1話 ワイ、異世界に行く
「どうしてこんなこともわからないんだ!」(by 教授)
「だからさぁ、お前のテーマには新規性がないんだって」(by ウザい先輩)
・・・・・・・・。
「クッソー!!!!!」
俺はキレていた。この世のあらゆる理不尽に。
「そんなに俺の研究が気に入らないならさぁ?お前らが考えればいいだろうがぁぁhhhh????」
もう一度言う、俺はキレていた。
俺の名前は矢部健。名前がYから始まるから、研究室の人間からは「ワイ」と呼ばれている。人の呼び方でその人をどう思っているかは何となく分かるものだ。俺の場合は、、、まあ言わずもがなだろう。
教授にいつも通りブチギレられた俺は酒を飲んで自暴自棄になっていた。しかし自⚪︎するほどでは決してなかった。マンジョンの屋上でコップ片手に柵に寄りかかっていた時も、そんなことはこれっぽっちも考えてはいなかった。
「俺、研究向いてないのかなぁ、、、、。」
その時、突然背中を何者かに強く押された。落下して行く途中、かろうじて見えたのは柵にかかった指にはめられた青い指輪だけだった。
(ああ、俺死ぬんだ。)
不思議と恐怖はなかった。代わりにある感情が俺の頭を支配していた。
(こんなことならもっと好き勝手に生きれば良かった。教授の部屋に馬糞ぶちまけたり、ムカつく先輩にチョップかましたりしたかった。)
(もし来世があるなら、、、、もっと自由に生きたい!!!)
目覚めると俺は草原にいた。




