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第59話 生存競争、密林の死闘


生い茂る密林の中、湿った空気がまとわりつく。

鬱蒼としたジャングルの中、マコトたちのワイルドストライダーは慎重に進んでいた。


足元の泥はぬかるみ、蠢くツタが機体の関節に絡みつこうとする。

樹上では奇妙な鳥が鳴き、背後では何かが蠢く気配がする。


「この密林(ジャングル)、何か変だよ……」

 

アイリスが警戒するように呟く。


「私もそう思うわ。ここは魔力が濃すぎる……魔導映晶(ビジョン・クリスタル)の映像が不安定になってる。」

 

フィオナが調整を試みるも、映像は歪み、しばらくするとノイズ混じりのものになってしまう。


「こりゃ目視でやるしか無いな……」

 

マコトが周囲を見渡し、武装の安全装置を解除する。


「来るぞ……!」


ズズズズ……


突如として、密林の地面が“蠢き”始めた。


次の瞬間、大小さまざまな黒光りするヤスデ型の魔物が樹木や地面のあちこちから這い出てくる。

それは密林の掃除屋──妖甲千足蟲(ヴェルナスティア)の群れだった。


「な、何匹いるのよ……!?」

 

アイリスが驚愕の声を上げる。


「数十匹……いや、百匹は超えてるな……しかも、樹の上からも来るぞ!」


樹上を滑るように移動する個体と、地面を這いずる個体が連携しながら包囲網を作り、

ワイルドストライダー三機を取り囲むように迫ってくる。


「くそっ……やるしかないな!」


マコトがライフルを構え、最も近い妖甲千足蟲の頭部を一撃で撃ち抜く!


しかし、倒れた個体の体液が地面に広がると──


ジュワァァァァ……!!


毒性のある蒸気が沸き立ち、地面が腐食するように溶け始める。


「予想はしてたけど……コイツらを倒すと毒を撒き散らすみたいね!」

 

フィオナが歯を食いしばる。


「2人とも、距離を取りつつ毒液を浴びない様にコイツらを倒すんだ、倒し方を間違えると俺たちもドロドロになるぞ!」


ワイルドストライダーたちは移動しながら撃ち続ける!

赤い装甲のスカーレットリーパーが、高速スラローム移動しながら敵を切り裂き、

エメラルドセージは魔法弾を放ち、広範囲の個体を吹き飛ばす。


ナイトストライダーのライフルが妖甲千足蟲を次々と狙撃し、行動不能に陥らせる。


しかし──


「……まずい、これじゃキリがない!」


群れの数が多すぎる。

撃っても撃っても、次々と樹上から滑り落ちてくる。


その時だった──

 

ズバァン!!!


何かが密林の天蓋を突き破り、空中から飛来した!


「何……!? 空から!?」


次の瞬間、空から降り注いだのは巨大な銀色の影だった。

それは、妖甲千足蟲の群れの一体に食らいつくと、そのまま喰いちぎる!


「なっ……!?」

 

アイリスが驚愕の声を上げる。


「あの姿……咬水翼魚(スティクシオン)か――!!」


咬水翼魚は6メートル級の水陸両用の魔物。

普段は川の中に潜み、獲物を狙うが水中から勢い良く飛び出すとそのまま空中を飛び獲物を探す事もある。

特に妖甲千足蟲を主食とする肉食の捕食者でもあった。


「ははは、意外な救世主……このまま食い合ってくれれば助かるんだけど」


しかし咬水翼魚は妖甲千足蟲を咀嚼した後、

その鋭い目を、今度はマコト達(ワイルドストライダー)に向けた。


「……こっちも獲物として見られてる。そう上手くはいかないか!」


は天敵の妖甲千足蟲を仕留める習性を持つが、

同じサイズの“ロボット”も、新たな獲物として認識したのだった。


そして──


咬水翼魚が大きく口を開けその鋭い牙を剥き出しにすると、猛スピードでワイルドストライダーへと突進する!!


「避けろッ!!バラバラに動いて的を絞らせるな!」


マコトが叫ぶと同時に、ワイルドストライダー3機は瞬時に散開する!


しかし、咬水翼魚は獲物を狙ってホバリングしながら空中で旋回し、再び狙いを定める。


「器用なやつだ……あの動きはドローンも真っ青だな」


スティクシオンは背ビレを強く打ち鳴らし、次の狙いを定めた。


標的は──アイリスのスカーレットリーパーだった!


「うわわ!わわ、私のことそんなに美味しそうに見えるの!?」


スカーレットリーパーが回避しようとするが、スティクシオンの背中の棘が発射される!


「――ッ!」


アイリスは間一髪でブースターを吹かし、回避するも、

棘が樹木を貫き、更にその後ろの樹木も何本も貫きようやく動きを停止する。


「……見た目は魚みたいなのに、棘を飛ばすなんて危な過ぎるよー!」


「妖甲千足蟲の群れに咬水翼魚……密林の固有種どもが、一斉に牙を剥いてきたな。」


「ここからどう切り抜けるの!? 二方向から攻められたら、もう逃げ場なんて……!」


「ここは……この地形を利用するしかない。」


マコトは冷静に密林の地形を見渡し、この状況を突破するための策を見つけ出す――

ジャングルの生態系は過酷だった――! ヴェルナスティアの群れを捌きながらも、さらに強大な捕食者スティクシオンが乱入。マコトたちは、密林の罠を利用しこの死地を脱することができるのか……!?

次回、決死の突破戦をご期待ください!

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