや、今のはさすがに俺のせいじゃなくね!?

 …それに…お前だけがドキドキしてると思うなよ!こっちだって心臓が弾け飛びそうだわ!……まぁ弾け飛んでも死なないんだけどさ!

 ソフィは息が荒くなっている俺のもとに歩み寄って満足そうな顔で問いかけてくる。


 「……ユキノのおかげで……成功した」

 「お前なにしくさってんだ!?」

 「……?ましろの暴走…止めただけだよ?」

 「もっとまともな方法無かったのか!?」

 「……無い…好きという衝動を止めるためには……もっと好きなものをぶつけるしか…ない…」

 「うっ…べ、別に好きなんかじゃ…無いし!」


 暁は顔を伏せながら否定する。………その反応はただのツンデr…射殺(いころ)されそうだったのでこれ以上は言いません。

 

 「お兄ちゃん!大丈夫!?」


 悠が心配そうな顔で抱きついてくる。その頭を撫でながら微笑むと、悠はほっと息をついて「えへへー!」と無邪気に笑う。

 でも、これでとりあえず状況は落ち着いた。そう思いながら立ち上がって例のロリ【四天王】に顔を向けようとしたが…


 「あ、あれ?…あの人どこいった?」

 「……帰った……」

 「帰ったぁ!?」

 

 そりゃ帰る気持ちも分かるけど!


 「ちょっと待て!あの人の情報何も知らないんですけどぉ!?」

 

 

 平常心を取り戻した暁がぽんっと俺の背中を叩く。

 

 「こういう時は、あそこ行きましょう!…情報といえば?」

 

 「「「情報屋」」」

 

 悠以外の三人が口を揃えて言う。結局…ここに頼るしかないんだよなぁ…


 

 ※



 昼休み。早速俺達は神崎と合流し情報屋の元へと足を運んでいた。(もちろん扉は俺が開いた。)現在はあの【四天王】の正体を教えてもらうべく情報を覚えている限り説明している。

 

 「…なるほどな……整理すると、お前らに勝負を吹っかけてきた【四天王】特徴は、空色の髪、黄金の瞳、のロリ少女…で間違いないか?」


 雷電は俺達の話を総括しながら確認を取ってくる。頷こうとした瞬間、暁は「いや、まだあるわ!」と真剣な眼差しで断言する。

 …まさか…破壊者である暁だけが感じ取れた【四天王】の秘密g…


 「あの子は耳に息をかけられるのと、おへそを撫でられるのに弱いわ!」

 「心の底からどーでもいい!真面目な話だと思った俺が馬鹿だったわ!」

 「ちなみにあのちっぱいはAカップ確定ね!」

 「お前そんなこと確かめてたのかよ!?」

 「私より小さかったわ!ベリーキュートだったわ!」

 「お前とそんな大して変わんな…すみません嘘ですほんの言葉のあやだぎゃぁあああああああああああああああっ!?」

 

 教室内に俺の盛大な叫びが爆音と共に響き渡り、そのまま開けっ放しだった扉を通過して廊下に吹き飛んだ。

 血溜りが廊下に溢れる中、無情に自動ドアは教室と廊下を隔てた……皆さん…死なないからって扱い酷すぎません?

 

 「お兄ちゃん、大丈夫ー!?胸がないよー!?」

 

 駆け寄ってきた悠にそう指摘され、震える手でゆっくりと胸部を触る。まぁさすがに骨はほぼいっちまっt…

 すかっ…すかっ…っと本来あるべき胸を触れている感覚が一切感じない。

 …?……あれ!マジだ!?胸が無い!胸骨が全損してるどころが胸そのものが無くなっている!

 

 「うぁぅう…あ、暁ぃ…治るまでこれいてぇんだぞぉおお!!」

 「お兄ちゃん大丈夫だよー!こういう時は…えーとねぇ…イタイイタイのー飛んでけー!イタイイタイのー飛んでけー!」

 

 悠は大真面目に何度もそれを繰り返してくれた。………なんつうかその………うん、可愛いからすぐに治る気がするぜ!


 「あ、…お兄ちゃん……ちょっといいかな?」


 ふと悠が思い出したような顔でこちらを見る。どうせこの体じゃ暫く動けないんだ。【四天王】の話は暁達から後で聞くことにしよう。


 「何だ?」

 

 悠は体をもじもじとくねらせ、赤面になりながらぼそぼそと小さい子で呟く。


 「…ぁ…あのー…そのー…えとー……お兄ちゃんの………が欲しいなー…なんて…」

 「…………え?…何が…欲しい…って?」

 

 おいちょっと待て何だか雲行き怪しくないか?


