表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつか散る桜に僕らは誓う  作者: だいのうえ
第1章 再会と始動
6/11

駒の上の騎士

講堂。

全校生徒が集まり、理事長の挨拶が終わる。

「では、最後に生徒会から今回の不正問題について報告があります」


マイクの前に立つ柊真を生徒たちが見つめる。

ざわめきが起きる。

「あれが女子生徒からカード盗んだやつらしい」

「生徒会がグルでやってんじゃんぇの?」


講堂中が静まり返った時、柊真はマイクを握る。


「生徒会の監査であり、今回の噂の人物、黒川柊真です。

今日は皆さんに誰が犯人か、それを確かめてもらいたいです。」


大画面のスクリーンに映し出されたのは防犯カメラの映像。


ー夜の教室。

一ノ瀬の机からカードキーを抜き取る男子生徒の姿。


ざわめきが走る。


「皆さん驚きでしょう。皆さんが見たであろう映像とは異なっています。

しかし、これは教職員から頂いた防犯カメラの映像です。」


次の映像が映し出される。


「俺たちが見たのはこっちだ。」

「なんかこっちの方が違和感がある」


口々に違和感に気づく。


「お気づきの通り、皆さんが見ていたものは何者かによって作られた映像です。

さて、一体誰が作ったのでしょうか。罪悪感に苛まれ、勇気を出して自白してくれた方がいます。


スクリーンが切り替わる。

別の映像ーーそこには橘がカメラをセットする場面、他の協力者に指示を出しているであろうやり取りが映し出された。


講堂が静まり返る。


「情報部の橘だ。」


前列に座っていた橘が立ち上がり、顔を青ざめさせる。


「な、なんでその画像をお前が持ってるんだよ」

「お、お前。裏切ったのか?」

協力者へ睨みつける。


「君は僕を陥れるために、他人までも犠牲にした。最低な行為だ。」


「こんなのでっちあげに決まってるだろ!」

橘が今にも襲い掛かろうとしている。


ーーまさかこんなに上手くいくなんてな。これで黒川も退学。俺は英雄扱いで次期生徒会長だなーー

音声が流れる。


その動きが止まった一瞬に教員が慌てて駆け寄り、橘を連行する。

会場の中に、小さな拍手が巻き起こる。


そんな拍手の中、生徒会長である九条麻依と壇上を入れ替わる。


「この通り、生徒会の関与はなく、私が選んだ黒川柊真、一ノ瀬百合香は無実だ。今回は優秀な1年生、そして勇気を出してくれた者のおかげで誤解は解けた。しかし、もし黒川が生徒会のメンバーではなかったらどうだろうか。確証もない事実に大勢が叩き、批判の目を向ける。なぜ片方の意見しか聞かなかいのか。生徒会でなければこのような場で証明する機会もなかったはずだ。私はこのような偽の正義によって優秀な芽が摘む行為は、この聖華学園の生徒会長として容認することはできない。今回のことはしっかりと反省してもらいたい、以上だ。」


講堂の照明が落ち、

静かな拍手の中九条麻依は壇上を降りた。


放課後。

生徒会室。


百合香が泣き笑いで言った。


「本当に良かった...柊真も麻依先輩も良かった!」


「かっこよかったよ、柊真くん。」

美桜が腕を組み誇らしそうに言う。


「3人ともご苦労だった。今回のことで生徒会の信頼はさらに強くなっただろう。」

麻依先輩が労いと感謝の言葉を述べる。


夕日が差し込み、生徒会室は金色に染まる。


皆薄々感じていたのだろう。

風に揺れ、葉っぱが空に舞う。


これが始まりであることを。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