01. どうなってるの
「あら、目が覚めたかしら?」
目の前のとんでもない美人がこちらを向きながらそう言った。私が反応できず言葉に詰まっていると、お姉さんがゆったりとした上品な仕草でかがみ、微笑みながら私の頭をなでてくれた。
「まだ少し混乱しているのね。もう少し眠りなさい、また起きたらお話ししましょう。」
そう言ってなでてくれた手が気持ちよすぎて、私は抗うことなくまた夢の世界に沈んでいった。
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そして次に意識が覚醒した私はまだ自分が夢の世界にいるのではないかと疑ってしまった。
というかそうであってほしい。まず第一に、私はよく分からない中華風の部屋の寝台の上で寝ていた。
第二に、隣には先ほどの薄らとした意識の中で頭をなでてくれた綺麗なお姉さんが同性の私でも思わず目をそらさなくてはと思うほどの色気を振りまいて寝ていた。
そして一番重要なことに!!
思わず目を覆った私の手に!肉球がついているではないか!しかもそのまま自分の体に目を走らせたら全身が白色の毛で覆われており、まるで犬や猫の様な体つきになってしまっていたんだけど!
どういうことだ!!?ここはまだ夢の中なのか!?
明らかに夢ではなさそうな意識のはっきり具合と、感触なんだが!!?
そうやって心の中で阿鼻叫喚をあげながら頭を抱えていると、お姉さんの「んぅーっ」というなんともなまめかしい声をだしながら身じろぎしていた。
起こしてしまったかと思い、私が動きを止めてお姉さんを見るとあくびをしたのだろうか、蜂蜜色の瞳が今にも溶けそうに潤んでおり、私を捉えていた。
「あら、起きていたのね。おはよう。」
そう言って私に微笑んだ。
色気が!!!あふれてとどまるところを知らないっ、!
予期せぬクリティカルヒットを受けて胸を押さえているとお姉さんは寝台から起き上がり、私のことを抱きかかえた。
「大丈夫?話せるかしら?色々お話ししたいけれど、まずはお風呂につかって落ち着きましょ♡」
「ぅあっ!」
そう言って私の返答を待たずに歩き出したお姉さんだったが、いや、聞いて!!
まずはこの状況を説明してはくれないでしょうか!?てゆうかこれは夢なの!現実なの!?
夢だとしたらなんだこの男のロマンを詰め込んだようなお色気おっとりお姉さんは!
毛先にかけて白から薄桃色のグラデーションになった髪は腰くらいまでのびており緩く巻かれているかのようにふわふわしており、肌は白磁のように白く透き通っている。四肢は柔らかくスラッと伸びておりスタイルが良いのに出るところは出ている豊満ぼでぃーだ、、
私の願望なのか、!?理想なのか、、!?悔しいような恥ずかしいような、味わい態度抗いたいというなんとも整理しがたい感情を抱えながら運ばれていると、いつの間にか大きな鏡台や衣装箪笥がある部屋に着いていた。
そこでお姉さんが、
「澄」
とつぶやくと私たちの背後にはこれまた美人なショートカットお姉さんが最初からいたかのように立っていた。
彼女はお姉さんが着ていた服を手品のように一瞬で脱がすとまたもや音もなく一瞬で姿を消した。
さながら忍びのような彼女に一言言わせていただきたい。
、、あなた、どなたですか!?
忍びとメイドを足して二で割ったような動きをしていましたが一体どなたでしょうか!?
しかも、忍びのお姉さんの動きを当然のように受け入れている綺麗すぎるお姉さんもただ者ではないのが分かる。
そうしているうちに、お姉さんは私を連れて更に奥へとつながる襖をあけた。そうして私はもう一度言葉を失った。そこに広がっていたものが私の想像を遙かに超えていたからだ。
、、皆さんは、お風呂と聞いて思い浮かべる景色は何だろうか。
家庭用のユニットバスと洗い場がついているものであったり、大きいものだと銭湯のようにいくつかの洗い場があり、奥には2種類の浴槽と大きい富士山の絵だろうか。
うん、私もそういう想像だったさ、、
それがさ、木枠の大きいお風呂に白濁したお湯がたっぷり溜められており、その奥には青い空と木々が折り重なった大自然と青々と光る海が見えるときたもんだ、、、
そりゃあ言葉を失いますよ、ええ、、
「冷めちゃうから早く浸かりましょう」
私に湯をかけてお姉さんがお風呂に浸からせてくれた。私は何故か自分の体が小さい動物のようになっているため、よくお風呂にある段差の上がっているところに落ち着いた。
いやー、体に染み渡るいい湯ですねー、、、
うん、ばっちりお湯の温かさまで感じることができる、、。
えーっと、そろそろどういう状況か教えていただいても良いでしょうか、、?
齢21歳就活中だった理系大学生は目が覚めたら子狐になっておりました。
そのときの私は想像もしていなかった、まさかここが異世界で私自身が流行っていた異世界転生をしてしまったとは。しかも最初が狐スタートて、、、
せめて人型がよかったな、!!!