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いつか散る桜に僕らは誓う  作者: だいのうえ
第1章 再会と始動
8/11

第8話 期末テストーー戦いはペンから始まる

6月に入った。

学園全体が、独特の静けさに包まれていた。


期末テスト。

聖華学園にとって、年3回あるうちの1回のテストが行われる。

ーー評価・進路・地位ーー

1年生の初めに行われる実力テストとは違い、全学年が行われる今回のテストは全てに影響を与える。

生徒会メンバーも例外ではない。



試験1日目の朝。


僕は静かにノートを閉じた。


「柊真くん、もう勉強はしないの?」

美桜がこちらを見て訪ねてくる。


「家である程度勉強してきたから少し休憩。」


「すごいね。いつか1位の座が奪われそうで怖いよ。」

美桜が苦笑いする。


「美桜には勝てないよ。努力してる人には勝てないよ。」


穏やかな会話。

しかし、側から見れば嫌味にしか聞こえないのである。


「随分とお二人とも余裕そうで良いですねー、柊真!休んでないで勉強教えて!」

百合香が焦った様子で話す。



テスト開始。


紙をめくる音。

ペンを走らせる音。


(麻依先輩が言っていた通り、毎年出題傾向は変化している。でもそこまで難しくないな。)


一方、美桜は。

普段なら冷静な彼女の手が、少し震えていた。


(......どうしてだろう、めまいがしてきた。)


彼女は深呼吸をし、筆を進める。

何とか全て解き、机に伏せる。


ほぼ誰にも気づかれない小さな異変だった。



テスト3日目。


校庭には疲れ切った生徒たちが各々帰宅していく。


自販機の横で水を飲んでいると麻依先輩が近づいてくる。


「お疲れのようだな。それに何か悩み事がありそうだ。」


「そうですね、結構疲れてます。麻依先輩が言うように、悩み事も。」


「そうだろう。テストが終わったら相談に乗ってあげよう。だから今はテストに集中するんだ。」

そういい麻依先輩は炭酸水を買い、教室に戻る。



テスト最終日、放課後。


美桜は靴箱の前で足を止めた。

頭がふらりと揺れる。


(......また、めまいがする。)

壁に手をつく。


「美桜?大丈夫?」

慌てて駆け寄った。


「保健室行く?」


「ううん、大丈夫。一緒に帰ろ。」


「無理しないでね。」


優しい声。

美桜の胸が少し暖かくなる。


「ねぇ柊真くん。

夏休みさ、2人で、、生徒会でどこか行きたいね。」


「麻依先輩が、生徒会合宿やるって言ってたし、夏祭りもある。一緒に楽しもう。」


「うん。楽しみにしてる。」


その笑顔の裏で、めまいは少し和らいだ気がした。



1週間後。


成績表が生徒たちに渡され、廊下に順位表が貼られる。

廊下は喜びの声と落胆の声が交錯していた。


柊真は2位。

美桜は1位。

百合香も順位を上げ、100位にランクインした。


「柊真ー!本当助かった!まじでありがとう。」

百合香が感謝を述べる。


3人とも順位維持、順位アップの成績を収めたが、異変が1つだけあった。


とある人物が生徒会メンバーの成績データを閲覧していた。

その姿を生徒会長、九条麻依が確認していた。


「懲りもせずまた狙っているのか?」

そう口に漏らした。


(また柊真を狙っているのか?それとも別の人物、もしくは私?生徒会そのものの可能性もあるな)


夏風が静かに次の嵐の予感を運んでいた。


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