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06. この星の成り立ち

もぐもぐ、もぐもぐ、


ごくり、


うん、さっきのご飯もすっごく美味しかったけどこの甘さ控えめのぼうろみたいなのも美味しいな。

お茶もさっきと同じお煎茶かと思ったらさっきよりも少し甘めのお茶になってる気がする。


「 ありがとう、スミ♡ 。エトワ、最初にこの星の成り立ちから説明するわね。」


お茶菓子に夢中になっていた私にお母様がゆっくりとまるで絵本の読み聞かせのように、先ほどの星のホログラムで当時の様子を照らし合わせながら話してくれた。


「 まず最初にこの星は、先ほどこちらにいらしてくれた神様である『アゼリオ様』が奥方様であった『アルセラ様』のために創られた星よ。この星に最初にアゼリオ様は海といくつかの島を想像されたわ。その次に星の調停者として私ともう一人を創造されたの。私たちは二人でひとつだった、。


私は『陰』の力から、彼は『陽』の力 から様々なものをこの星に創造したわ。


大地には起伏を与え豊かな森を、雨を降らせ海へと還る大河を。そうして、私たちはそれぞれ自分たちに似た生命体である精霊や霊獣を創り、また、彼らが妖精や獣人を、さらにそれらの生物から動物や人間などの様々な種族が変化や進化を遂げて生まれていったわ。


私たちは見守った、神様が望む世界へと成るように。私たちは支え合った、自分と同じ存在はお互いしかいないと分かっていたから、、。 」


映像の中で手を合わせて世界を俯瞰するお母様ともう一人の男の人はまるで神話の世界のアダムとイヴみたいだった。

てゆうことはお母様の恋人だったりするのかな!?だって、アダムとイヴって恋仲じゃなかったけ?

あれ、ちがったか?神話系は好きだったけど、いろんなのちょっとずつ読み過ぎて混じったりうろ覚えだったりするんだよな~。


そんな風に考え事をしながら聞いていると、場面はお母様と男の人が別の場所に行くように切り替わった。


「 その後私たちはお互いの眷属である、精霊や霊獣をつれてそれぞれの国を創ったの。

最初はお互い一緒にいたけれど、そうすると陽の気が強い者の近くに陰の気が強い者がいると体調に異変をきたすことが分かったの。


これは、互いがそれぞれ強い陽と陰の気を持つ私たちは互いに耐性を神様がつけてくれていたから一緒にいても大丈夫だったけれど、私たちが創造して何世代も経ったあとの者達は耐性が薄れ、相反する気の者を受け付けなくなってしまっていたの。


そこで、種族間のバランスを保つためにも私たちは別の場所にそれぞれ住処を移したわ。

常に一緒にいなくてもお互い星のことは管理できたから、特に支障もなく時が過ぎていったわ、。


そうして、神様がこの星を創造されてから長いときが過ぎたある日、彼が私を訪ねてきたの。

連絡もなく来るからびっくりしてしまったわ。しかも、どうしたのかと思ったら

「 管理者を私一人に任せたい 」って言うのよ。


愛する者ができたからって。 」


そう言った母様の顔は悲しいような嬉しいようなそんな顔で映し出された男の人を見ていた。


そうして場面は移り変わり先ほどの男の人と一人の女性が映し出された。

この女性が男の人が愛した女性なのだろう。それはすぐに分かった、彼女を見る男の人の顔は慈愛に満ちていたから。


「 彼は私に言ったわ。「 この子と同じ時を歩みたい 」と。


その一言で分かったわ。あぁ、彼女と一緒に生を終えたいのだ、と。


私たち管理者は、それぞれが管理する星が消滅するそのときまで見届けることが課されているの。だから、私たちは他の生物達と同じように老いることもないし、死ぬこともないの。


