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第28話 氷に閉ざされた都市


シルバレオと氷霜魔獣が雪原の中心で激しく睨み合う。

魔物の冷気が吹雪を巻き起こし、視界をさらに奪う中、氷霜魔獣が低く唸りながら地を蹴った。巨体とは思えない俊敏さで間合いを詰め、その鋭い爪を振り下ろす。


「いくぞ――!」

 

マコトが操縦桿を動かし、シルバレオがその場で重心を低くする。敵の爪が装甲に接触する寸前、巧みに体をひねって攻撃を受け流した。爪が空を切り、雪が舞い上がる。


「やるじゃないか……だけど、まだだ!」

 

敵ははすぐに姿勢を立て直し、翼を大きく広げた。

その冷気がさらに周囲を凍てつかせる。


氷霜魔獣が一気にブレスを吐き出した。その極寒の冷気がシルバレオを包み込み、周囲の温度をさらに下げた。

雪が固まり、氷柱が形成されるほどの威力だ。


だが、シルバレオはその場に踏みとどまり、関節部分から蒸気を噴き出す。高熱を纏った装甲が冷気を跳ね返し、周囲を再び温めていく。凍りつくことはなく、むしろ一歩前進して敵に近づく。


「その程度の冷気じゃあ、このシルバレオには効かないぞ……!」

 

マコトの声とともに、シルバレオが前脚を大きく振り上げた。赤熱した爪が雪原を切り裂きながら氷霜魔獣の翼を狙う。


爪が敵の翼に命中し、氷のように硬い表面が砕ける音が響く。翼の一部が崩れ、氷霜魔獣が大きく後退する。


氷霜魔獣は体勢を崩しながらも、すぐに尾を振り上げて反撃に転じる。鋭い棘が空中を飛び交い、シルバレオに迫る。しかし、その攻撃もすべて装甲に弾かれ、雪原に落ちて消えた。


「今度は……こっちの番だ!」

 

シルバレオは後脚を踏み込んで加速し、巨体を全力でぶつけるように敵に突進した。赤熱した牙が敵の胸元を捉え、金属の様に固い氷の外皮の内側に熱を伝える。

苦しそうに咆哮を上げ、抵抗しようとするが、シルバレオの力に押され続ける。


氷霜魔獣が最後の力を振り絞り、翼を広げて体を持ち上げようとする。その冷気が再び吹雪を強め、戦場を覆い尽くす。しかし、シルバレオは蒸気を全開にして冷気をかき消し、前脚を敵の首元に押し付けた。


「これで終わりだ!」

 

牙を離すと同時に、赤熱した爪を胸元に叩き込む。その強力な熱が氷を溶かし、敵の冷気は完全に失われる。


最後の咆哮とともに、氷霜魔獣は動きを止め、その巨体が雪の中に崩れ落ちた。



「終わったな……」

 

マコトが操縦席で一息つく。アイリスが駆け寄り、笑みを浮かべながら言った。

 

「すごいよ、シルバレオ(この子)! あんなに強そうな魔物を完全に圧倒してた!」


「防御面も攻撃も面問題なし。これならこの先も安心だな。よくやった、シルバレオ。」

 

マコトが機体を見上げながら答えた。


その後、一行は遺跡周辺を調査する。崩れかけた柱や装飾には古代文字が刻まれ、その一部が雪の下から顔を出していた。


「この外壁だけでも、かなりの規模ね。でも、もっと奥に大きな構造が隠れているはず」

 

フィオナが興味深そうに観察する。


さらに奥へ進むと、吹雪が弱まり、巨大な建造物が姿を現した。それは高さ数十メートルに及ぶ塔を中心とした遺跡だった。

一面分厚い氷や氷柱に覆われているが、かつての華麗な装飾や壮大な構造が透けて見える。


「これが……アルカディア・エルドリム……!」

 

フィオナが呟くように言った。


「ただの遺跡って感じじゃないよ……まるで当時の姿そのままに氷に閉ざされたみたい」

 

アイリスが目を輝かせながら言う。


「中にはもっとすごい物が待っているだろうな……慎重に進もう」

 

一行はアークティカに戻り、内部探索に備えた。


シルバレオくん、個人的にお気に入りです。

もっと色々なロボットをもっともっと登場させたい…!

遂に古代国家の遺跡へ本格的に脚を踏み入れた一行。

しかしそれは更なる戦いへの序曲だった…

次回にご期待ください!

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