❄*2nd -高1
ある日の朝、下駄箱には1通の手紙が入っていた。
その中身は、ラブレターそのものだった。
”今日の放課後、2-1の教室で待っています”
見てからして、男の子の字で、荒ぶりながらも丁寧に書こうと必死だったのがわかる。
いくつかの消し跡も見えた。
消し跡の中には”好きです”という字も見えた。
見る見るうちに顔が熱くなっていくのが分かる。
告白されるのは初めてだし…。
私は手紙を鞄のポケットに詰め込み、教室へ向かった。
「あれ、紗和、顔赤くね?大丈夫か?」
隣の席の男の子が私の顔を見て言った。
「ち、ちがうの!!!」
男の子は、私の過剰な反応に驚いた顔をする。
「お、お前、まさか…告白されたとか?」
鋭いっ!
私はなるべく笑顔を作ってみる。
「そんなわけないじゃない。あはははは・・・」
「お前、分かりやすいな」
素早くツッコミが返って来て、私の心は飛び出てしまいそうになる。
「あ、あの…そっとしておいて…」
私は声を振り絞って答えた。
男の子は少し笑って頷いた。
「分かったよ。だけど後で聞かせろよ?」
「え、えぇ?」
「当然だろ。俺だって、恋愛事には興味あるんだ」
「そんな…」
「分かった?」
私は小さく頷くしかなかった。
あぁあ。
何で、私ってこうすぐ顔に出るのかな…。
少し溜息をついた。