けれど、彼は愛してしまった。私たちとは違い命に限りがある子を。


そして願ったの、死して尚その子に寄り添い続けることを。あのときの私には彼の気持ちが分からなかったわ。どうして、その子に惹かれたのか、、。

与えられた役割を放棄することに憤りも覚えたわ。私たちの存在意義を忘れたのかとね。


だから、最初は彼の要求を受け入れるつもりはなかったの。彼に対して冷静になれと言い、私は自分の国に帰ったわ。彼も時が経てば考えを改めると思っていたの。

けれど、そのあとすぐに彼はもう一度訪ねてきた。」


そのあとお母様は口元に手を当てて懐かしそうに笑っていた。


「 でもね、彼の考えは変わっていなかった。もう一度私に調停者を辞めたいって言いに来たのよ。

だから、言ったの。『 もっと頭を冷やしてから来なさいよ!! 』って。


でもね、わたしはこんなにすぐ来るなんて、なんて安直なって思ってたんだけど本当は七百年ほど時が経っていたの。私たちは死がないからこそ時の流れに対しての感覚があまりなかったのよね。でも、彼女は違った。彼が愛した子の命の灯火は長くはなかった、。


だから、私の元へ来た時は彼にとって最後のチャンスだったの。彼女と一緒に天に還ることができる最後のチャンス。彼は私に教えてくれた。人を愛するということを。自分より大切にしたい相手と過ごす幸福を。そして、相手が自分をおいて死ぬことに対する恐怖を、、。


そうして、私は請け負ったわ、、一人でこの星を管理することをね。 」


そうして、お母様と男の人は静かに涙を流しながら抱き合っていた。


彼はそんなにもその人のことが好きだったんだ。でも、確かに愛する人においていかれるのは悲しいだろうな。恋人もいなかったし、家族も健在だった私にはあまり実感が湧かないが、きっとそれは胸が引き裂かれるくらいつらいものだというくことは分かる。


そう思っていると、映像の中のお母様が男の人に微笑んだあとに見事なビンタを決めているところが流れた。


えぇーーー!!!!?どういうこと!??今って、感動的なシーンじゃなかったの!!??


驚愕で顎の骨が外れそうな私にお母様が照れたように少し頬を赤らめながら話す。


「 ふふっ、話を聞いて応援はしていたけれど。一回叩かないと気が済まなかったのよね。

だって、彼ったら私に対して『 本当にすまない。 』って言ったのよ。そこは『 ありがとう 』って言いなさい、って怒ったの。


あとは、彼が泣いていた理由が思い人の子と共に死ねることへの安堵で、私と別れることへの悲しみがかけらも含まれていなさそうだったからそれもね。 」


「 とてもきれいなビンタでございました。 」


スミさんの援護射撃?もあったが確かに本当に綺麗なビンタだし、顔に紅葉もしっかりできていた。

これは、お母様を怒らせないようにしよう。


と心の中で近いながらゴクリとつばを飲み込んでいると見知った神様がさっきよりえらそうな感じで出てきた。


「 そうして私たちはアゼリオ様に事情をお話しして、彼が管理者を辞めて命を思い人と同じ長さにしたいこと。そして、私が調停者としての仕事を一人で引き受けたいことを伝えたわ。


その後、アゼリオ様から了承していただいて彼は天寿を全うし私が一人でこの星を管理していたの。

神様から了承をいただいた際に補佐としてスミを想像してくださったのよ。 」


なるほどなるほど、スミさんはこの時からお母様と一緒にいるんだ。じゃあ、以外と一緒にいた歳月はそんな長くないのかな?


「 そして、時は流れて今、調停者の仕事を貴方に引き継ごうとしているという訳よ♡ 」


うーん、多分概要は理解できた。でもそうなると不思議なことがあるな。


「 おかあさまがちょうていしゃをひきつぐひとをさがしていたのはなんでですか?おかあさまはじゅみょうがないからずっとできるんじゃ、、 」


そうなのだ、調停者という存在が星の終わりを見届けるまで死なない存在だというのならば寿命という概念から外れているから、明確な終わりは決まっていないはずだ。この星が消滅予定とかなら話は別だがそんな星の新しい調停者を探すはずがないし、そもそもそうならないように存在しているのが調停者という存在なのだからその線も違うだろう。


「 そうよ、寿命という概念は私たちには存在しないわ。でもね、最初の方に説明したと思うんだけど、強い陽の気を持つ者の近くに強い陰の気を持つ者がいると健康に支障を来すって言ったでしょう?