 「だから…お兄ちゃんの…その……じなもの…」

 「…待って…重要な部分が聞こえないんだが…」

 「うぅー!…お兄ちゃんの意地悪ー!」

 

 耳まで真っ赤に染めた悠はほおを膨らませながらこちらに睨む。…いや、俺悪くないよね。

 そして意を決するように悠は頷き、大きく息を吸って全てをぶちまける。

 

 「悠はー!お兄ちゃんの大事なものがほしいのぉー!!」

 「アウトアウトアウトアウトアウトーーー!!公衆の面前で何言ってんのぉおおおおおおおおおっ!?」

 「そのお兄ちゃんの熱いの欲しいのぉー!!」

 「やめて!!俺が物理的に死ななくても社会的に死んじゃうから!!」

 

 廊下に居た生徒達は俺から一斉にドン引きし、恐怖を浮かべながら立ち去っていった。はたから見れば俺が言わせているようにしか見えないのだろうか。……人生オワタ。

 悠は泣きそうな顔でしゅんと、あからさまに落ち込んでいた。


 「…うぅー…やっぱり駄目だよねー……お兄ちゃんの血、欲しかったなぁー…」

 「……………は?…血?」

 「…うん。…お兄ちゃんの血、とっても美味しそうなんだもん。」


 な、なんだ、俺はてっきり放送禁止用語のほうのアレだと…いや、よく考えたら血をあげるのもアウトな気がする…

 ……………うぅ…そんな上目遣いで見ないでくれよ…………まぁ…ちょっとなら……

 胸にあけられた穴もある程度は小さくなってきたし、全身の傷も大分癒えてきた。

 泣きそうな顔に俺はぽんっと手を置く。


 「…ふぅ…分かったよ……いいぞ、血ぐらいお前にあげるよ。」

 「…え?本当に…いいのっ!?」

 「あぁ…でもその前に血を欲しがる理由を…」

 「やっったぁーー!!お兄ちゃん!大好きー!!」


 俺の言葉を最後まで聞く前に、悠は満面の笑みで飛び上がりながら瞬時に剣へと姿を変え…って…え?


 「ちょっと待て!何をするつも…ぎゃぁあああああああっ!!」


 代償の剣へと形を変えた悠は一直線にこちらに向かっていた。


 「ちょっと肩からもらうよー!」

 

 グサッ!!


 「ぐぉぉお!!おぁああああああああっ!!」

 「はぁ~お兄ちゃん!熱い!とっても熱くて美味しいよぉ!どくどくって来るよぉ~!」


 だからそのエロワード止めろ!!完全にエロゲで言われてるセリフだからさぁ!規制かけられるぞ!

 剣は左肩に突き刺さりながら、鮮血を思わせる真っ赤な光を放って輝いていた。

 しばらくして、剣が肩からすっと抜け、空中で悠へと姿を変える。「にへへー」と微笑みながら悠は綺麗な口を拭う。


 「ぷにゅ~…やっぱり、お兄ちゃんは美味しいよぉー!」

 「……………」

 「……?お兄ちゃん?」


 俺は全身が白くなるほど貧血状態に陥っていた。正直口を開くのも辛い。


 「あのねー!お兄ちゃん、分かったことがあるよぉー!悠はねー、お兄ちゃんの≪存在≫で強くなれるって言ったでしょー?」

 「……………」


 俺は小さく頷いて肯定する。


 「それでねー、今回お兄ちゃんの美味しそうな血の匂いを感じて気づいたんだけどねー、お兄ちゃんが≪存在≫と一緒に血をくれればもっと強くなれるのー!!」

 

 無理やり突っ伏したい気持ちを抑え、深呼吸して言葉を紡ぐ。


 「……じゃあ悠、つまり代償の剣は、捧げるものが増えれば増えるほど強くなれるってことか?」

 「うん!だから≪存在≫と一緒に血をくれればもっと強くなれるのー!」

 

 ……そうか、原理は全く分からないが、ようは血をあげればもっと強くなるってことだよな。

 強く…か……そうだな…確かに俺はもっと強くなりたい、もっと強くなって、暁の隣にいたい。あいつの背中を守りたい。その願いが叶うなら、減らない命と血ぐらいくれてやる。

 そっと目の前の黒髪を撫でる。気持ちよさそうにそれを受け入れている悠に、俺は視線を合わせる。


 「分かった。…これからは俺が許可したら血はあげるんよ。」

 「!!………えへへー!ありがとうお兄ちゃん!大好きー!!!」

 「その代わり、…もっと俺達、強くなろうぜ。」

 「うん!約束なのー!頑張るのー!」


 屈託の無いその笑みにつられて、俺も頬が自然と緩んだ。

 

 お前を守れるくらい、強くなって見せるから。待ってろよ、暁。


 




 いや、これで終われればよかったんですよ。ちょっとカッコよく決意で終われたじゃないですか。


 「ねぇねぇユキノくーん…さっき廊下から悠ちゃんのえっちぃ声が聞こえたんだけどさ~…ちょっとお話いいかな~!」


 戻ってきた暁の様子?決まってるじゃないですか、俺は怪我人ですよはてな………とっても笑顔で、とっても怖かったですはい。


 その後?…とりあえず廊下の窓から盛大に外にぶっ飛ばされたけど何か問題ある?


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