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第47話 狡猾な罠

「各都市からの防衛要請が続々と届いています! 外郭防衛線が突破されつつあり、各地で甚大な被害が出ています!」


連邦軍の司令部で飛び交う声。その中で、マコトたちはカーヴェルの要請を受けて出撃の準備を進めていた。


「複数の都市に同時侵攻……敵の規模がこれまでとは桁違いだ……」


マコトはアークティカの動力を調整しながら苦々しく呟いた。


「急がなきゃ……一刻も早く現地に向かわないと、いつまでも防衛軍だけじゃ守り切れないよ!」


アイリスは不安を隠しきれない表情で応え、フィオナも資料を手に複数の都市の中から特に厳しい状況の場所を選び、計画を確認していた。


「まずはミレディアね。そこを抑えたらテルバン、ハルストンと回るわ。時間との戦いになるけど、全力を尽くしましょう」


三人はそれぞれに覚悟を決め、アークティカに乗り込み現地を目指す。


ミレディアの街は、小型のサイボーグ魔物が中心となる大部隊の奇襲を受けていた。街中の狭い路地を活かしたゲリラ戦術を展開する敵に対し、マコトたちは市民を守りながら応戦する。


「数は多いけど、小回りが効く武器で対応すれば……アイリス、空から敵を叩いてくれ!」


マコトの指示を受け、アイリスはスラスターを全開にして敵の集団を空中から狙い撃つ。彼女のフレア・リヴァイアが放つ炎弾が、次々と敵を焼き尽くしていく。


「片付けたと思った傍から増援が来てる……でも、この武器があれば負けないんだから――!」


マコトが地上からバイパー&コブラで敵を追い立てて、纏まったところで空からアイリスが弾丸の雨を降らせて殲滅していく。


「市民の皆さん、慌てないでアークティカ(この乗り物)に乗って下さい!乗り込みが完了次第、司令部も避難所に皆さんをお連れします!」


マコト達が敵の気を引いている間にフィオナが逃げ遅れた市民をアークティカで保護していた。


気が遠くなる程の回数をこなし、漸く敵の増援は止まり戦場に静寂が訪れる。


「ゆっくりしては居られない、整備を済ませたらすぐ次の都市へ向かうぞ――!」


次に向かったテルバンでは、重装甲の二足歩行獣(ファルガスト)部隊が連携攻撃を仕掛け、防衛線を押し崩していた。


「こいつら、相変わらず戦術的な連携を取ってるな……!だけど今のシルバレオ(こいつ)と俺なら――!」


マコトはシルバレオを出撃させると即座にグレイシャルバスターを装着した。そして一直線に敵の群れの中心に突入するとその重装甲で敵の集中砲火を物ともせず、ロケットランチャーとガトリング砲の圧倒的な弾幕で敵を次々と撃破していく。


「この街の敵も凄い数だな……でもこの位で諦めると思うなよ!!」


アイリスも援護射撃を続けるが、敵の持久戦術に苦戦が続く。連携して攻撃のタイミングをずらし、一斉攻撃を繰り出してくる。

 

「こっちの火力を分析して、効率的に動いてる……!」

 

だが、マコトはすぐに冷静さを取り戻し、敵の連携を逆手に取る作戦を練り上げた。連邦軍の兵士たちも疲弊していく中、必死に戦線を押し上げなんとか敵を撃退することに成功する。


「マコト殿、アイリス殿、フィオナ殿、お陰で助かりました。テルバン(この都市)を代表してお礼を申し上げます。あなた方が来てくれなければ数日以内に防衛軍は壊滅していたでしょう」


テルバンの執政官がマコト達の奮闘に深い感謝の意を表した。


「助けになれて何よりです。俺たちはこのまま次の街へ向かいます……しかし敵の攻撃がこれで終わるとは限りません、油断せず警戒して下さい!」


息つく暇も無く、三人は次の都市へ舵を取る。


ハルストンでは、街全体が魔物軍に包囲されていた。

虚晶石を用いた広域魔力障壁を展開できる巨大蒸気獣(デカブツ)の新型が立ちはだかり、防衛軍の攻撃は手も足も出ず、マコトたちもその突破に苦戦を強いられる。


「この魔力障壁(シールド)、相当硬いな……!少々の攻撃じゃ壊せなさそうだ……!」


「マコトさん、敵の魔力の流れを解析したわ。その魔力障壁は広範囲に展開している分その魔力の流れに無駄がある、つまり弱い所があるの。そこを攻撃すれば突破口が開けるはずよ!」


フィオナが敵の魔力構造を解析し、弱点を見つけ出す。

マコトはその指示を基に、グレイシャルバスターの炸裂弾を駆使して魔力障壁を破壊。最終的に敵の主力を撃破し、包囲網を崩し、防衛軍共に敵を殲滅する事に成功する。


ハルストンでの戦闘を終えた直後、マコトたちに緊急の魔術通信が入った。


「セレスティア・ノーヴァ近辺に、過去最大規模の魔物軍団が突如出現しました! すでに街への侵攻を開始しています!」


その報告を受け、フィオナはすぐに状況を整理する。


「迂闊だったわ……各地への同時攻撃は、本命のセレスティア・ノーヴァ攻撃を隠すための陽動だったのよ!」


「くそっ……敵にいいように踊らされたか!だけどまだ間に合うはずだ!」


マコトは拳を握り締め、すぐさまアークティカを全力稼働させる。


「急ごう! 今セレスティア・ノーヴァが陥落すれば、この戦いは奴らの勝利で終わる――!!」


マコトの言葉に、アイリスも頷く。

 

「急ごう! セレスティア・ノーヴァを失ったら、連邦全体が終わりかねない!」


アイリスの言葉に、マコトも頷く。


セレスティア・ノーヴァへ急行するマコトたち。

現地で彼らが目にしたのは、魔物軍団によって破壊されつつある郊外の防衛線だった――

アルヴェスタ連邦各地を転戦するマコトたちの奮闘、そして明らかになる敵の巧妙な陽動作戦。

次回はいよいよ、セレスティア・ノーヴァでの大規模戦闘が幕を開けます!

マコトたちのは果たして連邦を守る事が出来るのか……次回もご期待ください!

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