それと同じでね、私はこの星を管理するために彼から膨大な陰の気も受け継いだの。そのときに、アゼリオ様に魂の構造を少し変えて貰ったのだけれど、それでも最初私の魂は陰の気を管理するために形作られていて、それも踏まえて名付けをして貰っていたの。


名付けについても覚えているかしら?名付けはその者の魂の本質に影響するもの。

だからこそ、一度つけた名は簡単には変えられないし、ましてや、調停者である私たちの名は他の生物のそれより重い意味を持つの。


私の魂の本質は決して変わらないもの。それは陽の気を管理することに特化していて、陰の気も多少なら適応できるんだけど膨大な気の量を、長い時間管理することは身体的にも難しく、この星の調停者として歪みがあるそんな状態を続けることは矜持が許さないの。


そこで、陽と陰どちらにも高い適性を持つ新しい調停者を探して貰っていたのよ。 」


「 じゃあ、おかあさまはいまからだのどこかがわるいのですか、? 」


「 ふふっ、大丈夫よ。心配してくれてありがとう♡ 」


なら、よかった。


安心する私をよそに、部屋の端に控えていたスミさんが苦い顔をしていることに、このとき私は気づかなかった。


「 ここまでが、この星の成り立ちよ!他に何か気になったことはある? 」


うーん、なんだろ。陽の気と陰の気っていうのも気になるし、この男の人が好きだったのかな?とかも気になるし、お母様の言う長い時間の管理が厳しいってことのタイムリミットも気になる、。


「 おかあさまはあのおとこのひとがすきだったんですか? 」


一番最初に聞いたのはやっぱり恋バナ大好き女子のためときめく恋バナについてだ!


「 あらあら、ふふっ、ええ好きだったわ。 」


おおー!!好きだったのか!え、でもじゃあその人が他の相手好きになったとかめっちゃ悲しいやつやん!!これは、地雷を踏んでしまったか!?


そう思って、お母様を伺うとお母様は恋する乙女のような顔ではなくどちらかというとしょうがない子だなー、みたいな顔で何かを思い出していた。


「 でも、恋愛的ではなくて家族として愛していたわ。それなのに、一時期はそれで私のことを『俺のこと好きなんだろ?』みたいな感じでからかってきて、、しかも長くからかうものだからイライラして叩いた記憶があるわね。 」


そう言って笑うお母様の顔には含みがなく、純粋に家族として兄妹のような関係だったことがうかがえる。


うわーこれは本当に恋愛感情ないやつだ。女の勘でわかる、そんな間柄の人にからかわれたら確かにふざけたこと言ってんなよ、って思わずツッコミというなの愛の鞭が発動することも納得だ。

ここでの、叩くがどのレベルなのかは知らぬが仏というやつだ。


「 他には何かある? 」


「 えっと、ようのきといんのきについてもおしえてほしいです。 」


「 そうね、それについては魔術(フェリー)も関わることだからそちらも一緒に説明するわね。 」


なんと!!ここでそれが関わってくるのか!楽しみだな~どんな事ができるようになるんだろうな~


ルンルンしていると、また急に視界が変わった。

続いては、周りに何もない太陽と月のモチーフが天井に大きく描かれている部屋だ。そこに、さっきの机と椅子とテーブルの茶菓子だけが存在している。


「 この部屋なら、多少何をしても大丈夫よ。それでは次は陽と陰、そして魔術魔術(フェリー)についてお話しするわね♡ 」



あのー、お母様。急に転移するときは一声かけてからにしてほしいかもです。急な視界の変化に思わず胃がヒュっなった私は切実にそう思いながら頷いた。




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